鋼鉄の騎士 (新潮ミステリー倶楽部)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (870ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027376

作品紹介・あらすじ

戦争の予感に怯えるフランス、1938年。諜報活動の草刈り場となっていた混迷のバリで、スパイ戦に巻込まれながらもレーサーへの道をひた走る華族出身の日本人青年。列強の代理戦争の観を呈したポーのサーキットを、優雅な暴れ馬ブガッティが駆け抜ける-。注目度No.1作家の超・超大作2500枚。

感想・レビュー・書評

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  • スパイの野郎、偽名ばっかり使いやがって。
    誰が誰だか分からなくなっちまうだろう。ただでさえロシア人やフランス人の名前は憶えにくいってのに。

    人物相関図を作りながら読み直そうかとも思ったけど、このぶ厚い本を半分近く読み進めた段階ででそれをする勇気は湧かなかった。
    途中で何度もページをめくり返しながら読んでるうちに、登場人物に通っている血を感じ取れるようになり、そこからはわりと一気に読めた。

    ものすごい強く大きな流れに世界中が翻弄されている時代に、自分のアイデンティティを必死で保っている、そんな人物たちが敵となり味方となりクライマックスに向かって行く。
    読んでいるこちらの血までたぎっていくのが感じられる。
    興奮してきたら、2kgはあろうこの本でアームカールをすれば、肉体まで鍛えることができる。
    やはり電子より紙だよな~。

  • むはー、と外に持っていくには憚られるレベルの重さ。これはなんだ、せめて上下巻ではないのか。しかし800ページというとやっぱkindleとかのが便利だよなぁとか思う。しかしこの重さが読書の醍醐味なのか。
    とかなんとか、いつもの共産主義の流れを盛り込んだ第二次大戦頃の話。日本でこの時代を語る小説ならまず間違いなく共産主義ありきだし、アメリカものならユダヤ人だろうか。恐らく文学界の人々はインテリだし、となれば左翼だし、こういうの好きなんだろうな。こういうのに対する情熱は分かるような分からんようなだけど、ともかくここまで熱くなるものがある時代ってのがあって、でも今はそういうのあるのか、沖縄とかか、アレ見てるとともかく何かやっちゃろうって人たちが、まぁ迷惑でもあるけど、そういうのがいつの時代にもいるわけなんだよねぇ、とか思う。そういうのを醒めた目で眺めるだけなのもアカンのかな。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387161469.html)
    日本推理作家協会賞(1995/48回)・冒険小説大賞

  • 藤田は高校の時の不良仲間だ。大学の途中でどこかに消えて、小説家として戻ってきた。どーせ藤田の書くものだからとバカにして読みもしなかったら、偶然この本を拾った。いや、飯を食いに入ったラーメン屋のテーブルの下の棚をマンガでも見よう(読もうではない)と探ったら、このレンガのような厚みのある本が書店のカバーが掛かったままで出て来た。藤田のものでなければこんな重いものを持ち去りはしなかったが、運命のようなものを感じて置き引き(だよなー…。忘れた人、許して)して読んだらことのほか面白く一気に読み終えた。で、少しずつバカが書いた本を読んだが…、ま、他は大したこと無かった。それどころか無断で私をモデルにした小説まで書いていた…sigh

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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