ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2015
感想 : 259
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507078

感想・レビュー・書評

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  • しゃばけシリーズ第6弾は短編集。そういえば長篇はテレビドラマになってますが、短編はなりませんね。起承転結としては短編面白いと思うんだけどなぁ。1時間ドラマなら充分だと思うんですけど…残念。   

    ・大火事で長崎屋も火に包まれた。逃げる途中で煙を吸い込んでしまった若旦那は気を失い…気付いた時には冬吉や末松など子供らのいる賽の河原に、あの世に来てしまっていた。けれど、一緒に連れてきてしまった鳴家たちをなんとか帰さないと…。―――「鬼と小鬼」
    ・妖し退治で有名な僧・寛朝の元には多くの相談事が持ち込まれてくる。とてもひとりでは捌き切れないし、ということで唯一の弟子・秋英が六衛門の話を聞くことになったのだが、娘が絵の中の男に夢中になってしまったのだと言う。―――「ちんぷんかん」
    ・一太郎は妖しであったおぎんの孫であり、母・おたえも妖しの血を引いていた。彼女が藤兵衛と結婚するきっかけとなったのは、縁談相手・辰二郎の叔父の家に突如卵が現れるという不可思議な事件からであったのだ。―――「男ぶり」
    ・若旦那の兄・松之助の縁談が進んでいた。火事のあと真新しくなった離れで話していると式神が紛れ込み、鳴家や若旦那に襲ってきた。使い手のにっくき陰陽師探しの最中、縁談相手・玉乃屋にも現れたらしいと分かり…。―――「今昔」
    ・離れの庭に桜の古木が植えられ花が開きかけた頃、赤ん坊が現れた。小紅と名づけられた彼女は桜の花びらの精で、それ故に成長がとてつもなく早く短い命。一太郎はなんとかならないものかと手立てを探すのだが…。―――「はるがいくよ」
    以上、5作の短編集。

    悪いことの後には良いことが…ということか、松之助の縁談が進み、三春屋の栄吉も跡を継ぐために他の店に修行に行く予定になる。いいことなのに…寂しい。若旦那の気持ち分かります…。人との別れは寂しいよね…たとえまた会えるとしても。でも若旦那もいつか…と考えてようやく気付くことができるんですね。病気がちでどうしても人生経験の乏しくなっちゃう若旦那だけど、それでも周囲の人間と妖怪に囲まれて、ちゃーんと成長しています。ほろり。
    それにしても若旦那の薬はどこまで苦くなっていくのか、非常に心配です。いくら妖しの血を引いてたって、そんなけったいな原料の薬を飲んで大丈夫なのかしら。そして金治(貧乏神)はどんな凄まじい味に変容させたんでしょうか…。薬を飲みなれた若旦那がギブアップするほどの味っていったい…(汗)

  • ネタ切れ、ではないよね…?
    マンネリ化してきたのか自分が成長したのか、しゃばけからのあっと驚く展開やらキャラクタの魅力はあまり。
    一太郎のお人好しさが少しずつ鼻につくようになってきたような。いくら箱入りだからといってそろそろ成長しなくて良いのか。
    寛朝と貧乏神で補ってはいるのだろうけれど。
    ただし文章はあいかわらずやさしい。優しい、のか易しいのかはわからなくなってきた。

  • 相変わらず面白い。若旦那があの世にいよいよ逝っちゃう話とかの5話の短編集しゃばけシリーズ。最初のしゃばけの頃から比べると一段と病弱になっている。笑えない位病弱。何せ臨死体験しちゃいますしね。切ない話もあるしね。

  • ≪内容覚書≫
    「鬼と小鬼」
    火事の煙を吸い込んで、意識を失って、
    目覚めたらそこは三途の川。
    うっかりついてきてしまった数匹の鳴家だけでも
    返してやろうとがんばる若だんな。
    果たして無事長崎屋に返してあげられるのか。

    「ちんぷんかん」
    広徳寺の寛朝の弟子である秋英さんが中心のお話。
    若だんなの相手で手が離せない寛朝に代わり、
    秋英が相談の相手をすることに。
    しかし、相談相手の様子がおかしく…?

    「男ぶり」
    若だんなのお父さん藤兵衛さんと、
    お母さんおたえさんの馴れ初め。
    たくさん縁談の話があったおたえさんは、
    どうして長崎屋の奉公人だった藤兵衛さんを選んだのか。

    「今昔」
    火事で全焼した家屋の新築祝いに松之助さんの縁談にと、
    嬉しい知らせが続く長崎屋。
    しかし、式神や貧乏神の金治が現れ、なんだか不吉な予感。
    松之助さんの縁談はどうなる?

    「はるがいくよ」
    桜の花びらの精・小紅と若だんなの交流のお話。
    人の何倍もの早さで流れる小紅の時間を止めようと
    がんばる若だんな。

    ≪感想≫
    安心の短編集。
    「鬼と小鬼」では、ついにここまで来ちゃったかと。
    いずれ、彼は、来るだろうと思ってた。
    どこでも冷静で、周りに優しい若だんながすてき。

    「男ぶり」は、結婚について考えさせられた。
    惚れた男より、惚れてくれた男と結婚する方が、
    女は幸せなのかも。
    しかし、藤兵衛さんみたいな男に、
    惚れられる可能性の低さに、泣いた。
    おたえさん、うらやましい。

    「はるがいくよ」は、若だんなが珍しく、
    聞きわけが悪くて、最初は違和感。
    そういうものなんだね、とあっさりするかと思ったんだけれど。
    最後、仁吉や佐助の気持ちを考えて謝る若だんなに
    思わずほろりときた。

    しゃばけは、こういう短編の方がやっぱり好きだ。

  • 火事ネタ多いな。

    寛朝様と貧乏神が好きなのです。
    しゃばけシリーズは後味が悪いのがないからさっぱりした気分になれる。

  • しゃばけシリーズの短編集。
    「鬼と小鬼」
    若だんなをぶてる少年って貴重すぎる。
    冬吉はまた出てきてほしいな。
    仁吉や佐助が側にいるときにぶったらどうなることやら。
    「ちんぷんかん」
    英秋がこれまた良いキャラだなぁ。寛朝様に振り回されるポジション。
    「男ぶり」
    若だんなの両親の馴れ初め。結構好きな話です。卵の謎はいまいちだったけど。
    「今昔」
    妖怪vs陰陽師。貧乏神が良い味出してます。
    「はるがいくよ」
    しんみり。

  •  若だんなが三途の川を(また)渡りかかったり、さくらの妖がつかわされてきたり、式神が若だんなを襲ったり(松之助が結婚したり)、若だんなの両親のなれそめやら、寛朝と弟子の話があったりの短編集。

     妖に対抗する力をもった寛朝の、ふてぶてしい、けれど筋の通った性格が恰好良い。
     若だんなと黄泉で出会った冬吉はどうなったのかしら。また後のシリーズで出てきたりするのかなあ。

  • すっかり安定感が出てきた物語。
    今回は一段と読ませます。
    面白かったし、続きを早く読みたい!
    すっかり私の生活に一太郎や鳴家が入り込んだ感じ。

  • (収録作品)鬼と小鬼/ちんぷんかん/男ぶり/今昔/はるがいくよ

  • 鳴家がかわいい
    三途の川の渡し賃まで詳しくかかれており、勉強になった。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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