武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100055

感想・レビュー・書評

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  • 何回読んでも興味が尽きない。現在と似ているようで、かなり違う武士たちの日常に驚くばかりです。

  • 歴史に疎い私でも、武士の生活を垣間見ることができました。武士の生活も大変なのね。。。映画観たいなぁっと思って読んでみたのですが、この本をどのように映画化したのか映画を観るのが楽しみになりました。

  • 映画になっているような話題本はあまり読まないが、この本は違った。
    なぜなら私の祖先が代々金沢出身だからだ。どんな暮らしをしていたのだろう?
    年収の2倍という借金をしながら会計係をしていたお侍が、家計簿を付けて財政を立て直す古文書による記録。
    家族の手紙や日記もあり、心温まる内容だ。借金の目録表の中に曾祖父の名字を発見。「あれ?」と驚く。
    同じ名前もあるかもしれないと思って、市立図書館で古文書の名簿をネットで調べたらこの名字の人をひとり発見。80ページくまなく捜したが他に同じ名字はいない。再びびっくりして、階下の母に知らせに行く。
    それにしても同僚に年利18%で金を貸すとは、曾々おじいちゃんはせこいではないか。あんまりだ。ま、こちらも同じように貧乏をして助け合っていたのだろう。
    でもこの映画の主人公は努力して頑張り、スパルタで育てた子孫は明治になって偉くなって金持ちになった。曾祖父の子孫の私はせこいのだけを受け継いだ。

  • 余裕がない自分を解放するために考えるべき事 - 読んだものまとめブログ http://t.co/vglWB66 via @sadadad54

  • 幕末、経理の才幹を認められ、生き抜いていく武士の家系を家計簿から読み解いていく非常に興味深い本だった。映画になったと知って読んでみた。武士っていろいろ体裁を取り繕うのが大変だったのね。

  • 残された家計簿から、その一家の生活ぶりを再構築していく試みにワクワクした。
    家計簿に並んだ数字そのもは無機質なものだが、その意味するところは血肉を持った人間の営みに直結している。

    筆者が感じたのであろう「おぉー!そうかー!」という、自分の知識と目の前の現物史料とがつながった感じ、その感動が随所に見受けられて、とても親近感を持った。
    それはほんの些細なことだったりもするし、きわめて単純なことなのだけれど、それがあるから史料読みは病みつきになるのだな、とも改めて思った。

    「御算用者」という武士の中でも特異な能力者集団の系譜を受け継ぐ一家の生活ぶりそのものも、幕末維新という動乱を経て迎えた明治という新しい社会秩序の中での「元武士」たちの生き方も。いわば”生の声”を聞くようなものなので、非常に興味深い。

    江戸時代の武士といえば、論語と剣術が栄達の道で、勿論まずは生まれた家の格式で生まれてから死ぬまでの出来事がほぼあらかた決まってしまうという大まかなイメージがあるが、そこに当てはまらない人がいたことにまず驚きを感じた。
    「算術」の能力に秀でた一家が、まさに算盤一本で意外な出世を遂げていく様は、まったく良く出来たサクセスストーリーだ。戦闘シーンも何もないけれど、どこか胸のすく思いがする。
    栄達の道を進んでいくのは初代一人のことであるが、それをどう維持し守っていくかがていくかがその後代々受け継ぐ一族にとって重要なことになる。そのためこの一家もその血脈を保つために網目のような血縁関係を築き上げていく。それもその「異能者集団」の内内において。
    勿論、一家を背負ってたつであろう子供に対する英才教育にも並々ならぬものがある。本来の武家であれば尊ばれるはずの生まれの順ではなく、あくまでも算術に長けている子供が優先。まさにスパルタ方式。
    更に一家を襲う価値観の大変換、明治維新の大波。

    彼らが江戸から明治という時をどう生きたのか。
    時代の転換期、先行きの見通し悪い時期においては、一つの参考になるかもしれない。

    数字を駆使した検証のくだりは斜め読みしても前後で十分面白く読めるので、数学に苦手意識がある人でも安心して読んでみてほしい。

  • 駅施設内交換本。作者が好きな訳では無い。「日本の近代」とあるが、近世末からの移行期が主題。

  • イメージ上の武士と、実態の武士。
    会計面からすり合わせすることができる。

  • 嫁入り道具の着物までも売り払う妻の献身に感動。
    露姫の手紙は悲しいすぎる。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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