存在論的、郵便的: ジャック・デリダについて

著者 :
  • 新潮社
3.76
  • (62)
  • (42)
  • (92)
  • (3)
  • (4)
本棚登録 : 1226
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104262014

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東浩紀のデビュー作。途中まで読んで積読にしていたが、今回は150ページくらいまでは普通に読み、その後は斜め読みした。
    難解で理解できたのは半分以下。
    固有名の持つ確定記述の束に還元できない過剰の話は理解できた。

  • 2007/06/09 購入
    2007/06/17 読了 ★★
    2012/03/26 読了

  • 日本版「ソーカル事件」でないのだろうから、自分の勉強不足でちっとも頭に入ってこない。

  • 東浩紀哲学の出発点。これを読めば『動物化するポストモダン』から『一般意志2.0』まで一貫した思想がうかがえる。人間と動物の二元論とか、エクリチュールの散種とか、郵便空間とか。コミュニケーションをおびやかす「誤配可能性」を「希望」に読み替えるその前向きな思想に共感。

    2012年1月26日:

    175ページまで読んだが、疲れた。最後まで斜め読み。

    郵便空間におけるエクリチュールの誤配可能性や、デッドストック空間への紛失によるコミュニケーションの不可能性については、それが人々にICTへの根源的な不安をもたらしているのだろうと思いました。

    2012年5月4日から再読。『ソルジェニーツィン試論』『郵便的不安たち』『サイバースペースはなぜそう呼ばれるのか』といった東氏のテクストや『分析哲学講義』を読んだことで、『存在論的、郵便的』もだいぶすらすらと読めるようになっていた。

    これも重要。60:00以降が面白い。 → ニコ生思想地図「震災以後、哲学とは何か」國分功一郎×東浩紀 http://live.nicovideo.jp/gate/lv81400801

    2012-05-05 17:42 随想

    ギブソンのアフォーダンスと、デリダの散種は似てる。ユーザビリティ/エクリチュールの意味が事後に遡行的に見出されるという点で。

    デザイナー(郵便局)の特権性は脱構築され、原理的に「目的外利用」は消滅する。人工物の利用における多様な意味は、利用のまさにその瞬間において遡行的に確定する(エクリチュールの散種)。

    同じものを使いながら、その使用は一つとして同じではない。大量生産される規格品が生活様式を単一の型にはめるということはない。人工物の利用における意味を創造的に「誤読」することで、私たち自身の生活を自在化する可能性がある。

    デザイナーの特権的意味付け(デザイン)から飛躍した「誤配」や「誤読」による創造的な生活の可能性がある。「シンセサイザー」(楽器)にすぎなかった初音ミクのキャラクター的な需要と創造力(ジェネラティビティ)は好例。ユーザーによる「ハッキング」の可能性。

    アフォーダンスがつねに無限の可能性・創造性に対して開かれており、人工物の意味や用途が使用そのものによって遡行的に定義されていくならば、原理的に「目的外使用」など存在しない。人工物のテレオロジー批判。デザイナー批判。

    ソフトウェアは「目的外利用」しにくいのが問題だ。しかしそれはいまのアーキテクチャがそうであるに過ぎないのであって、「目的外利用」に開かれた情報アーキテクチャを模索したい。

    例えば「モーダルからモードレスへ」という上野氏の実践はその意味において意義がある。

    HCDとACDに関する議論(浅野氏の記事)と並行している。デザインにおけるHCD的な利用状況(コンテキストオブユース)のアプリオリな措定はテレオロジーであり、アフォーダンスの散種的多様な解釈を抑圧する。しかし抑圧しきれないために「目的外利用」に対してつねに開かれている。

    「目的外利用」「誤配」「誤読」をエンパワーするアーキテクチャとは何か。TwitterにおけるRTのような機能は、デザインのメタレベルにおいてはどのようなものになるか。一例としてAPIがあるだろう。データのアクセシビリティを高めること。Google的、マッシュアップ的。

    アクセシビリティは「あらゆるデバイス、利用環境での閲覧可能性を確保する」ことではない。閲覧だけでなく加工・再利用に対して開かれていなければならない。つまり機械的可読性が必要なのだ。フロリディ的。

    アクセシビリティとAPIの倫理。この基礎的議論からオープンデータ、オープンガバメントの要請が演繹的に出てくることは説明の必要もないだろう。

    140文字のツイートそれぞれがバラバラにリツイートされている。これぞ散種だよなあ。ようやく東浩紀氏のTwitter観に少し触れた気がする。

    コミュニティの閉鎖性を突き破ってコミュニティ間コミュニケーションを成立させる言葉があるとすれば、強度のある言葉だ。それはリツイートが連鎖しやすいツイートの特徴でもある。

    ぼくの新事業開発アプローチ(今風にいえばリーンスタートアップ的)はビジネスの散種的実践か。プロトタイプを作ってモニターテスト、ミニマルなβ版でリリース、みたいな手法は、エクリチュールの種を撒いて、その(しばしば予期せぬ)成功の芽を利用者の中に見出すことだ。

    ウェブサービスを提供するソフトウェアは、プログラミング言語でアーキテクチャをコーディングしたものであり、エクリチュールそのもの。その「目的外利用」と探索的事業開発手法は、音声中心主義批判と散種的エクリチュール実践に並行している。

    『アーキテクチャの生態系』を検討したい。生態系と進化論と固有名の問題とか。グーグルではなくグーグル的アーキテクチャそのものを考えることは可能なのか。進化論的議論は可能世界的思考を要請する。

    2012-05-07 03:01 再読完了。満足。

    『存在論的、郵便的』再読完了。3ヶ月前は途中で放棄したのに、こんなに読めるようになっているとは我ながら驚き。大変多くの気付きが得られた。

  • もう一度読む

  • 【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」
    すみませんぼくも未読です。が、現代思想について考える際、この本は避けては通れぬ一冊だと思います。入学してきて、まず何を読んだらいいだろう? というひと、ぼくみたいに聞きかじったことをなあなあにしてしゃべるのではなく、ちゃんと読んで、いろいろ考えてみてほしいです。ぼくも読みます。一緒に勉強したいです。【S.S.】

  • デリダの解説書として破格に読み易い。

  • 難しい…。理解できるレベルではなかった。今思想地図を読んでるけど、そっちは面白いしなんとか理解できる。

  • 最近有名になってきている人の本なので気になった。

  • -読中-
    なかなか読み応えのある本。こういう本一冊あればとっても充実した時間が過ごせる。メモを残しつつ、格闘中。知的好奇心がそそられる。

    -読後-
    とても疲れました。難しかった。

全47件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東浩紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×