すれ違う背中を

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103710110

感想・レビュー・書評

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  • ふたりの生活も落ち着いてきて、充実ぶりが伝わってくる。ハコちゃん、わたしの中ではこつこつ洋裁をするタイプではないのだが、(なんとなくそんなに器用には思えず)仕事の方順調なようでなにより。どっちかというと綾さんファンの方が多いのかな?

  • 『いつか陽のあたる場所で』の続編。
    前作よりも日常感溢れる作品。
    過去のある2人が小さな出来事に一喜一憂しながら、つつましやかに日常を過ごす淡々とした物語。
    それでも、ぽっちの存在やまゆみの出現で、少しずつ生活の中に色が加わった感がします。

    どんな事があっても、少しずつでも、前に進んでいくものなんだなぁって思わされました。

  • 「過去」の背中に怯える芭子。「堀の中」の体験をいまだ不用意に口走る綾香。しかしやっと、第二の人生が、ここ谷中で見えてきた二人だった。コトが起こったのはちょうどそんな頃。二つの心臓は、すれ違った彼らにしばし高鳴り、しばし止まりかけた。ムショ帰りコンビのシリーズ、大好評につき第二弾。

  • 『いつか陽の当たる場所で』の続編。ムショ帰りの、芭子と綾のその後のお話し。
    前回ほど大きな事件があるわけじゃないけれど、日々を一歩一歩確実に踏みしめるようにして進んでいる彼女達の日常は読んでいて楽しかった。
    ペットショップで働き出した芭子の成長がいいね。
    この先もまた読んでみたい。
    そんな風に思わせてくれる1冊。

  • ちょっと悲しい過去のある二人が肩を寄せ合った生きていて、頑張れって応援したくなります。前作に比べ、前向きな展開があってよかったと思いました。交番の聖大君が絡んでくるのが面白いです。

  • 『いつか陽のあたる場所で』の続編。
    前作同様に1話完結型なので読みやすいけど内容は
    前作ほどの面白さを感じなかった。
    主人公とそのほかのひととの絡みが少なく展開が穏やか。
    過去に大きな過ちを犯しそれを爆弾として抱え、
    常に後ろむきな主人公の陰な部分が感じられます。
    個人的にはもっと高木巡査に登場してほしかったです。

  • ムショ帰りコンビの日常第二弾。
    話としてはおもしろいんだけど、
    日常過ぎて今後の展開が読めなさすぎるのが残念です。
    でもやることが見つかってうらやましいよ。

  • これは、「いつか陽の当たる場所で」の、続編。
    ムショ帰りの、芭子と綾のその後。
    こちらは、短編になっている。

    なので、前作よりも、ちょっと物足りない感もあるのだけど、
    芭子の、やりたい事が見つかって、それが、とても好きなことで
    自立の第一歩を確実に歩んでいく成長過程が、ものすごくよく分かる。
    綾も着実に夢を現実のものにする努力を怠らず、頑張ってるのが分かる。

    だいぶシャバになれた二人は、生活もだいぶ安定し、
    色んな人との出会いもあって。
    その出会いが、また、色んなことを繰り広げ。

    綾さんの焼いたパンの香りが、ほわ~っとしてきそうなシーン。
    芭子の作ってる服が思い描けたり。

    絶対に、あそこには戻らない!という強い決意をしながら生活する二人。
    普通のことが、普通って思える幸せをかみしめて支えながら生きてく二人。
    きっと、すごく良いことが二人には待ってるんじゃないかと思う。

  • 前作も読んでいたので楽しく読めました。
    綾香さんのつい「あそこ」での事を
    ポロッとこぼしちゃいそうになるおっちょこちょいな
    感じは相変わらずだけど(笑)
    少しずつ二人とも確実な人生に向かって
    歩んでいるのがわかって安心。

    前に二人がしたことは決して正しいことではないし
    無くした物も多すぎるけど。

    最後コスモスに良いように振り回されてる二人が
    もどかしくもありお人好しの二人らしくて
    微笑ましかった。
    また続編読みたい。

  • 前科者(まえもち)の女性親友二人の、短編集第二弾。
    主人公がペットショップに職を得て、更にペットの洋服を作り売ると、前作よりかなり進歩した。
    細かな心理描写が相変らず上手いです。傷つきながら、小さな幸せを感じながら、驚きながら、少しずつ前へ進んでいく二人。続編が楽しみ。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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