そして二人だけになった (新潮ミステリー倶楽部)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 644
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027611

作品紹介・あらすじ

全長4000メートルの海峡大橋を支えるコンクリートの巨大な塊"アンカレイジ"。内部に造られた窓ひとつない空間に集まった科学者・建築家・医師の六名。プログラムの異常により海水に囲まれ完全な密室となったこの建物の中で、次々と起こる殺人…。最後に残ったのは、盲目の若き天才科学者とアシスタントの二人だった。犯人は、私?僕?それとも-。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台はA海峡大橋を両端で支えるコンクリート構造物内部にある核シェルター《バルブ》
    国家機密プロジェクトに携わった六人の関係者がここで共同生活をすることになるが、一人また一人と連続殺人が起きて…

    クリスティの超有名作品を彷彿とさせるタイトルに惹かれ、手に取った。クローズドサークルにおけるフーダニットものは大好きで、“二人だけになる”までの展開はまずまず良かった。しかしながら、このトリック及び○オチにはガックリ。頭の中がはてなマークで埋め尽くされたまま終了。ちーん。“理系ミステリ”作家として有名な著者だが、アカデミックな章題及びサブタイトルは物語となんら関係なく、思わせぶりなままで消化不良。

    本格ミステリ・ベスト10 10位

  • 明石海峡大橋と阪神大震災をモデルにした、非常に残念ながら卑怯とも言える後味を残す、C級ミステリー。

     アイデンティティだったかなぁ、モーテルでの多重人格の映画。あの感じだが、映画はラストの現実世界でのキレがすばらしかったので、卑怯とは思わなかった。この作品の最終章は、まだ非現実世界が描かれる。少しくどい。

     ディックワールドのような、どっちが真実なんだ?ってな問いかけをにおわすものの、読みようによっては、作者が最後に物語を捨ててしまった感じを受ける。残念。

  • 主人公たちのいる施設が停電になって暗闇の中恐怖に襲われる場面はハラハラドキドキしましたし、何度か本を閉じそうになりましたw
    しかし、最後の結末がはっきりせず、かつ主人公たちの手記と第三者の視点を合わせるには違和感が幾つかあった(キスのシーンとか)ので読後感は少々モヤっとしました。

  • クライマックスが何回あるんだよ、という勢いで、なんかすごい作品でした(語彙力)。
    頭使いすぎてくらくらします…もう一周読まないと整理がつかない。。。
    語彙力どっかいくくらい、面白かったです

  • この作家さんは、タイトルがいつも良くて。つい、手にとってしまう。
    そしてこれは、読んでる内に「あれ?これ、読むの二回目だ」と気づいた一冊。(笑)余程このタイトルがお気に入りらしい、私は。
    でも、二回読んだけど二回目も、ちゃんと楽しめました。

    密室ミステリ物……それも、閉ざされた山荘とか孤島系(本書の舞台は山荘とかでは無いですが)はやはり面白いです。謎解きももちろんだけど、外部と遮断された場所での殺人事件という極限状態における、登場人物たちの心理変化なんかも物語を盛り上げますから。

    そんでもって、「二人だけ」になったのは、あぁーそういうことかぁというオチになってました。すっかり騙された……というか、気付かずにラストまで読み進めてしまった。絶対何か仕掛けがあるとは思っていたのだけど。
    二回目も、すっかりそれを忘れていて、ラスト近くになって、あぁーそういうことかぁ……と思いました。進歩ない。(笑)

  • 2015年11月25日読了。
    とても面白かった!・・・けど、ラストはあれじゃない方が・・・。

  • すごい。
    と、読み終えてすごく興奮。
    ミステリーに対して苦手意識のある(…というか、あまり好みではない。)私が、珍しく読んだミステリーだったが、どんどん続きが気になって読み進めていた。
    バルブ内での緊張を、我が事のように感じられたにも関わらず…どんでん返しに振り回された。
    読み終えた後も、何だか信じられない。
    森博嗣氏、頭いい。

  • 密室殺人の話なのですが、なんとなく今のライトノベルに通じるような「匂い」を感じました。

    天才で盲目の兄を演じる「弟」と
    その天才の助手の姉を演じる「妹」

    語り手を両者入れ替えながら物語が展開していくのですが、何故そんな手法をとったのかは後に分かります。多分「ああ、なるほどね」となるはず。ヒントは散りばめられていたんですけど、私は最後に気がつきました。

    しかし、ラストは何が正しいのか分からなくなりますね。
    でも嫌いじゃないよ。

  • コッテコテの森ワールド作品。
    再読だったので、注意深く読んだけれど、油断も隙もない。

    激しくネタバレしたくない一冊。

  • 【推薦文】
    大きな海峡大橋を支える柱の中に内密に作られたバルブと呼ばれる空間。そこに天才科学者や建築家など6人が集まった。プログラムの異常により密室になったバルブで次々殺人が起こる。犯人はだれなのか?自分が信じている世界に対して考えさせられる作品。
    (推薦者:機械科学科 B4)

    【配架場所】
    すずかけ台: 3F-一般図書 913.6/M

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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