- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106035968
感想・レビュー・書評
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本書は、戦後の日本経済は戦時期に確立された経済制度の上に築かれた、とする歴史観を提示されている。戦時経済の中で、資金を軍需産業に集中させるために間接金融体制がとられた。終戦後、既得権益者の策略とアメリカの日本への無理解と中途半端な経済改革が、このシステムを生き残らさせた。これによって企業は資本の影響や市場の圧力から開放され(ある意味社会主義経済)、高度経済成長を担った。また、この統制力のあるシステムは石油ショックへの対応において優れたパフォーマンスを示し、このシステムの継続が助長された。一方で、1990年代以降の技術体系に本質的な変化(量から質)が生じ、このシステムは機能不全に陥った。依然、日本企業は閉鎖的であり、市場の要請が経営に影響を与えにくい状態が続いている。以上の認識を読者に示し、事の深刻さについて理解を求めているのが本書の意図。安易な解答は書かれず、冒頭に記載した歴史観を軸に事実を連ねられた良書だと思います。歴史を振り返りかえることによって日本人の典型的な思考体系を理解でき、新しい技術体系への適応について考えさせられる興味深い1冊。
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面白いし読みやすい。しかし、週刊誌連載と言う体面上、若干、面白さや読みやすさを優先した部分がある。そういった意味で★3っつ。内容としては、十分に読む価値もある。読みやすくて面白いのだから、興味があったらぜひ読んでいただきたい。
参考までに、私の書いた要約
http://d.hatena.ne.jp/keigossa/20111027/1319728523 -
読みやすい。大学生におすすめ。
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戦後の日本経済は1940年代に作られた戦時統制体制のためだ。それがバブル崩壊後も変わらないため、日本の経済力は低下している。
これからあたらしい技術をどう生かしていくのかが、日本経済復活のための課題だ。 -
2008年5月購入