うつけの采配

著者 :
  • 中央公論新社
3.79
  • (8)
  • (19)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 109
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043291

作品紹介・あらすじ

祖父に毛利元就、父は吉川元春、叔父に小早川隆景と、名将たちの血筋に生まれた吉川蔵人頭広家。文禄・慶長の役で勇名を馳せ、隆景とともに中国の大大名・毛利家百二十万石を支える「毛利両川」の片翼だ。しかし、幼少よりなにかと反発してはトラブルをおこし、毛利・吉川両家中からは「うつけ」と呼ばれていた-。戦国時代の最終局面、歴史上名高い関ヶ原の戦いを背景に、ただ一人毛利を守るべく知略の限りを尽くして奮戦する広家。その苦悩と葛藤の姿を、人間味豊かに描いた傑作歴史巨篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 心に沁みるものがあるなか読了!家を興す初代・あるいは中興の祖の話は数あるなか、本家の存続にこそ知恵を傾けた「うつけの采配」・・・・・今の時代背景だから心に沁みるものがあるのかなあ..............。

  • 吉川広家ってゆうと毛利本家から見たようなイメージ、内通してヘマったってイメージしかなかったんだけど、精一杯やったんだなって感じがした。
    また人間くささが描かれてて親近感を抱かせる。精一杯うつけかましてやればいいんだな。

  • 毛利家、吉川家からうつけと呼ばれた広家。叔父隆景から毛利家の舵取りを任されるが本人にはその気が無い。しかし秀吉の死後天下のパワーバランスが崩れ徳川家康の東軍、石田三成の西軍と天下を二分する。主君輝元は安国寺恵瓊の謀略に乗り西軍の大将に祭り挙げられる。祖父元就、叔父隆景から天下を望むなと教えられ愛する女性に諭されて毛利家の為に立ち上がる。広家は毛利家の領土と家を守る為に恵瓊は毛利家に天下を獲らせる為に家康は毛利家を滅ぼそうとそれぞれの思惑を胸に関ヶ原へと向かってゆく。

  • 幼少期に父の吉川元春よりうつけと称された吉川広家。小早川隆景亡きあと、毛利一族をどう導いていくのか、悩みに悩み抜いた生涯であった。
    石田三成に取り入る安国寺恵瓊や、本家の凡庸とした毛利輝元に挟まれ、奔走し、周りから理解されずに、さぞかし苦しくんだであろう事は、想像にかたくない。
    非常に魅力的な武将である。

  • 吉川元春の三男で吉川家を継いだ吉川広家について書いた本です。

    時代的には、朝鮮出兵の際の碧蹄館の戦いから、関ヶ原の戦い後に周防国岩国に移ったあたりまでが描かれています。

    吉川広家という人物は、小早川隆景から毛利家を託されるほどの才能と、朝鮮の蔚山城の戦いでの武勇があったとしていて、そんな人物の関ヶ原の戦いをめぐる安国寺恵瓊との駆け引きや苦労がとても面白いです。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-db7d.html

  • 祖父に毛利元就、父は吉川元春、叔父に小早川隆景と、名将たちの血筋に生まれた吉川蔵人頭広家。文禄・慶長の役で勇名を馳せ、隆景とともに中国の大大名・毛利家百二十万石を支える「毛利両川」の片翼だ。しかし、幼少よりなにかと反発してはトラブルをおこし、毛利・吉川両家中からは「うつけ」と呼ばれていた―。戦国時代の最終局面、歴史上名高い関ヶ原の戦いを背景に、ただ一人毛利を守るべく知略の限りを尽くして奮戦する広家。その苦悩と葛藤の姿を、人間味豊かに描いた傑作歴史巨篇。

  • 大河ドラマ黒田官兵衛を見た後で、そこに登場していた毛利・吉川・小早川の殿様達が出てきて、面白かったです。
    そして、関ヶ原の合戦での吉川の位置づけが重要だったとは知らず、大変興味深かったです。

  • 吉川広家がいなければ今の毛利はない。分家の立場で、当主の理解を得ることができず、諦めの境地であったが土壇場で、隆景の遺言を理解して滅亡を食い止めた。

  • 名将毛利元就の孫にして、吉川家当主 吉川広家。
    好きで、吉川家を継いだわけでもないと嘯く広家は、幼少より何かとトラブルを起こし「うつけ」と呼ばれた。

    うつけは勇猛果敢な武将であり、知略謀略に興味は示さないが、文禄・慶長の役では名を馳せる。
    そのうつけが、天下分け目の決戦、関が原の戦い前後に、時には主君毛利輝元の意に反するような動きをとりつつも、毛利家存続のために尽力するさまを活き活きと描き出す。
    天下分け目の決戦、西軍につくか、東軍につくか。そして、うつけは何を考え、どう動くのか。さらに、彼を取り巻く周りの登場人物は何を考え、どう行動に移すのか。
    戦国の世にあって、大きな決断をしたのは、徳川家康、石田三成だけではない。各武将、御家人たち、皆がそれぞれ決断し、行動していたのだなぁと、改めて思った。
    なかなか、面白かった。

  • まさしく佳作。何の気なしに読んだら得した感じで、期待して読んでも及第点な。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中路啓太
1968年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、「火ノ児の剣」で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、作家デビュー。2作目『裏切り涼山』で高い評価を受ける。綿密な取材と独自の解釈、そして骨太な作風から、正統派歴史時代小説の新しい担い手として注目を集めている。他の著書に『うつけの采配』『己惚れの記』『恥も外聞もなく売名す』など。

「2022年 『南洋のエレアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中路啓太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×