古道具 中野商店

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412044

感想・レビュー・書評

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  • 古道具屋を舞台に繰り広げられる、ちょっと風変わりな人達の物語。

    どこかズレてる妙なテンポのゆるーい会話。
    そしてヒトミとタケオの、くっつきそうでくっつかない微妙な距離感。好きだな、こういうの。

    淡々とした文章の中に見え隠れする切なさが、押し付けがましくなく、さらりとしていて心地良い。

    最後の章でいきなり2年後になってて「えー!?」と思ったけど、とても良い方向に流れていって、思わずニヤニヤしてしまう幸せなラストにも満足。

  • 2005年8月16日読了。

  • 2005.09.28. まず1番ビックリしたこと。ひとつめの「角形2号」が2000年掲載なのね。それからぽちぽち書いてて、中野焦点の雰囲気が変わってない。5年も経ってるのに。こんな店ありそう。入りにくそうだけど。すごく情景が浮かぶ。サキ子さんみたいにスッパリしないと。とか、タケオは未だよくわからんとか。キャラクターに味がある。さすが川上さん!

  • 久しぶりの川上さんです。割と借りては見るのですが途中でやめてしまうことが多いので借りないようにしていました。でもこの本はアマゾンでも人気のある本として紹介されていたので予約してみました。結構待ちましたよ。目が離せない内容ではないのでのんびり読んだのですが最後まで読み終わりました。登場する人が心優しいので読んでいてどの人にも会ってみたいなーと思いました。でも読み終わったら少し物足りないなーなんて思ってしまったけど。

  • みんなぐずぐずして、煮え切らない。

    けど、登場人物すべてが愛おしい。

  • 2010/01/08 同じ世界のいろんな人たちが出てくる連作も好きだが、これは同じ人物がずっと出てくる連作短編。表紙重視だったが好きな感じだった。

  • 随分前に読んだことを思い出してレビューを書いています。
    淡々とというか、ほのぼのした感じの内容でした。
    こういうところで働きたいな、と思ったことを思い出しました。
    また読みたくなる本です。

  • ゆるくて、変にリアルで、生活の匂いがして。
    適当で、不器用で、味があって、なんかしょっぱい感じもして。
    一軒のお店にかかわるひとたちの日々の話。
    好きな感じでした。

    ヒトミちゃんもサキ子さんも中野さんもマサヨ姉さんも好きだけど、
    いちばんは、タケオ。いいわー

  • 辛くならない、
    めずらしい川上弘美。

    身を切られるように、
    自分の恋愛に重ねてしまうような、
    (もちろん、勝手に重ねる訳だけど)
    そういう要素があるのだけれど、

    いつもとは、
    切り取られる(切り取られていると感じている)
    辛さのジャンルが違うから、
    辛くない。

  • 川上弘美、よいね。好きだわ。
    やる気ないけど人間味ある文体が好き。

    例えば…
    「こうやって死ぬまでの一生、
     不安になったり怖がったり茫然としたりして
     過ごしてゆくのかと思うと、
     今すぐ地面に寝そべって
     ぐうぐう眠ってしまいたいくら、
     気が重くなった。」
    そこでぐうぐう書く人いないっしょ。
    そういうとこが好き。

  • 主人公とタケオの感じがいいなぁと思う。
    なんかなんとなく、とらわれすぎないで近づいたり、なのにドギマギはなれたり。
    周りのひとたちも、いい。
    パイのケーキ食べたいな。レモンパイ

  • 古道具屋で働く人たちの、のほほんとしたお話。
    登場人物がみんなどことなく浮世離れしていて癒される。

  • 昭和を感じさせる
    ちょっぴり埃っぽそうな
    あまり繁盛してない感じの
    でも、どことなく落ち着く
    古道具屋 中野商店。

    そこのそれぞれの登場人物の話。

    個性的な人物目白押しなんだけど、そこは置いといて。

    ヒトミ(主人公)とタケオの、恋愛初期特有のぎこちないやりとり(特に電話)、素直になれない感情に

    あぁ〜こういう事あるなぁ

    と、思わず同感してしまいました。

    川上さんは、こういう描写が上手いのかな?

