- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106100772
感想・レビュー・書評
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団塊の世代は、今73-75歳くらいで、後期高齢者に移行中です。これから団塊老人の時代が本格化します。団塊老人は、今こそ、この本を読み、自分たちがどう生きるか、じっくり考える時なのです。
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1948年生まれ、三田誠広 著「団塊老人」(2004.7)、面白かったです。著者自身が団塊の世代だけに、説得力があります! 団塊の世代を真面目な努力家、素直な楽観主義者、そして、ある意味傲慢にして不遜とは概ね合ってるような(^-^) 貧困の体験が貧乏に対する恐怖(トラウマ)になっているは頷けます。経済停滞は団塊の世代の高齢化が原因と説き、この不況は団塊の世代が生きている限り続くとの予想を。堺屋太一氏の「85歳で国家保障(貯蓄は不要)」論を採用されれば、高齢者の消費は促進すると!確かにそうでしょうねw。
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久しぶりに出会えた快著と言える。
タイトルから本書に対して私が予想していた内容は、団塊世代が老いていくにあたって生じる社会的な歪み、そしてそのあおりを食らう若年世代のシナリオを、団塊世代を批判する立場で描くものと思っていた。
しかし、これがまったく逆であったのだ。
自らも団塊世代にあたる著者は、この世代のこれまでの生き方を冷静に振り返る。そして、「旧来の枠を壊すことこそ正義」と思い込んでいたこの世代が、実は帰属意識がきわめて強く、高度経済成長の中で安定した雇用を得ることで思考停止に陥ったと総括する。こうした部分は批判的ではあるが、時代の過渡期を生きたことで、人生とは何か、社会とは何か、といった大きなテーマを熱心に議論した、また議論できる世代として評価する。
そして今後の日本においての団塊世代の生き方に言及するのである。
親を施設で介護する、子どもとはきちんと距離を置く、自らの居場所を確保し、リタイア後こそ自己研鑽にはげむべし、と。
人数の多いこの世代が元気に活動することこそ、経済的にも需要を生み、お金は市場に流れ、あらたな雇用を生むことにつながる。子どもにお金を残そうなどと言って貯め込んではいけない。自分のやりたいことに没頭し、自分自身が人生を楽しみ、深めるべきだ、お金は使い切れ、というのである。
この意見に私は大いに賛同する。
ボランティアや、会社を起こして社会貢献をするのもよい。徹底して趣味に生きるのもよい。旅行に出かけ、各地の歴史や風俗に出会うのもよい。老人が明るければ、それを見る後進の世代も明るい気持ちになれるというものだ。
文章も非常によみやすい。さすが芥川賞作家である。本書はまさに団塊世代のバイブルとなってほしいものであるし、そのほかの世代にも、団塊世代を理解する資料として、そして人生の指南書として多くの人に手にとってほしい。