小説の書き方 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106003493

作品紹介・あらすじ

日々風化する体験をどのように生かすか。現実が想像力を超え、多様化する現象の中で、想像力の質をどう鍛えるか。運命を選別し、眼識を高めるには…等、不可決の秘訣を満載。実践的手引の書。

感想・レビュー・書評

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  • <井上さんが教える小説勉強法>
    3冊ノートを用意する。それぞれA,B,Cとすると、
    Aには、見開いたノートの方ページに、朝から晩まで、身の周りに起こった事実と出来事を書く。

    Bには、同じ要領で、その日に考えたこと、読んだ小説、エッセイ、新聞記事に対する印象を書く。

    Cには、完全な作り話を書く。虚構(フィクション)の方法で、自由にストーリーを製作する。

    一ヶ月たったら、自分の書いた事実なり、フィクションを横目で見ながら(素材にして)自由に新しいものを付け加えていく。小さな物語を作る。

    これで、物語を構成する想像力は飛躍的に高くなるとのこと。

  • 非常に実践的な指南書となっています。

    中でも3冊のノートをつける方法は、1冊は日常の出来事をとにかく書く、2冊目はその日に読んだものや考えたことを書く、3冊目は作り物にトライするものですが、すべて片側のページは空欄にしておく。

    片側のページが1か月くらいで埋まった時点で、これらを素材として空欄に膨らませながら文章を膨らませていく。

    この作業をあきらめずに1年もやっていれば、物語を構成する創造力の質は飛躍的に進歩するはずというもの。

    小説の素材は、小さなことでも何か心がざわざわする出来事を忘れずにノートにつけておき、ある程度の期間寝かしておくことで自然に頭の中で発酵していくのだそうです。

    本の内容は、紀伊国屋ホールで行われた連続講演を加筆したものです。

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著者プロフィール

井上光晴(1926.5.15~1992.5.30) 小説家。福岡県生まれ。高等小学校中退後、電波兵器技術養成所に通い、入営直前に長崎・城崎で敗戦を迎える。1946年、日本共産党に入党、地区常任となる。この頃から詩を発表。50年、日本共産党の「所感派」「国際派」の分裂により「所感派」から除名されるが拒否。同年7月、「書かれざる一章」を「新日本文学」に発表。53年、日本共産党を離脱。55年、上京し、本格的な作家活動に入る。70年より89年まで、季刊誌「辺境」(第一次から第三次)を刊行。77年、佐世保に文学伝習所を開設。その後、各地に文学伝習所が開かれることとなる。主な著書に『虚構のクレーン』『地の群れ』『他国の死』『心優しき叛逆者たち』『明日 一九四五年八月八日・長崎』『暗い人』など多数。

「2014年 『西海原子力発電所/輸送』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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