SOSの猿

著者 :
  • 中央公論新社
2.94
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本棚登録 : 7013
感想 : 930
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040801

感想・レビュー・書評

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  • 読み進めるのに時間がかかった、と書けば大体理解してもらえると思う(少なくとも自分には)。
    あとがき読んだらほかの人とのコラボ作品みたいなことが書いてあったのでちょっと納得。

  • 少なくとも、これまで読んだ伊坂作品(殆ど全部だけど)の中で、本作が一番好きじゃないのは間違いない。彼の作品中、こんなに読みづらく感じたのは初めて。いつもの流れるような文章運びはどこへ?本サイトにおける採点を含め、良い評判を聞かなかったから、これまで避けてきた本作。でも、他の諸作品が軒並み好きな自分なら、きっと楽しめるだろうっていう思いがあった。所詮、いちファンではあっても、マニアではなかったってことやね。でも悔しくて、読みながらなぜ面白くないのかを色々考えた。で思い至った理由の一つは、漫画とのコラボ作品だからっていう点。テーマに制限がかかる分、自由気ままに書ききれなかったのでは?あと、理由1とも絡むけど、心理学と西遊記っていう本作のテーマを、本当はあまり好きじゃないのでは?で、必然的に咀嚼不十分になってしまい、中途半端な出来になったんじゃないかとか思ってしまいました。満点をつけたかったんだけど、残念。

  •  子どもの頃憧れていた、一回り年上の「辺見のお姉さん」に呼び出された遠藤二郎。しかし、彼女はすでに40を過ぎ、くたびれた様子でかつての面影はなかった。そのはず、聞けば彼女の息子は20代で「ひきこもり」状態だという。家電量販店に勤める二郎が副業でカウンセラー的なことをやっていると聞き、力になってほしいのだという。しかし、二郎の仕事はカウンセラーではなく、悪霊を追い払うエクソシストなのだった…。 

     ↑ここまで読むと変な話。でも伊坂さんとなると、わくわくして、さくさく読書が進むから不思議です。物語は遠藤二郎が語る悪魔祓いの話と、孫悟空なる「猿」が語る品質管理部の五十嵐真(証券会社のトラブルの原因調査をしている)の話と交互に進んでいきます。そして、2つの話が1つになったとき、今までのあれこれが、ストンストンと落ち着いていき(ある程度察しがつきますが)あとは一気にラストへ…

     伊坂さん初心者には、あまり薦められないけど、ファンは一読あれ。個人的には「母」対「息子」のシチュエイションに感じる部分がありました。

  • 伊坂ワールドらしい、ぐいぐい引っ張る展開。
    あちこちちらかしたと思ったら、今度はどんどんつながってゆく。
    おもしろいなぁと思っている間に読み終わってしまう。
    今回も例外にならず・・・。

    でも、ちょっとわからなかったなぁ。
    この人、登場する必要ある??とか。
    西遊記もざっとしか知らないから、いまひとつ???のところも・・。

    相変わらず、世の中がっちりつかんでいます。
    そんな話題豊富さに感動します。

  • 作中にも、「人間には善悪両方の感情があり、綱引きしている」とあるように、人間の相反する感情が物語の軸になっている。
    しかし、重苦しさは感じさせない点に、伊坂さんらしさを感じた。

  • 「私の話」と「猿の話」が交互に描かれる。
    最初は全く関係のない2つの話、そして「猿の話」は誰目線?
    それが少しづつ関連が出てきて、終盤には繋がり、明らかになっていく。
    現実と空想が入り混じった?お話。

  • 伊坂作品の中で評価が結構低かったので逆に興味を持って読んだ作品。
    ファンタジーっぽいと思ってたが思いのほか読みにくくはなく、偶にあるイラっとくる表現もあまり感じなかった。
    只、それほど驚く場面も無く伏線の回収もあっと驚くこともなく何だか淡々と読み終えた感じ。
    読み易いが読後に何か感じるものが無かった。
    伊坂作品に虐待に関する事が多いのは作者の拘りか。
    可もなく不可もない作品。

  • 「私の話」と「猿の話」が交互に語られる謎解きファンタジーっぽいお話。

    家電量販店の店員・遠藤二郎は「悪魔祓い」の技術で知人の息子・眞人のひきこもりを改善しようとするが、少年は奇怪な反応を示し・・・
    一方、真面目すぎる調査員・五十嵐真は20分間で300億円の損失を出した株誤発注事件の原因を探るうち、幻覚に翻弄され始め・・・。

    伊坂さんらしい時間トリック的なものが仕掛けられてます。
    確か、漫画のSARUとの共作になっているらしい。漫画の方を読んでいないのでイマイチな部分もありますが、この話の一部である「本当の答えを見つけず自分の中で理由をつけて納得させて安心させる」という人間の心理については非常に納得しました。

    ★「恐ろしい結果」から目を逸らし、安心したいがために、「勝手に理由を想像し、納得する」のだ。

  • 大まかに二つの話が交互に進行していくんで、忘れないように振り返り振り返り、そして夢中でこの物語の一つ一つを組み合わせていくようなパズルが完成を待ちきれない感じで読み進めましたが、終わりがふにゃんとしてしまった^^;;;ま、これはこれで面白いんでしょう。

  • ちょっと特殊な人々が出てきて、特殊な体験をする、という意味では伊坂ワールドの中にいるのであろけど、ユングの全体意識と孫悟空と株と引きこもり、解説の多い小説だった。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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