夢は枯れ野をかけめぐる

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 144
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039713

感想・レビュー・書評

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  • 早期退職者の羽村祐太がご近所トラブルに巻き込まれて、でも華麗に事件を解決!っていうシリーズかと思いきや、ちょっと最後の話は切なかった…。
    やっぱり認知症介護とか家族トラブルとか悲しい現実が見えてくるのと。
    最後の雪子さんの「失うものがあるからこその人生」って、そうなんだろうな。

  • 西澤さんにしては、実生活に即した重いテーマを扱っていた。主人公の羽村祐太は究極の草食系だな。読み終えて、ふと思った、この人、女性経験あったのかな。風俗に通うというイメージでもないし。高齢化社会の日本が避けて通れない様々な問題が取り上げられているが、読み終えてみれば、純愛物だった。

  • 昔SFを愛した人に!

  • 2011 11/6

  • 老舗の百貨店を48歳の若さで早期退職希望者の募集で辞めた羽村祐太。気の優しい性格で自分に自信のない男だが人から頼まれたら快く受けてやる。そん彼の両親、友人、近所の人たちが年をとり夫婦だけでの生活、痴呆、介護とだれでもがいずれ迎える最後は寂しい話。

  • 小心者で用心深いが故に出世してしまい、早期退職し十分な貯金を崩して生活する中年男の話。短編集だが、舞台も登場人物も繋がっている。
    歳をとることの悲哀がテーマかと思われる。こういう作品を読むと、筆者はいくつなんだろうと思う。

    お金を貯めて、単調で平凡な日常を過ごそうとする主人公は好き。

  • 認知症、介護、孤独死など、高齢化社会に於いての様々な問題と日常の謎を掛け合わせた作品ばかりです。読んでいる間は謎より問題の方が気になって、読み終わった後は謎より問題の方が印象に残って、という感じでした。果たしてミステリにする意味はあるのかとは思いましたが、多少なりとも高齢化社会について考えるきっかけにはなったので、結果的には読んで良かったのかな。

  • 高齢化社会に対する警鐘でしょうか。日常にある謎を扱ってはいるけどテーマがヘビー。
    謎解きは「おぉ、なるほど!」と思ったり「ん?」と首を傾げたりマチマチかな。西澤さんよく知らないからなんとも言えない。

  • 幼い頃のトラウマから、節約してお金を貯めるが趣味の主人公、48歳独身男性。
    結構有名なデパートマンだったけど、早期退職に名乗りをあげて現在無職。
    そんな彼に同窓会で再会した女性がとあるアルバイトを持ちかけ・・・というのが最初の話。
    これはまぁ、よかったんですが。
    連作短編なんですが、かなり繋がりがあって、最後の話など40年後の話。
    年齢が年齢だけに、老い、痴呆、介護といったキーワードがずんずんのしかかってきて(本人は幸い?元気なんですが)、近しい将来を思ったり、去年亡くなった祖母を思ったりしてちょっとしんどかったです。

    装画 / 北見 隆
    装幀 / 中央公論新社デザイン室
    初出 / <Web小説中公>2007年1月号〜4月号・9月号・10月号、2008年1月号・2月号・4月号・5月号、書き下ろし1本

  • 老いとか、介護とか、老々介護とか、
    いずれ考えなくてはならないけど、そればっかり考えても生きていけないし。
    でもそう遠くはない未来に確実に起こるし。

    ああ、…重い。

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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