絶対に挫折しない日本史 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
3.58
  • (37)
  • (87)
  • (93)
  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 1269
感想 : 98
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108761

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 歴史の専門家でない古市氏だからこそ書ける日本史の教科書。かなり人名や地名などのまどろっこしい部分が省略されていて、初学者向けにちょうどいい本になっている。

    ただし、「面白い」となるとちょっと違う気がした。確かに、日本の歴史の大きな流れはこれでも掴めるかもしれない。しかし、「面白い」となると、やはりそこに生きる人間、それも歴史上の人物に光を当てた方がいいのではないかというのがボクの考えだ。

    歴史に名を残した数多の人間たちの考えや思いは、なぜ生まれたのか?

    なぜ、天武天皇は『古事記』の編纂を依頼したのか?
    なぜ、源頼朝は「鎌倉幕府」を開こうと思ったのか?
    なぜ、小泉純一郎は「郵政民営化」を行なったのか?

    などの理由を学ぶ、もしくは自身で考察してみることこそ歴史の楽しさだと思う。

    ちなみに、ボクは実際に「挫折」せずに読めた。「絶対に挫折しないなんて本当かよ」って人は一度読んでみてほしい。そして、挫折したならここで「挫折しました」と書いてほしい。それだけでタイトルへの立派なレビューになると思う。

  • 歴史書としての切り口はユニークで、短時間で読み切りました。
    ただサピエンス全史と比較するには無理があると感じました。

  • 社会学者・古市憲寿が日本史を平易に解説した書である。キーワードは「まとまる(古代)→崩壊する(中世)→再びまとまる(近代)」。この流れを理解しておけば、歴史はもっと楽しく学ぶことができるようになるはずだ!


    まえがき 人はなぜ日本史に挫折するのか
    第一部 通史編
     1 いつ日本は誕生したのか(旧石器~縄文)
     2 古代政権はフランチャイズ運営(弥生~平安)
     3 中世は「小さな政府」の時代(平安~安土桃山)
     4 国家による暴力の独占(戦国~江戸)
     5 「国民国家」という新システム導入(江戸後期~明治)
     6 「拡大」の季節と近代化(明治~昭和)
     7 日本はいつ「終わる」のか(平成~未来)
    第二部 テーマ史編
     8 コメと農耕の日本史
     9 神話と物語の日本史
     10 土地と所有の日本史
     11 家族と男女の日本史
     12 未来と予測の日本史
     13 戦争と平和の日本史
     14 歴史語りの日本史

  • 年号や人名を覚えることだけが歴史だと思っている人には、とても参考になる本だと思う。しかし、この本だけで歴史をつかんだ気になってもいけないとは思う。

  • 日本版サピエンス全史の触れ込みで、書店で平積みされていたので購入。とても平易な文章でスイスイ読めた。歴史を大観したい方におすすめ。内容もフレッシュなものがおおく、退屈しない。表現が回りくどくなくて、断定的でクリアカット。

  • この本は「古市憲寿氏による日本版『サピエンス全史』だ」という佐藤優氏の推薦文に惹かれて買ったが、一気読みだった。
    名前や年号など歴史の流れにとって無駄なものは省いているので、短い量で日本史を通観できる。それと「テーマ史編」ということでテーマ別の日本史が書かれているのだが、これが秀逸である。
    「コメと農耕の日本史」という章では、1970年代までは、日本はコメ不足であった。
    1962年の日本人は118.3Kgのコメを食べた。それがコメ不足解消と共に、コメ消費量が減少してコメ余りの時代となった。
    1980年には78.9Kg、2000年には64.6Kg、2018年には53.8Kgまで減少しているという。

  • 古市憲寿さんによる日本通史、日本史に現代の社会・エンタメ要素を混ぜ込み、帯で佐藤優さんが書かれているように、まさに日本版の『サピエンス全史』。タイトル通り、日本史が嫌いな人もサクっと読める一冊。難しい固有名詞・年号などは極力排除して書かれているので(安室奈美恵とかドラえもんは出てくる)、小説のように読むことが出来、俯瞰的に見た日本の古代中世近代の歴史がスルっと頭に入ってくる。

  •  歴史の教科書は暗記モノが多くて、なにかよくわからない。
     日本の大まかな歴史の流れをつかむのに、

    1.古代(縄文~平安):まとまる
    2.中世(鎌倉~江戸):崩壊する
    3.近世(明治~現代):再びまとまる

     の3代に分けて整理する。
     古代では、日本列島に人類が到達してからいくつも国が出現し、やがて一つにまとまり天皇が生まれる。
     次に中世では、飢饉や天災により、まとまっていた国は再びばらばらになる。江戸時代で支配者が統一するも、国としてはバラバラのままだった。
     そして近世になり、大日本帝国は国民の意識の統一を図り再びまとまることになる。

     この本では、個人名や地名、時代名などの固有名詞はほとんど出てこない。
     あくまで、日本という国の流れをつかむための本だ。

     後半では、日本の主食コメや、夫婦の家族観を日本の歴史から見直し、本当に日本の伝統と言えるのか、むしろ伝統とは何かを問い直す。

     まとまる→崩壊する→再びまとまるという歴史観は分かりやすい。
     個別に気になる時代は、それぞれ調べよう。


  • 読了。読みやすかったが、300ページは大変であった。本の中にあったサピエンス全史を読むか考えこむ。


  • サピエンス全史ほどのスケール感はないものの、日本史を俯瞰して理解することができた。文章も気軽な感じで読みやすかった。

全98件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古市憲寿の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
アンデシュ・ハン...
凪良 ゆう
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×