幻視時代

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 210
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041594

感想・レビュー・書評

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  • 18年前に起きた大震災直後の一枚の写真に大学生時代の自分と瀕死の恩師が写っていた。そこにはもう一人、その震災の4年前に死んだはずの同級生だった女の子も写っていた。
    謎の死を遂げていた女子高生。幽霊なのか?生きているのか?
    高校時代の文芸部での出来事の回想から始まり、後半の推理合戦まで真相が気になり一気に読みました。
    強すぎる自意識が起こした若さゆえの過ちが一生ついてまわります。出来心は恐ろしい。居酒屋で語られる推理合戦はあれこれ違う方向へ振られながらも、最終的には伏線を見事に回収し、意外な真相へ着地させられた感じ。スピード感もあり面白かったです。
    結局のところ、写真の女子高生は・・・というところだけ物足りない感じがしました。
    西澤さんの作品にしては珍しく特異な性癖をもった登場人物もなく、正統派なミステリーでした。

  • 西澤氏にしては捻りもオチもなく。

  •  「死亡したはずの人物が写真に写っていた」理由付けがいかにも苦し紛れで興ざめ。ロジックに破綻はないが、ミステリの醍醐味である「驚き」に欠ける。

  • 思っていたほどホラーじゃなくて。
    謎解きの部分は言葉遊びのようになってしまっている。まあまあかな。

  • 久しぶりに西澤作品に接したが、原点に立ち返ったかのような酒席における推理談義を味わえて良かった。少し残念であるのは、ネタの割には小粒な読後感であったことであろうか。

  • 途中まで面白かったのですが、ラストがちょっとしっくりこなかったです。
    もうちょっとぴしり、と決まるほうが好きなんだろうな。

    装幀 / 松 昭教(bookwall)

  • 冒頭の心霊写真が気になって一気に読んだ。
    がオチがイマイチ。。。

  • なんだか、あんまりぴんとこない本だった。
    というか、オチが今一つ。

  • 表紙に惹かれて読んだミステリー。でも途中から予想がついたオチをラストまで普通に持って行ったのにはがっかりしました。

  • 読了、90点。

    **
    本編の主人公、矢渡利悠人は高校時代文芸部に入部し、そこで顧問の白洲正和、同級生の風祭飛鳥、後のミステリー作家となる後輩の生浦蔵之助らと出会う。
    風祭飛鳥は高校1年生の時に文学新人賞を取り一躍時の人となるも在学中の高校3年の時に謎の死を遂げてしまう。
    その4年後、大学進学のために上京した悠人は、教育実習のために地元へ、そこで当時の顧問白洲と会い当時の事件について話をすることに、と丁度その最中大地震が発生し白洲は亡くなってしまう。
    40歳になった悠人は仕事で地元へ帰り、偶然その地震の際の写真を発見、そこには白洲と悠人の他に風祭と思しき少女が写っていて…
    **

    西澤さんの新刊、非常に読みやすくかつ、ぐいぐい引き込まれて行ったせいで一晩で一気に読みきってしまいました。
    プロローグでこの写真に写っている少女は幽霊なのか?という謎を置いた上で、過去に遡って主人公の高校時代、地震の当時、と話を進め最後に、少女が死んだ謎を推理するという展開。

    高校時代の話では、同人ながら小説を書くという作業の裏側が少しだけ垣間見えるのが個人的には興味深く物語りに引き込まれて行った要因かな。あとは作品全体のテーマも非常に意識する部分がありました。

    謎解き部分は西澤さんらしく、非常にロジカルにパズルのピースをガチャガチャ遊ぶのが楽しかったです。
    幽霊だとすれば出てきたものは仕方がない、とか大雑把な割り切り方をせずに、何故出てきたか、どうしてこんな格好で出てきたのかとかその辺りが西澤さんだなぁと感じちゃいました。

    この作品で凄いのはそこが最終的に伏線になるのか~と2箇所ほど驚愕させられちゃいました。今はその興奮が少し醒めてないのかも。
    そう言えば西澤さんのもう一つの持ち味でもあるフェティズム、エロティズムは今作では殆どありませんでした、そのあたりがどうも苦手って人にも安心して読める一冊ではないでしょうか?

    あと作中で語られるミステリー小説が凄く気になりました、誰か書いてよ~。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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