超バカの壁 (新潮新書 149)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101496

感想・レビュー・書評

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  • バカの壁に続いて読了。
    バカの壁と比べると、具体例が多く様々な事例をもとにものの考え方について主張が展開される。

    養老さんの主張としてよく出てくるのが一元論的な考え方への批判であり、「ああすればこうなる」式が広まることへの警鐘と受け取った。
    日本が都市化することで、かつての日本の多神教的な、自然的な考え方から、一神教的、一元論的な考え方に変化して来ていることで、様々な問題が生じているという主張であり、納得出来る部分が多かった。
    一方で本の中での主張の構築は、自身の経験をもとに「ああすればこうなる」式の論の組み立てが多く見られ、少し矛盾を感じた。(主張を組み立てる以上、この点はある程度仕方ないと思われるが…)
    また、仕事観については道に空いた穴、社会の穴を埋めることが仕事であり、引き受けた以上本気でやることで見つかることがある。自分に向いている穴が空いていると思うこと自体馬鹿げている、という内容であり、非常に共感した。

  • 壁が見えると自由になる、そう思える本です。

  • 本書の購入は2008年。一度読んだ形跡があるが、あまり覚えていなかったため再読した。
    「バカの壁」とは「自意識の壁」、「主観の壁」、「思い込みの壁」ということであろう。現代文明は意識を肥大化させた。ゆえに、現代人は自意識が過剰だ。本書もそれを指摘している。
    本書の「まえがき」が冴えている。
    「相談をするときに、具体的な答えを期待する人がある。それはおかしい。自分のことは自分で決めるので、相談とは、根本的には『考え方』についての疑問である。他人に伝えることができるのは『考え方』だけである。」
    「現代人はその『違い』を『些細な違い』だとみなしてしまう。そこから現代の不幸が始まるのである。それが仮に『些細な違い』なのだとしたら、『大きな違い』はどこから始まるのか。人生とはそうした『些細な』体験の繰り返しである。歳をとれば、その『些細』が積もり積もったものになる。」
    養老孟司を絶対視する必要もない。本書でも一元論を否定している。相対化した方が物事が立体的に見えてくる。例えば日本と中国の関係について。あるいは、日本と韓国の関係について。
    具体的なテーマを示しながら本書は相対化の大切さを述べている。

  • 前のバカの壁のほうが好き。
    とはいえ、読んでよかった。

  • 男性は両極で、女性は安定、というのを染色体から説明しているのは面白いと感じた。

  • 安定

  •  行きつけの図書館2軒いずれも『バカの壁』が見つからないのでこちらを読む。
     タイトルは過激だが内容は文明時評である。たいていの問題に答えを出す養老先生が「わからないことはわからない」とし、その「わからない」ことも一つの気づきだと教えてくれたように思う。

  • 仕事の考え方はうんそうだなって共感した

  • 仕事とは...世の中が必要なことをしてあげることだそうだ。好きなことを仕事にするのは本来なかなか成り立たないことなんですね!

  • 仕事への向き合い方を考えさせられた。

  • 『バカの壁』質疑応答編といった本で、特に一貫したテーマはありません。読者から反響の多かった項目について、養老先生が思いのままにおしゃべりしています。ファンレターへの回答をまとめてやってるような具合です。もちろん、ベースにあるのは『バカの壁』であるし、語り主も養老先生なので、そうした意味での一貫性はありますが、新しい視点や何かを求めて本書を読むと、肩透かしの感じになります。

    鎌倉のご自宅にお邪魔して、お茶をいただきながら、横目で「まる」をながめつつ、養老節を拝聴するような気持ちで読むと楽しめるかもしれませんが、自分には物足りませんでした。

    内容は散漫でしたが、平成の大ベストセラー『バカの壁』や『唯脳論』の反響がどれほど大きかったのかが、お話のところどころで伝わってきて、それだけは唯一無二の体験だろうから読んでいても新鮮でした。SNSで「バズる」と呼ばれるような体験だったのだろうと思います。

  • 著者の考え方が腑に落ちる。
    ・仕事とは社会に空いた穴であり、そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんてことはない。
    ・社会システムすら「ああすればこうなる」式のいわゆる科学的な論理で割り切れるというふうにどこかで思ってしまう。

  • 5章 子供の問題

    少子化はなぜ起こるのか
    「らしさ」が消えた
    たたき込むことの大切さ
    子供中心で考える
    大人の都合
    子供には手入れ
    「ああすればこうなる」式とは
    子供と株は違う
    いじめは都市が作った
    大人のいじめ

    以下覚書

    子供は自然、個性を大切にするのを前提にしすぎず教えることが大事、

    「毎日子供の様子を見るのは大変です。会社の仕事に集中すると子供の方が留守になりがちです。両立はとても難しい。しかし、毎日手入れを続け、子供の様子を見ていれば親のほうにも努力、辛抱、根性が身についてくるものです。もちろん、それは親のためにもなるのです」P.87

  • 養老先生の考え方が書かれています。
    下記記憶に残ったものを抜粋しています。

    自分の好きな事を見つけようとするのは無理がある。社会で働くというのは、山を作るのではなく、空いている穴を埋める事だ。

    I≠私
    privacy(私情) とindividual(個人)
    という全く別の言葉が

    という漢字で表されている。

  • 読書開始日:2021年12月6日
    読書終了日:2021年12月22日
    要約
    ①都市化する社会に伴い様々なものに意味づけする。自己にも意味を強要しオンリーワンを求められるが、そもそもがオンリーワンであり個性なのでそこに固執する必要は無い。
    ②紛争や戦争の原因は一元論者にある。一元論は気持ちよく分かった気になれるため堕落の一途を辿る。衣食整え余裕を持った復元論者を目指す。
    ③現代は他責追求社会。他に責任を追求しても所詮は他人なので届き切らず、精神コントロールができない。自責と水に流すことをうまく使いこなすべか。

  • 図書館
    若者、自分、金、心などの問題の本音

  • ※2006.2.13購入@上野駅の書店
     2006.3.11読書開始
     2010.8.20売却済み

  • 心に残ったワード

    「自分に合った仕事」なんかない
    仕事というのは社会に空いた穴で、そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる
    自分に合った穴が空いてるはず、とかない
    最近は穴を埋めるのではなく、地面の上に余計な山を作ることが仕事だと思っている人が多い

    老人が「いつまでも生き生きと働く」ことがいいことのような風潮があるが、本当は老人の良い身の引き方、楽しい老後の過ごし方について考えたほうがいい
    老人は生き生きしているよりは、イライラせずにニコニコしているほうがいい
    極端な言い方をすれば、年をとっても働いていいのは、個人で働いている人だ

  • 養老先生の奥の深いエッセイが、心に沁みます!

  • 最後の方に、プロとしての原則を持っているか、という話があり、大変共感した。様々な場面で他人に判断を仰がずに即時対応できるかどうかは、自分の中で考え抜いたかどうかによる。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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