経験を盗め

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033018

感想・レビュー・書評

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  • 色んなジャンルの対談が載っていて面白かったです。特別に役に立ちそうな情報はなかったかもしれないけど、それでもこういう話は楽しい。続編もあるようなので読んでみたいです。

  • この本はいろんな分野の専門家から糸井重里さんが面白い話を引き出す、つまり、経験の中から得た「お宝」のような「知識や気付き」を盗んじゃう、という本です。読んでて感じるのは、やっぱり、糸井重里さんって、人から面白い話を引き出すことにかけては、天才的だよな、ということです。あの矢沢の永ちゃんの『成り上がり』も、話を聞いたのが、糸井さんでなかったら、あれほど、注目される本にならなかったのでは?なんて思えたりします。この本のタイトルから勝手に連想しちゃうと、糸井さんって、『おしゃれ泥棒』ならぬ『オモロ泥棒』なんですよね。それも超天才的な。その面白がる才能って、周りを幸せにするし、本人も楽しいだろうなぁと、思ったりもしますね。
    以下、この本に書いてあったオモロな話。

    <声の話>
    ・声のモノマネの基本は、顔を真似ること。口の形が同じだったら、同じ声が出る。つまり、同じような顔の人は、同じような声になりやすい。
    <風邪の話>
    ・インフルエンザは毎年、型をすこしずつ変えてくる。車みたいに毎年モデルチェンジする。すると車が売れるように、インフルエンザウィルスも少し変えた型で流行を起こす。
    ・モデルチェンジを10年15年と繰り返すと、少々のモデルチェンジでは売れなくなるので、時々、全然違った新しい型のウイルスが登場する。すると、免疫がないから、大流行する。1975年のアジア風邪では、世界中で半数近くの人が罹った。
    ・風邪は寒さが原因だと誤解されがちだが、寒さはウイルスによる感染のきっかけをつくるにすぎない。北極に近いスピッツベルゲンという島があって、冬は海が凍って交通がとだえる。そこの住人は風邪をひかない。ところが、春に氷がとけて大陸から船が着いたとたん、風邪が大流行する。船の乗員によってウイルスが運ばれてくるからだ。
    ・インフルエンザウイルスは湿気に弱い。室温20度くらいで湿度が50%以上あれば、早く死ぬ。
    <食べ物の話>
    ・東南アジアやインドなどの人たちが、食べ物を手で直接食べるという行為は、いわゆる愛撫でもある。指でつかんで、うまいか、まずいかわかる。肌触りをまず楽しむ。つまり前戯のようなもの。
    ・夜中に突然「何食いたい?」という話になると、たいてい、話に出てくるのは、ビネガー系(酸っぱい系)の食べ物が多い。例えば酢が入っている冷やし中華とか、タレに酢を入れた餃子とか。何かに過剰に酢を入れた時の喜びは甘美。ツンと来る感じが食べる側に挑戦してくるみたい。
    <眠りの話>
    ・植物だとか単細胞のバクテリアには睡眠はない。虫もあるかないかのようなレベル。睡眠は限られた高等な生き物が持っている新しい生存技術戦略ととらえられる。
    ・夢を見ているとき、運動系のスイッチは切れている。空を飛ぶ夢を見ているとき、脳は羽ばたいている実感を持っているけど、実際に手足は動かない。ところが、高齢になったり、脳になんらかの不都合がると、夢を見たときに、運動の司令が手足の筋肉と繋がるような障害がでてくることがある。
    <墓の話>
    ・夏目漱石の「こころ」において、先生はなぜ、Kのお骨を故郷に返さないで、自分でお金を出して墓を立てたのか?その視点で読むと「こころ」はお墓をめぐる推理小説である。
    ・はじめての町に行ったとき、町の全体像をとらえるために、必ず行く場所は「墓地」と「刑務所」←(佐々木幹郎氏談)
    <水と音の話>
    ・アトランタ五輪で田村亮子が破れた北朝鮮の選手はその試合に置いて、柔道着を右前に着ていた。
    ・利根川水系の水には甘みのイメージがあるが、埼玉の関宿までの水なら白砂糖、関宿から江戸川となり金町浄水場に来た水は、黒砂糖という感じ←(長く水道局で水質検査に携わった”利き水師”前田氏の言葉)
    <体力の話>
    ・右手がすごく疲れているとき、左手を疲れさせると右手の疲れが早くとれる。そして精神的な疲労があるとき、肉体的な疲労を少し起こしてやると、精神的な疲労は緩和される。
    ・毛細血管が体の隅々まで酸素を送って、疲れたときにたまる疲労物質を分解してくれる。ところが、スポーツをやっていない人は、毛細血管がどんどん短くなっていく。それで疲れやすくなる。
    ・人間の毛細血管の長さを合計すると9万キロ、地球を2周半するくらい。

  • 糸井さんの対談エッセイ
    二人じゃなくて三人ってのがおもしろい!
    水の話、ゲイの話、記憶力の話、独身の話、どうやって話す人選んでるのかな、気になるな

  • 糸井さん+その道に詳しい人2人の3人での対話形式。
    いろんな話があったけど、私は「眠りのお話」と「昆虫のお話」が面白かった。

  • 糸井さんと、いろんな業界の方との対談集。

    普通に生活してたら、どうしても偏りがちな自分の世界ですが、
    この本の中には必ず、自分とは全く違う世界の人がいます。

    そんな自分とまったく違う世界に生きてる人たちと糸井さんが対談してくれて、
    まったく新しい価値観を知ることができる一冊。

    この本だけじゃ経験は盗めるほどではないですが、はっは〜こんなことがあるのか〜と
    他の人の経験を盗み見るくらいはできるかもしれません。

  • ・“オンリー イズ ノット ロンリー” 
    個性というのは孤独ではない。
    みんな違うんだということを認めたうえで
    わかりあうこと助け合うことが、これからの時代なんだ(p206 糸井)


    ・上手と魅力的なのは違う(p237 広瀬光治)


    ・苦しみは楽しみの入り口(p306 増田明美)

  • 敢えてビジネス書にしてみました。
    知恵が詰まった感じの本。へえ。

  • タイトルがいいなぁと思ってね。ブックデザインが全体にすっごくいい。
    「Catch the way」のコンセプトがいいわりに、内容はちょっと退屈だったかなー。糸井さんならもっとおもしろい話引き出せそうなのに。

  • 食べ物のお話、ダジャレのお話が面白かった。2008/9

  • 川上弘美のハエの話が面白かった。
    あと、サハラ砂漠で孤独を感じた話が、その光景が目の前に浮かぶようでぞっとした。

著者プロフィール

1948年群馬県生まれ。株式会社ほぼ日代表取締役社長。71年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞、文筆、ゲーム制作など幅広い分野で活躍。98年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。近著に『かならず先に好きになるどうぶつ。』『みっつめのボールのようなことば。』『他人だったのに。』(ほぼ日)などがある。聞き手・川島蓉子さんによる『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP)では「ほぼ日」の経営について明かしている。

「2020年 『いつか来る死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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