あなたはひとりぼっちじゃない 新潮クレストブックス (Shinchosha CREST BOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900397

感想・レビュー・書評

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  • 原題はYou Are Not a Stranger Here
    ヘイズリットは、すべての読者に向けてこの言葉を書いたそう。

    稀有な力を持つ人、現実と自分にしか見えない女性に心揺さぶられる人、生命の淵に立ち尽くす人…

    彼が切り取った人生は、「ふつう」とは言い難い。
    それでも、全ての人が抱える、普段は言葉に表すことのない感情に溶け合う何かがあると思う。

    状況は壮絶。
    それを捉えるのは静かな筆致。
    美しい訳文。

    とにかく言葉に目が止まる短編集。


    「これまでは言葉をつくして自分の置かれた状況を説明してきた。いまもそれを繰り返そうと思えばできる。…この先あと何回くらい、自分はだいじょうぶだと、自分でも信じてもいない約束をすることになるだろう。」/「War's End」

    『それ、温かいんだろ。きみの首にかかっていて温かくなっているんだ。』/「The Volunteer」

    登場人物たちは、それぞれに現実や自分の内側に苦しみ、自分からあるいは誰かが築いた壁を乗り越えようともがき、命と必死に向き合っている。
    言葉や描写から、生身の人間の生命力や体温を感じずにいられない。

  • 雰囲気がとても好きです。さみしさ的なものにすごく共感できた。「悲しみの始まり」が好き。

  • 英文で読むのと、和訳で読むのと、また感覚が違うんだろうなと思う。

    澄んだ痛み、とよく描写されるとおり、
    透明感のある文章で、
    それはきっと作者独自の言葉の方がリズムとして伝わってくる。

    違う世界の住人の物語でなく、痛みそのものの物語。
    深みというより、事実を突き出された時の感触。
    一読して一息ついたときに、題名を改めて見ることによってまた見えてくるもの。

  • にほんごたいとる萎える〜

    静謐で美しく
    なによりその悲惨さがたまらなくすき☆☆☆

  • アダム・ヘイズリットってすごい書き手だな、と思う短編集。
    さらに、この本の魅力のおおかたは、訳者の古屋美登里の技量によるように思う。
    海外作品というのは、訳によってどうしても、一枚壁紙を貼られるような感覚でしか届かないのが苦しく思うときがあるのだが、
    これはまっすぐに文学的に読めて、とてもおもしろかった。
    個人的には、この装丁がちょっと嫌かな。
    きれいなんだけど。過剰かな。

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