ディビザデロ通り (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900731

感想・レビュー・書評

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  • 嵐の夜の出来事で引き裂かれた血のつながらない姉妹と、孤児の男の子。前半は離散した3人の物語、後半は過去のフランス人作家の物語。

    先が気になるとか、物語がつながっていくとかそういうわくわく感はないけれど、なぜかページをめくる手が止まらないのは、作者の文章力だと思う。

  • 「イギリス人の患者」同様、登場人物のそれぞれが個性的で印象的に描きこまれています。どんどんこちらを引き込んでいく筆力を感じます。
    主な登場人物、最初は3人なのですが、読み進んでいくと登場人物がどんどん増えていきます。しかもその人物たちの話の中での役割や軽重がよくわからず、誰だっけこの人、みたいな感じで、前に戻って読み直したりしながら前に進むといった感じでした。気合入れて読まないと作品に振り回されてしまいます。私は、そのへん適当に読んでいたので、最後の方に来て、大混乱。この作家は何を書いているのだろうといった感じで、読み終わりました。というか、これって、もしかして失敗作?最後の方は作者もまとめることができなくなって、面倒くさいから書きなぐって終わりにしちゃいましたって感じなのですが。もしかして、この続編があるのなら、それはそれで無理矢理でも納得してもいいのですが、余韻を残すというのとは違う、中途半端な終わり方で、消化不良です、当方は。

    所詮小説なんてなんでもありなんでしょうが、これだけわくわくさせておいて、この終わり方は何!です。読み終わってから、話の途中でも、けっこうその話が破たんしていたりして、それっきりみたいな逸話の積み重ねがあり、お楽しみは最後にとっておこうみたいに、本当に最後がどうなるのかわくわくしながら読み進みました。が、このちんちくりんな終わり方は、正直がっかり。

    話の中に泥棒が出てくるのですが、これも「イギリス人の患者」の同工異曲を感じてしまいました。同じ作家の作品を続けて読むのはよくないのかもしれませんねえ。「イギリス人の患者」のほうが圧倒的によかった。

  • イングリッシュ・ペイシェントの著者マイケル・オンダーチェの「ディビザデロ通り」。フランスやアメリカの田舎の粗野な暮らし。自分のワールドと全然違いすぎて珍しく感情移入せず冷静に映画を見ている感覚になった。

著者プロフィール

マイケル・オンダーチェ(Michael Ondaatje)1943年、スリランカ(当時セイロン)のコロンボ生まれ。オランダ人、タミル人、シンハラ人の血を引く。54年に船でイギリスに渡り、62年にはカナダに移住。トロント大学、クイーンズ大学で学んだのち、ヨーク大学などで文学を教える。詩人として出発し、71年にカナダ総督文学賞を受賞した。『ビリー・ザ・キッド全仕事』ほか十数冊の詩集がある。76年に『バディ・ボールデンを覚えているか』で小説家デビュー。92年の『イギリス人の患者』は英国ブッカー賞を受賞(アカデミー賞9部門に輝いて話題を呼んだ映画『イングリッシュ・ペイシェント』の原作。2018年にブッカー賞の創立50周年を記念して行なわれた投票では、「ゴールデン・ブッカー賞」を受賞)。また『アニルの亡霊』はギラー賞、メディシス賞などを受賞。小説はほかに『ディビザデロ通り』、『家族を駆け抜けて』、『ライオンの皮をまとって』、『名もなき人たちのテーブル』がある。現在はトロント在住で、妻で作家のリンダ・スポルディングとともに文芸誌「Brick」を刊行。カナダでもっとも重要な現代作家のひとりである。

「2019年 『戦下の淡き光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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