- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106100277
作品紹介・あらすじ
第二次朝鮮戦争勃発!その時、自衛隊に何が出来るのか。何が出来ないのか。防衛庁が作成した極秘文書『K半島事態対処計画』にはその全てが書かれていた。北朝鮮軍の実力は?原発がテロ攻撃されたら?弾道ミサイルは防げるのか?武装難民が大量に上陸してきたら?隣国で「本物の戦争」が起きたときに、日本はどうなるのか。単なる戦争シミュレーションを超えた真実がここにある。
感想・レビュー・書評
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ちょっと古い本だが、もし今戦争が起こったら(対北朝鮮に限らず)どうなるのか、を考えるにはなかなか良い本かと。
ただ、(10年前の本だし)北朝鮮の戦力とかミサイル防衛の精度とかは参考にならない。
また、例えば、米国が日本にどの程度の関係を求めているか、現行法でできることをするだけで十分なのか不十分なのか、などの論点は複数回述べられているが、結論が異なるというのは、ちょっとわかりにくい。
ただ、これだけはとにかく大事
「問題なのは、法律や制度の不備だけではない。国としての決断が必要な場面で、政治が貧困で日本が迷走していることである」
【読書メモ】
・北朝鮮と戦争する場合、戦力で言えば圧勝は間違いないが、在韓法邦人の安全な輸送、大量流入する難民の扱い、日本国内でのテロ攻撃、負傷した米兵の治療等、本物の戦争では噴出する数多くの問題が生じる。→対中国、対韓国でも同様か。
・現行法での問題点。
米軍基地の警備は可能。敷地外の不審者は警察が対応
戦争が起きる前は自衛隊は警察の補助→適切な戦力の執行という意味で、政府は防衛出動を下命すべき
北朝鮮による地雷敷設に対しては自衛隊が対処するが、この対処部隊に対する攻撃を防ぐ権限が自衛隊にはない。
自衛隊が禁輸執行に参加しても法律の縛りから軍事的には足手まとい→ただし国際社会の活動に参加したという政治的な意味は十分にある
・戦力
多国籍軍での交戦規定の調整、情報共有が問題となる(国内ですら陸海空自衛隊間、海保との連携で支障がある)
アメリカに比べると自衛隊の情報収集能力は心もとない。
自衛隊の傍受能力は高い(それ以外ない?)
・米韓共同訓練に自衛隊が加わることで、北朝鮮の韓国侵攻は止められる。共同対処能力の向上、軍事的圧力をかける。
・在韓邦人の輸送において、韓国の反日感情は大いなる脅威となる可能性がある。また戦争が始まってからは空港使用の関係から難しい点もある。
・武装難民の流入の可能性
難民は人道上受け入れることになるが、武装難民が紛れ込んでいた場合の対処は難しい。(紛れ込んでいなくても人数的に大変である)
難民対応に自衛隊の半数は必要。そうなれば自衛隊は戦力外の存在となる。
そもそも難民対処はどの省庁が行うのかが決まっていない。→対処計画の策定が必要
・開戦後、北朝鮮によるゲリラ活動は考えられるか?
正規兵同士では太刀打ちできないからこそ、ゲリラ戦に走る。
・開戦後
米国による先制攻撃であっても、最初に被害をうけるのは韓国、次は日本である。
開戦直後、ソウルが大きな被害をうけるのは米韓とも織り込み済み。
生物化学兵器は核兵器と同列であり、使用すれば米国による核報復を招く可能性がある。
北朝鮮の取る戦略としては、民間船舶の航行妨害による日本の兵糧攻め、世論による米軍との関係悪化。
北朝鮮にとって、有利な条件で停戦に持ち込む以外の方法はない。
・危険な隣人とどう付き合うか、戦略の明確化が第一である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
防衛庁の極秘文書とされる「K半島事態対処計画」に基づき、半島有事では何が起き、我が国はそれに対応できるのかを、シミュレーションを交えて説明していく。
事実ではない部分や、法改正で変わった部分もあり、全てを真に受けることはできず、また、全ての起こりうる状況を網羅したものでもないものの、半島有事の様相をイメージできる。 -
防衛庁作成の極秘文書『K半島事態対処計画』に基づき、北朝鮮との第二次朝鮮戦戦争に突入した場合のシミュレーション。
この本により、法の未整備、権限や基準の未設定、各国・国内省庁との調整など、緊急事態になって手を付けても到底間に合わない事案が山積していることがわかる。 -
37863
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ロフト行き
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日本が北朝鮮と戦争になったときどうなるかを
リアリティをもって描き出している。
自衛隊の無力さ、国民の危機意識の欠如。
本当に戦争になったとき我が国は耐えうるのか。 -
内容からすると題名には違和感があるが、北をめぐる周辺事態に対する現実的な問題を冷静に考えさせてくれる。
はやく言霊主義から離れて、北の崩壊、暴発にそなえた手立てを事前に確立するための法整備を急ぐ必要がある・・・、20年前から変わらぬ課題だろうが。。 -
古い本を読んでしまった。
問題は難民。
満足度5 -
内容に偽りあり、と皮肉につぶやくべき本かな。
現代的なドンパチと、戦略レベルの駆け引き。
そういう「戦争活劇」を期待して読み始めると、
えんえんと法整備の話を読まされることになる。
現実問題として戦争というのはそういうものだろう。
それは日本が特に自衛隊という特殊な環境にいるから、ではなくて、近代組織を動かすということはこういうことで、米軍でも、旧軍でも、19世紀の英軍でも、同じ事だろうと思う。そりゃ問題の形はそれぞれ違うだろうが、本質は同じだろう。
もっというと、近代の問題ですらないのかもしれない。
源平の戦いというと義経を想像したり、もしくは頼朝と後白河法皇の戦い、もしくは貴族社会から武士社会への歴史の転換・・・という壮大なドラマに思いをはせるが、当時の戦争のリアリティは、官僚や幕僚の莫大な事務仕事だったんだろう。
あと、戦争のリアリティというと、難民。
軍隊よりも難民のほうが戦争の本質かもしれない。
あきれ返るほどの事務仕事と難民。
戦争の真実はそうだと思ったら、たしかに戦争する気はなくなるな。 -
[ 内容 ]
第二次朝鮮戦争勃発!その時、自衛隊に何が出来るのか。
何が出来ないのか。
防衛庁が作成した極秘文書『K半島事態対処計画』にはその全てが書かれていた。
北朝鮮軍の実力は?
原発がテロ攻撃されたら?
弾道ミサイルは防げるのか?
武装難民が大量に上陸してきたら?
隣国で「本物の戦争」が起きたときに、日本はどうなるのか。
単なる戦争シミュレーションを超えた真実がここにある。
[ 目次 ]
第1章 震える日本列島(情報を集めろ 狙われる原発、米軍基地 日本海で経済制裁)
第2章 開戦前夜(在留邦人救出計画 なだれ込む難民 とめどない米軍支援)
第3章 戦争(日米韓の共同訓練 恐怖の弾道ミサイル 北朝鮮軍の実力)
終章 宿命の迷走(日本を守ったのか)
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