ゆうじょこう

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104041046

感想・レビュー・書評

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  •  15歳のイチが東雲楼での生活を綴った物語。この時代の1人の女子としてどう生きることが幸せなのか考えさせられた。貧しいまま、ふんどし姿で海女として一生を終えるか。それとも親の借金を返すために遊女として働きながら読み書きを覚え、贅沢品に触れて借金返済後の自由を想像しながら辛い日常を耐えるか。けれど、当時は選べないからこそ与えられた場所で生き抜くしかなかったことが窺えた。物語のラストがあっけなく終わってしまった。個人的にはもう少し余韻が残る最期が良かった。ので、☆3つで。

  • 青井イチ、師匠の鐡子さん、花魁の東雲さん。

    初の村田喜代子さん。

    子供の頃に見た「アルプスの少女ハイジ」のハイジから受けた、
    「んもう、見てらんない。」と思わされる愚直さを感じるのだけれど、彼女の日記は飾り気のない本能からのもの。

    それを鐡子さんが楽しみにしているのがあたしを安心させる。

    そして、花魁東雲さんの有り余る美しさや思慮深さや頭脳明晰であろう事などを妄想。

    やっぱり遊郭が好き。

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著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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