- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103536918
作品紹介・あらすじ
ヒマラヤ遠征を繰り返し、旅から旅へ。未知の世界と出会い続ける7年間。北極海でシロクマと出会い、ユーコン川をカヌーで下り、シベリアで流氷が生まれるところを見つめ、南米ペルーで凍結ミイラとなった少女の足跡をたどる。富士山に海抜0メートルから登り、知床でヒグマと一夜を過ごし、震災後の福島、能登、国東、宮古島へ。カメラを携え旅する日々を通して世界を見つめる身体と思考の軌跡。
感想・レビュー・書評
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『気になったので思わずいてもたってもいられなくなって現地へ向かう』と言った内容のフレーズか何回か出てきて、その行動力の凄さに驚く。
女性の私だと治安や体力の事を考えるとなかなか行きづらい様な場所に旅行するのは、羨ましい気もするけれど、正直過酷すぎて私自身は足を運ばなくても良いかなとも思ってしまう。
でも自分では行けない様な場所の旅の記録は、自分もそこに行った様な追体験が出来るので面白い。
コロナでなかなか旅に行けない分、遠い地に想いを馳せる事ができ楽しかった。
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年末に渋谷の写真展に行ったことで興味を持った、石川直樹さん。すごい移動量と、過酷すぎる旅路で、ノンフィクションとは思えない。笑
面白かったのは写真展で感じた印象と、本を読んで感じたことが同じだったことで、どちらも余計なことがなくて、研ぎ澄まされている感じがしたこと。余分な文章や説明がなくて、ありのまま、見たこと、感じたことをストレートに表現している。最終的な判断は読み手、観覧者に託されているような、そういう自由度を感じて、石川さんの旅を一緒に感じられた気がした。
行ってみたい場所もいっぱいあったけど、これからは場所よりももっと、自分の中の行きたい動機を深掘りしてみたいと思った。 -
石川直樹(1977年~)氏は、日本 5人目、世界 85人目の七大陸最高峰登頂(2001年、当時世界最年少記録) 、8000メートル峰5座(6回)登頂(エベレストに2回登頂)などの実績をもつ冒険家(本人は「冒険家」と呼ばれることに違和感があると言っているが)、写真家。
本書は、月刊誌「新潮」に2012~19年に連載された「地上に星座をつくる」を時系列に一冊にまとめたもので、著者は「あとがき」で「都度、1ヶ月間に起こった最も印象的な出来事について毎月書いてきたので、忘れっぽい自分にとって、この連載は自分の歩みそのものであり、生の記憶と直結しているといってもいい」と記している。
私はこれまで著者の、『最後の冒険家』(2008年開高健ノンフィクション賞受賞)のほか、『全ての装備を知恵に置き換えること』(2005年)、『いま生きているという冒険』(2006年)などのエッセイ・紀行集を読んできたが、常に驚き感心するのは、著者の幅広い好奇心と人間離れした行動力、そこから何かを感じ取る鋭い感性、そしてそれを他人に伝える文章表現力であり、本書においてもそれらは遺憾なく発揮されている。
本書に登場する場所は、山形、ネパール、バングラデシュ、ムスタン(ネパール)、国東半島、韓国、ペルー、福島、ヒマラヤ、チベット、岩手、富士山、パリ、斜里、サハリン、ベトナム、アルバータ(カナダ)、パキスタン、新潟、アメリカ、沖縄、オーストラリア、能登、知床、札幌、白老、ノルウェー、富山、鹿児島、シベリア、ユーコン、アラスカ、宮古島・・・と、例によって、国内外の実に様々な国・地域である。
長引くコロナ禍の中で、ついつい内向きの発想になってしまう昨今だが、本書からは大いに元気を与えてもらえたし、また、著者が『いま生きているという冒険』の中で「冒険とは何か?」について語っていた、「現実に何を体験するか、どこに行くかということはさして重要ではないのです。心を揺さぶる何かに向かいあっているか、ということがもっとも大切なことだとぼくは思います。」という件を、思い出すことができた。
自らの「冒険心」に刺激をもらえるエッセイ集である。
(2020年12月了) -
ヒマラヤ、ネパール、知床、サハリン、能登、カナダ、宮古島··· と世界と日本の各地を、まさしく星をつないで星座を描くように旅した日々が綴られている。
石川氏の写真展には2回訪れたことがあるが、今、ここでしか出逢えない一瞬が切り取られた写真の数々は鮮烈だった。
かけがえのない出逢いと発見に満ちた旅の軌跡は、息が詰まるような日常からひととき解放してくれた。 -
久方ぶりに著者のコラムを読んだ。
本当に地球のあちこちに出かけて行っている彼だが、20年ほど前に一度トークショーを聞きに行ったことがある。その頃は陸や山ではなく海から戻ってきたところだった。これからも、写真もさることながらいろいろな発信を続けて欲しい表現者のひとりである。 -
人生そのものがトライアスロンみたいな人だ。K2に挑戦する話も、ヒグマと一夜を明かした話も、共同浴場にきたおじいさんを取材する話も、同じように熱く、面白く、最後の一文まで濃い。
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「旅に行きました、行きたかった観光地に行ってきました〜」という気持ちが朗らかになる旅行記ではなく、生死を賭けて旅をしていることが多い筆者の生きる目的を垣間見ることができる一冊。
今回初めて著書を読んだが、写真家という表現者だからか、文章もとても端的に表されていて読みやすかった。旅の内容とリンクして、私の気持ちの揺れ幅も大きかったように思う。
写真が白黒なのは少し残念。
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なんだろう、、全然心にピンとささらない。。
この人は一体何を求めてあちらこちらに旅をしているのだろうか。
機内誌で読むような小エッセイとして読むにはいいかもしれないけど、1日2,3の章で今15%くらい読んだけど、wikipediaを読んでいるような、深まらない物事の羅列がだいぶ苦しくなってきた。こんな感じでずっと表面だけなぞった紀行文が続くのだろうか。。。文章で旅行記を読むには、その人自身の視点や考察的な部分がないと厳しい。。
もう少しがんばって読みます。30%までは。 -
石川さんの2012年~2019年、K2等ヒマラヤの山への挑戦を軸に、相変わらず日本に世界にかけめぐってて、普通の人は到底真似できない行動力だなあと痛感...!
石川さんの本は自然と自分の視野と想像力を広げてくれる気がして、今回も読み終えて何だかもう少しいろいろな事にチャレンジしたい気持ちになった。
2010年台後半に宮古島に住まわれてたようでちょっと真似したいという憧れと、K2とかは無理だけどネパールなどトレッキングに一度訪れてみたい気持ちが強まりました! -
写真もいいけど、こちらは文章が主。こういう気持ちで旅をされてたんだなと思うと共に、自分も行ってみたいな〜という場所がいっぱいあってワクワクした。