すれ違う背中を

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103710110

感想・レビュー・書評

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  • 2016.6.25読了
    二人が前向きに生きていて嬉しい。特に何か大きな事件があるわけでもなく、慎ましく生きている二人だけど、ドンドン読み進めたくなってしまう。(図書館)

  • 2019.2.6-9
    ホストに入れあげ強盗を犯した芭子と息子にまで危害を加えようとするDV夫を殺めた綾香が前向きに生きる中で遭遇する4編。

  • いつか日のあたる場所で、の続編

  • 前科者の2人がつまずきながらも前を向いて歩いて行く第二弾。
    どのお話も暗さが伴っていたのが残念。
    人を信じることに臆病になっている2人に追い打ちをかけるような人ばかりが登場。
    その分、ペットのポッチに癒やされる場面が多かったのかな。

  • シリーズ2作目。パターンができてしまっていてちょっと飽きてくる。3作目には少し違うパターンになってるのを期待したい。

  • 前科者コンビの続き。
    主役のふたり(把子と綾香)は、だいぶ落ち着いた生活を送っていて、それだけでも落ち着いて読めた。

    人間、前に進もうと思えば、進める。が、過去はどうにもならない。引きずるしかない。隠し通すしかない。そう達観するまでの過程がゆっくりと全体を通して描かれている。

    本書では、ふたりの周りに現れる人物の物語を中心に描かれている。
    それもみな二面性を持っている。人は見かけに依らぬ者。。。
    塀の中を経験した目を通して、この二面性を見ている。
    視点が違うだけだが、それが面白い。

  • 好きなシリーズの2作目。今回も、あっという間に読んでしまった。
    細かくてリアルな描写。やっぱり乃南アサさん大好きです。

  • 『いつか陽の当たる場所で』の続編。
    芭子はペットの洋服づくりでなんとか
    やっていけそうだ。
    明るい綾香が職場で邪険にされているのを垣間見た時のつらさ。

  • ドラマの原作に「いつか陽の当たる場所で」と本書があがっていたので、未読の「すれ違う・・・」はこういう話が出てくるんだ~と思っていたら全然違っててびっくり~。芭子と綾香の家族も出てこなかったし、ジャグリングのお青年も出てこない。どっちがいいという話ではないけど、これはこれでやっぱり良かった。次巻が完結編だそうで楽しみ。

  • 同じ過去をもつ二人の女性。
    それは、以前刑務所に入っていたという過去。
    芭子はその事を決して誰にも知られてはならないと神経を張りめぐらしている。
    それに対して、綾香はふとした時、ほっとその事を口に出してしまう。

    これから何がしたいのかはっきりした目的がなく、アルバイトの面接を受けるもタイミング悪く落ちてばかりの芭子。
    それに対して綾香は自分のパン屋を開くという将来の目標があり、夜も明ける前からパン屋で働いている。

    いつも過去におびえて慎重な芭子。
    芭子よりひと回り歳上だが、お人よしで惚れっぽい綾香。

    最初はこの設定からして暗い内容だろうと思っていました。
    確かに1話目の「梅雨の晴れ間に」はそのような雰囲気で始まりましたが、二人とも過去にとらわれているだけでなく、それを教訓として前に進もうとしているので暗いジメジメした内容ではありませんでした。
    一人でなく、二人というのがよかったのだと思います。
    親や恋人ですら理解できない、そんな思いを共感できる人がもう一人身近にいるというだけで心強いから。

    二人とも何かに依存しようとせずに、自分の力で生活を立てようと頑張っている。
    そんな二人に図らずも関わってく周りの人たち。
    その人たちを見ていると、前科があるという衝撃的な過去でなくとも、誰もが背中から誰かに見られているような過去や秘密の一つは二つはもっているよな・・・と思いました。

    このお話は続編のようで、これの前の話は二人の刑務所に入っ経緯やその時のようすなどが描かれているようです。
    興味をもったのでそちらの方もぜひ読んでみたいと思います。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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