余計な一言 (新潮新書 577)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105777

感想・レビュー・書評

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  • 何となく思ったことを言っただけなのに、相手の心を深く傷つけることは、知らず識らずのうちに起こっている。
    無意識にかどうかはともかく、そんな「余計な一言」は、人間関係を破壊してしまうのだ。
    しかしながら、それを気にしてばかりいては、会話は弾まない。どうすればいいのだろう。そのヒントになるのがこの本だ。
    この本から一貫して読み取れるメッセージは、相手の話を"ちゃんと"聞くことの大切さだ。
    余計なことを言ってしまうのは、実は相手のことを全く考えていないからであり、そうなってしまうのは会話が"浅い"から。"深い"会話をするには、相手の言葉の奥にあるメッセージを読み取ることが必要だ。
    用意したことを言うのでなく、頭を真っ白にして相手の話を聞く。そうすれば何を言えばいいか考えなくとも自然と出てくる。
    「言いたいこと」が優先しすぎて、相手の話を遮ってないだろうか。そんなときこそ、「余計な一言」が顔をのぞかせているのだ。

  • 余計な一言。斎藤孝先生の著書。私はおしゃべりが大好きで、悪気はないのだけれどつい無神経で余計な一言を言ってしまいがち。当たり前だけれど、自己中心的で自分勝手で無神経な会話は相手を不快にさせることもある。事実や本音、苦言、悪口、マイナス発言と受け止められる可能性があるときには特に気を付けないと。会話やおしゃべりを楽しむためには、相手への共感を忘れないこと。

  • 私もかつては言いたがりな人間でしたが、いつの頃からか、基本的に嘘は言わないが本当のことも言わない、に方針転換しました。
    他人の悪口を言ったり、悪意をぶつけて敵対する気なんて全くない。だけど、嫌なものは嫌で、嫌いな人は嫌い。口に出して言わなくてもいい、腹の底で何をどう考えるかは本人の自由。だったらノーコメントというのもありだろうと。
    本当のことも言わないというのは誠実ではないんじゃないかと最初は思いましたが、本音が本当に必要とされる場面はそんなに多くないというのはこの本に書かれている通りだし、相手を不快にさせるつもりはなかったのに、そのひと言は失敗だった、という事態に陥ることもなくなりました。余計なことを言わずにいることで、無駄に敵を作らなくなったことのメリットも大きいですね。発言するのは本当に何かを言わなければならない状況になった時だけにしても、そんなに困ることはないんです。そして多分今も、口数が少ないからといってないがしろにされるようなことはありませんし、そもそも口数の少ない人間だとは思われていないようです。
    他人を不快にさせずにこちらの意見や気持ちを伝える方法を試行錯誤して身につけることで、生きていく上で重要なスキルを身につけたのだと今では思っています。
    この本の内容は私の経験や見解と合うことがかなり多く、私にとっては既知の内容と言えますが、こういうことを例を出してわかりやすく書いてある本にお目にかかったことはないと思います。
    さて蛇足ながら、村上春樹の小説は「フェアプレイの精神」で書かれているんだと。そんな風に思ったことは一度もありません。そもそもそんな切り口があるとは知りませんでした。何作か読んで懲りているはずなのに、また読んでみようかと思ってしまいました。あとがきに書かれている本も読んでみようかなっと。(某読書術の本で薦められている本よりはよっぽど読む気になりますね。←これこそ余計なひと言ですか。)

  • あと、って多用してる!色々気づかされた。少し間をおき、改善できたか、確認する意味で再読します。

  • ついつい言ってしまう、余計な一言。
    私自身、耳が痛くなるようなことも多かったが、本書の良いところは解決策まで書いてあることである。
    少しずつ意識して変わっていきたい。

  • 2018/5/6座右に置きたい本。FBでも紹介。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/say_too_much.html【書評】『 余計な一言 (新潮新書)』〜精神の森を豊かにすること〜 : なおきのブログ

    <目次>
    まえがき
    第一章 その一言が恐ろしい
    第二章 本音はいつも必要ではない
    第三章 バカ丁寧は迷惑
    第四章 がさつで無知で無神経
    第五章 リピート病、ネガティブ病の患者たち
    第六章 ディフェンス力を強化しよう
    おわりに − 精神の森をもとう

    2017.07.10 読書開始
    2017.07.11 読了

  • 極めてわかりやすく、為になる。
    4章の『がさつで無知で無神経』は
    特に肝に命じようと思った。
    繰り返し読んで身につけたい。

  • 自分の口癖や思考の傾向を見直すチェックポイントとして参考にできる本です。が・・・思い当たることがけっこうあったので私の心は血だらけです(涙)

    「行けたら行く」は迷惑とか、「グラタンがいい」と「グラタンでいい」は大違いとか・・・今どきのコミュニケーションを学ぶのに最適な本だと思います。

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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