    もっと色んな本を読んでみたいと思いました。

  • ゆるゆるとした時間が流れているようで、中野商店
    に関わる人々の時の移ろい、が少しずつ描かれてい
    て、よい。
    ほんわかする。
    川上弘美はよいなあ。としみじみ思った。

  • ひょうひょうした人間ばかりの集まりの中に、ちゃんと秩序みたいな、流れがあって、ほわんとして気分のまま、読み終えてしまった。まだまだ、続きが気になるのですが。というか、まだ、ヒトミちゃんや、タケオや、中野さんやらに逢いたいなと思わせます。スゴイな。いい本でした。

  • 08/06/04読了。
    こういう輪いいっ!

  • いつもなら、こういうユルユルとした雰囲気の小説も好きで楽しめるのに、これは読むのにちょっと骨が折れた。今回は「タイミング」が悪かったのかな…

  • 読了後にふんわりと優しくなる感じ。
    中野さんとお姉さんのマサヨさん、ヒトミさんとタケオの恋愛模様、中野商店の古道具たちと常連さん・・・。友情、不器用な恋・・懐かしく幸せな1冊です。

  • 川上さんの作品はこれで3作目。

    この話も普通っぽいんだけどなんか不思議で良かった。
    でもタケオとの恋愛話はなんだか先にすすまなくってイライラしちゃったかな。

  • 川上弘美さんはあんまり読んだことないけど、
    名前に惹かれて読んだらおもしろかった。

  • 読んでいくうちに、中野商店の情景がふわふわと浮かんできた。

  • 東京の西の近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・
    中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、
    むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち......。不器用でスケールちいさく、けれど
    奥の深い人々と、懐かしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんとも
    じれったい恋、世代をこえた友情。幸福感あふれる最新長編

  • 川上弘美って最初は嫌いだったけど
    この頃、好きかも
    文体が涼しい感じがするけど
    それがいい、みたいな

  • 不思議な世界感です。
    最後のゆるい恋もここちいい。

  • 10月15日購入。25日読了。えーと,これ昭和?と思ってましたが,最後にウェブデザイナーとあったので平成でした。最後のシーンは凄く良かった。川上弘美,ちゃんと読んでみよう。

  • 秋の読むにはオススメで、
    私はこの本のしっとり感を堪能しました。
    しかも二度ほど泣けました。
    静かな涙はいいものだなぁと思いながら、
    淡々と読みふけったこの本。

    中野商店というフツーのお店なのに、
    働いている人間や顧客は
    どこか変わっているというか、
    自分に正直するぎというかで、
    なんとも味のありすぎる人たちだった。
    こんなお店で一度は働きたいなぁ。

    それにしても、
    主人公の恋の相手がねぇ、
    癖がありすぎてイラッときたよ(笑)
    色んな恋愛風景が描かれているけど、
    主人公のが一番はがゆかった〜。
    まぁ、最後はキレイにまとめてくれて
    良かったけどね。

    あと、マサヨさんみたいな大人が
    近くにいるってとっても救いのような気がする。
    私の近くにいて欲しい人かな。

    独特の時間軸と空間がたまらないね、川上作品は。
    次々読破していこう。

  • 主人公を取り巻くちょっと変わった人達との日常生活が描かれているのだが、温かく優しい作品。話の中の時間がゆっくり流れているので、落ち着いて読める。

  • なごみたいときに。
    なんかゆ〜っくりな世界。

  • 独特の世界観を感じることが出来る本。
    ラブストーリーだけど、そこらのありきたりのラブストーリーとは全然違う。
    登場人物達のそれぞれの恋愛模様だけど、ばたばたしてるわけじゃなく読みやすい。
    お店の様子が目に浮かんでくるよう。

  • 『光ってみえるもの、あれは』と一緒に図書館で借りたのだけど、こちらの方が面白かった。文庫本になったら絶対買おう。古道具屋でバイトする女性と回りの人々。男性陣はダメ度が高そうな人多し。

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上弘美の作品

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