交換日記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 34
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104017072

作品紹介・あらすじ

作家"柳美里"は日記から生まれた。夜ごとくりかえされる死者との対話。

感想・レビュー・書評

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  • この本を手に取った時まず思ったのが「何故日記?」でした。どんな波乱万丈な人でも、毎日の日記となると本にして出版するほどのモノになるのかな?と。
    この疑問は本の最後に書かれてありました。日記というのは一番その人の本性を表すだろうということから発した企画だったようです。

    そうして覗いた柳美里の日常はというと・・・
    中心は、息子の丈陽君とマラソン。そしてその合間を縫っていかに執筆するか。柳美里も日常的なことに振り回されるのねと言う感じで、親近感を覚えました。

    が、しかしその一方で、攻撃的(?)な一面もありました。
    ひとつは丈陽君のベビーシッターへのこだわり。一度ダメだと思ったら、即クビ。
    また、「石に泳ぐ魚」の裁判についてもかなりこだわって書いていました。

  • いつも通り赤裸々です。

  • 2003年。『命』執筆後、2001年11月20日から2002年12月30日までの日記。「事実」と「体験」から出発した作家のつづった日記だけに、この日記を『8月の果て』連載期間のサブテキストとして読んだ。個人情報をどこまでさらけ出すかが問われるだろうが、体をはっている作家だと思う。2002年は柳さんにとって大変なこともあっただろうけど(朝日との軋轢など)実りの大きい意義のある年であったことがわかる。これからもずっと闘う作家でいてほしいと思う。林芙美子の『放浪記』以降、いろんな作家の日記のようなエッセイのようなものを読んできたが、私にとってはこれは一番おもしろいと感じた。情報をさらけだせるとは、これは強さなんだと思うんだけどな。

  • 面白くて驚いた。暗いけど。

  • 柳美里の本。<br>亡くなった、東由多加氏にあてた日記。<br>なのでタイトルがそういう事。<br>子育て、マラソン、訴訟問題。<br>それがだいたい。<br>スムーズには読めない。<br>それにしても結構キツイ母親とませた子供の暮らしを感じた。

  • 元恋人で、亡くなった東由多加氏に、話し掛けるように
    描かれた日記風エッセイ。
    一人息子たけはるとの日常。本の題材にするつもりが
    すっかりのめりこんでしまったマラソン。デビュー作「水の中で泳ぐ魚」の
    プライバシー問題に関わる裁判の様子などが、克明にかかれている。
    同じ母親として子供を思う気持ち、子供への接し方が
    ワタシには理解できない所が多々あるが、なぜか、文章にひきつけられてしまう。

  • 「命」三部作で知られる彼女も2000年に男の子を出産したママ。
    「交換日記」は彼女のパートナーであった故東氏へ向かっての日記です。
    作者の日常が綴られているワケですが子供との場面がたくさん出てくるしママにも良い1冊だと思います。
    ただちょいボリュームがあります。

  • 息子さんの大きくなる成長ぶりが嬉しい一冊でした。しかし、母親は大変だなぁと…

  • 命のあのシリーズに登場していた亡き東由多加さんとの交換日記。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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