ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 239
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507122

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで読んで、ほっとしたけれど、なんだか寂しいような。人生の分かれ道。

  • 「しゃばけ」シリーズ史上もっとも重苦しい幕開けです。特に屏風さんファンの私にはかなりつらいものがありました。若だんなの悔恨も痛々しいし。こんな物語は、あまりにも悲しい!
    だけど読み進むうちに「これは!?」という気分に。なるほど、こういう構成でしたか~。読み終わると、ほっと安心できます。
    お気に入りは「こいやこい」。ストーリーの面白さもさながら、ひさびさにかなりの謎解き要素もありますね。かなめのキャラもいいし。だけど最終的に○○が変わってしまったということは、若だんなと彼女はもう出会えないのかな? それが少し残念です。

  • 突然知らない展開となったので、読み忘れた巻があるのかと何度も確認してしまった。

    実に、時の流れの書き方がうまく、著者の構成や筆力に驚く。
    右手に進み、一体何があったのか。詳細は描かれないが、その後の展開、時の遡り方の見事なこと。

    屏風のぞきがいなくなったことの、若だんなの後悔と悲痛が苦しすぎて、いったん読むのをやめてしまった。人生にはそんな後悔も悲痛も起きるものだけれど、やっぱり無い方がいいなぁと、思わず考えてしまう。そして、寂しすぎて、続巻の表紙をWEBで検索し、屏風のぞきがいないか調べてしまった。

    かなめの出会いも驚いたが、生目神様のおかげで時が戻り、左手に進んだこととなった「始まりの日」の章。
    ということはおねとも会っていないことになるのだろうか。
    でも何よりも、本当に何よりも、屏風のぞきが今まで通りであることに感謝が湧いた。あぁ、よかった。驚くほどに、あの妖たちが私にとっても大切な存在になったようだ。

  • 屏風のぞきいいいガクッ
    花見の描写良し。行きたくなった!
    かわいい佐助さんも見れた!

  •  今回は、いつものお話よりも数年先の世界。
     1話目の「ゆんでめて」が4年後、次のお話が3年後……というようにカウントダウンしていきます。
     1つずつのお話は結構ユーモラスなんだけれど、その下敷きにちょっと切ない出来事をはらんでいるから、ハラハラしながら読んじゃう。

     短編集で、1つ1つの話だけ読んでもそれで完結しているけれど、繋がっているので、最後まで読まないと。

  • 師走から年始にかけて、仕事に忙殺される日々からの逃避だろうか、しゃばけシリーズを最初から9冊も読んでしまった…!
    9冊目は、ちょっと悲しかった…。
    でも、ちゃんと最後はめでたしめでたしで良かった^ ^

  • 「しゃばけ」シリーズ第九弾、五作の短編集。第一話『ゆんでめて』・『こいやこい』と、付喪神の屏風のぞきに関わるストーリーが、第五話の『始まりの日』で第一話当日に戻る、不思議な展開でマンネリ化を避けたのかややこしく、第三・四話『花の下にて合戦したる』桜の化身の姉妹と若だんなの母おたえを守る守狐参加の飛鳥山での花見騒動・『雨の日の客』付喪神の鈴彦姫が稲荷神社で病気がちな若だんなの本復を願う百度参りで襲われたところを救う長身の女の正体などの、良い話の印象が薄まり残念。

  • 連載はまったく目を通していないのですが、本として一冊に纏まると本領発揮、という作品ですね。5編の短編一作ごとに一年分、過去の話へ遡って行く訳ですが、この構成が5編目で上手く生かされています。読者がこの一冊で若だんなと一緒に体験して共感してきた出来事は、最終的には「読者しか覚えていない物語」になってしまいますが、それが少し寂しく感じられます。「ゆんで」か「めて」か。「あの時、」と誰もが一度は思う事だと思うので、お話としては共感が持てました。

  • 人生にはいくつもの選択肢がある。
    あのときあちらを選んでいたら…と思うことは
    きっと誰にもあるけれど、誰も戻ることはできない。

    今回は正にそんな選択肢を書いたお話。

    そして次の『やなりいなり』への布石となっていく。

  • 『ゆんでめて』
    兄である松之助の店に向かう途中に見かけた人物の後を追った一太郎。迷い込んだ世界。4年前の火事で損傷を受けた屏風。修繕にだしそのまま行方不明になってしまった屏風。屏風のぞきを探す一太郎。権太と出会い。何者かに取りつかれた商家の娘・おくみ。謎の屏風の存在。

    『こいやこい』
    七之助に沸いた縁談。幼なじみで一度縁談が破談になった相手・千里。千里が出した問題。5人の女性の内誰が本物の千里なのか?3人にまで絞り込んだ一太郎。その中の1人に抱く恋心。何者かに誘拐された七之助。宝珠の大阪の元許婚の父親の求婚。

    『花の下にて合戦したる』
    飛鳥山に花見に向かう一太郎。徐々に増えていく人数。上野で合流した寛朝と弟子を希望する道真。生目神様が一太郎に感じた違和感。お菓子を持参でやってきた栄吉。狐たちと狸の化け比べ。何者かの声と狐に投げつけられた枝の謎。謎の禿の作りだした世界。花見の途中の合戦。

    『雨の日の客』
    激しく降る雨。神社でお百度参りをする鈴彦姫をたすけた謎の女性おね。大雨のために避難する長崎屋。船の上から見かけた男たちの動きを怪しみ長崎屋に戻った一太郎。謎の珠を探す神職たち。おねの正体。長崎屋に残った妖たちとおねの戦い。龍神の目に隠された秘密。

    『始まりの日』
    松之助の家に向かう途中の一太郎が見かけた謎の人物。生目神様によって戻された時間。一太郎が出会った「時売り屋」八津屋。望んだ「時間」を客に提供する「時売り屋」。絵の師匠の弟子になった男の再利用を望んだ男。「番頭の時間」を買った左衛門に乗っ取られた八津屋。弟子になり損ねた男の起こしかけた火事。

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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