フェイクニュースの見分け方 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
3.81
  • (26)
  • (36)
  • (25)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 416
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107214

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 良書。

    CIA情報の95%は公開情報
    池上彰氏も似たようなことをおっしゃっていた
    公開情報を徹底して調べているからこそ5%の非公開情報を得られるし、その質が高まる。
    本書はその公開情報の見極め方のノウハウを具体的に解説されていて興味深い。

    オピニオンは捨てろ
    フォロワー数は信用とは無関係
    ビックピクチャーをあてはめよ
    などなど、普段、ぼんやり感じていたことが言語化され体系化されていて頭がスッキリした。

    加えて、
    主語のない文章を疑え
    など、知らなかったノウハウも学べた。

    今まで読んだ同種の書籍の中で
    最も興味深かった。

  • 現代社会は、情報の洪水というよりも、もっと複雑なカオスの状態になっています。
    何かを判断する上やより良い生活をしていく上で、
    これほど、多くの判断材料(情報一般)やどうでもいいニュース・情報が、
    日々垂れ流されている時代もありません。

    幸か不幸かわかりませんが、情報は、これからも、爆発的に増えていきます。
    そこから、自分にとって、有益な情報を拾い上げるのは、ますます難しくなるでしょう。
    よって、必然的に情報のリテラシーが必要ですが、
    それを教えてくれる人は、あまりいません。
    それを教えると、不都合な人が出てくるからです。

    本書は、情報カオス社会(ニュースや新聞、書籍、雑誌から発信される情報)で、
    個人がよりよい人生を気づく上で、
    また、ひどく騙されないために必要な情報リテラシーを私たちにレクチャーしてくれます。

    自分にとって良い情報とは何か?
    それは、一人ひとり違います。
    自分が接する情報が事実かどうかという判断は、
    どれくらい自身にとって、重要なものなのか、
    正直な所わかりません。

    ただ、何を自分が知りたいのかという「明確な目的」と、
    その価値は、やはり、事実による情報の方が、
    価値を高いかもしれません。

    事実でない情報であっても、それを、どう解釈するかで、
    受け取り方が違います。騙されたふりをして、話を聞くのか、
    ほんとに騙さているのか、わからないまま話しを聞くのかでは、
    その後の反応が全然違います。

    残念ながら、現在は、騙されたふりをして聞く機会の方が、
    圧倒的に多いかもしれません。
    情報が何も姿形を変えず、自分に有益な情報を与えてくれると思うのは、
    あまりに無知です。

    ただし、権力者や既得権益を所持している集団は、
    無知な人が増えれば増えると、喜びます。今の日本がそうでしょう。
    権力の監視を目的としているマスメディアの腐敗は尋常ではありません。権力者とすれば、最高の環境です。

    そのため、自ら接している情報は、
    一体どういう特性のものなのか、
    見極める必要があります。
    また、どういう特性のものでないのかという判断も大事です。

    一番恐ろしいのは、その情報の特性を、しっかりと判断することなく、
    素直に受け取ってしまうことだと思います。
    それが、国、社会、組織、個人に対して、
    致命的な結果を生む可能性もあるからです。

    311における一連の報道と過去そして現在まで続く、
    「情報合戦」は、発する側と受け取る側が、
    共に思考停止になった、最悪の例だと思います。

    ヤフーニュースを開くと、ニュースが頻繁に更新されています。
    自分の興味の湧く記事を見ると、そのコメントも見たくなります。
    時間の無駄だとは、重々承知していますが、ついつい見てしまいます。

    キンドルを開くと、数秒で書籍を読むことができます。
    また、読み終われば、その著者の作品群が紹介され、
    ついついまた、読んでしまいます。

    定期的アマゾンからはレコメンドする書籍がメールやサイト内で紹介され、「興味ある」と思える本は、減ることなく、爆発的に増えています。アマゾンからすれば、良い顧客でしょう。

    自分は、何をしたいのかと、なんで、たくさんの
    情報に接するのかわからないことがあります。

    いったい自分は、何に興味があって、その書籍やニュースを元に、何をしたいのか?と考えてしまいます。学業に活かせるのか?仕事に活かせるのか?はたまた、そういう活字媒体を見ると、人生が豊かになるのか?単なる娯楽なのか?ただ、思考停止になっているだけなのか。

    もちろん誰も、その一番重要な「自分がしていることの意味付け」をしてくれません。

    また、現在はありがたいことに(ある見方では、不幸かもしれませんが)、
    個人が自身の考えや感想を表現する媒体がたくさんあります。ブログからツイッター、YOUTUBEにいたるまで、
    他人と共有するのが簡単になりました。

    また、他人からの反応もダイレクトに返ってきて、はまる人は、はまります(いい意味でも、悪い意味でも)。

    こういった状況の中で、自分が接する情報は事実なのか、また、事実ならその根拠となるものは何なのかという視点は、とても重要だと思います。

    それは、私みたいに、ネットニュースやキンドル、発信媒体をよく使う者にとっては、かなり重要なリテラシーだと思います。

    著者が言うように、匿名の情報や、発信者が定かでない情報は、「重要でない情報」です。はっきりと、「発信者が誰かわからない情報は捨ててかまわない」と書かれています。発信側には、責任が全くともなっていないからです。

    その意味で、こういったレビュー投稿も、完全なる自己満足で、重要でない情報です。

    ただ、不思議と、レビューにまとめてみると、
    どういう本が、自分にとって、どれぐらい重要かは、わかってきます。完全なる本人都合です。ただ、こういういった能力も、情報をリテラシーをつける上で大切なことかもしれません。

    著者流の情報リテラシーの上げ方も非常に参考になりますが、やはり、著者のやり方を、参考程度にして、自分なりの方法論を構築するのが良いのかもしれません。

  • 課題であったので読む。
    読みやすくてかなり勉強になったので普通に読んでよかったと思えた。

  • 情報リテラシーを高める上での指南書。
    もっとも実践的かつわかりやすい。

    ソーシャルメディアを自由に扱う現代の高校生必読。

  • なるほど。
    「 事実に基づいているのか、いないのか 」
    だけを問えばよいのだ。

  • レビュー省略

  • ある情報が信頼に足るかどうかを見分けるために、どのような視点が必要かを豊富な実例と共に紹介している。東日本大震災や少年Aの話など最新のトピックが多く扱われており、解説もわかりやすい。

  • この本いい‼︎最高だー‼︎

著者プロフィール

1963年1月京都市生まれ。
1986年、京都大学経済学部を卒業し朝日新聞社に入社。名古屋本社社会部などを経て1991年からニュース週刊誌「アエラ」編集部員。
1992~94年に米国コロンビア大学国際公共政策大学院に自費留学し、軍事・安全保障論で修士号を取得。
1998~99年にアエラ記者としてニューヨークに駐在。
2003年に早期退職。
以後フリーランスの報道記者・写真家として活動している。
主な著書に『ヒロシマからフクシマヘ 原発をめぐる不思議な旅』(ビジネス社 2013)、『フェイクニュースの見分け方』(新潮社 2017)、『福島第1原発事故10年の現実』(悠人書院 2022年)、『ウクライナ戦争 フェイクニュースを突破する』(ビジネス社 2023)などがある。

「2023年 『ALPS水・海洋排水の12のウソ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

烏賀陽弘道の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
トマ・ピケティ
ヴィクトール・E...
東山 彰良
マシュー・サイド
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×