一路(下)

著者 :
  • 中央公論新社
4.11
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感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044724

感想・レビュー・書評

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  • ラノベだラノベ。面白くずんずん読める。参勤交代の大変さ。中山道とはどのような道か。知らないことがたくさんあった。

    山の中なのに温泉が下諏訪一つしかないとは驚きだ。

    江戸城の中はお殿様だけの異界、はぁなるほど。

  • 西美濃から江戸までの幕末参勤道中絵物語の後編。

    下巻はさらに漫画チックになり、講談のような、アニメのような感覚で一気読みしました。
    ロードストーリーであること、エピソードごとの登場人物の視点が入ることなどから井上ひさしの「四千万歩の男」を髣髴しました。
    実在の人物は各道中の藩主と老中松平豊前守と将軍家茂くらいだと思うが、御殿様を彼らに語らせることでその本当の人物像が浮かびあがってくるのもうまい手法だと思います。
    背景だけが史実に合わせていますが、荒唐無稽さも抑え気味にしているので時代小説としては面白かったです。

  • 分を知り、己の本分に一所懸命に生きる。参勤道中を共に旅しているようでぐいぐいと引き込まれる。単純な強さを見た。

  • 参勤交代を描いた時代小説。話の展開がユーモアを交えて軽いタッチでどんどん進んでいくのでとっても読みやすく面白い。旅が進むにつれ、うつけ者と評判だったお殿様が本当は聡明で理知的という姿が見えてきてカッコいいので、惚れてしまいそうになったww

  • 江戸時代末期、お家の命運をかけ、古式にのっとった参勤行列を試みる若き蒔坂家の御供頭小野寺一路。岐阜県にあたる西美濃から江戸城までの12泊の参勤交代は、行軍のような旅でした。

    下巻は、吹雪の和田峠越えから。
    年老いた御手馬「白雪」が吹雪の中、
    なれた和田峠を先陣を切って駆けあがります。
    そして峠を登ると御殿様を背中からおろし、その馬生に幕を閉じたのです。
    馬ながら、主君につくしてのあっぱれな死で、
    白雪のあとを継ぐ「ブチ」との臨終での会話は、胸にグッときました。

    御手馬「白雪」亡き後は、「ブチ」がそのあとをつぎ、
    行列はどんどんと江戸を目指していきました。

    冬のさなかの行軍なみの旅ですが、
    なんだか「一路とゆかいな仲間たち」的な感じです。
    辛い道中が苦難の道とは思えないほど、
    「ぷっ」と吹き出す珍事件や
    心の中のホンネが描かれていて、楽しく読めました。

    「苦あれば楽あり」
    「困難があっても必ず乗り越えられる」
    そんな言葉が思い出され、
    ポジティブな教えがぎっしりつまった旅の本です。
    読後は、中山道を実際に歩いてみたくなりました。

    参勤交代というものが、とてもよくわかる一冊です。

  • やっぱりいいなぁ、浅田次郎は。
    「プライド」とは違う「矜持」を持った人々の話を読むのは気持ちいい。

  • 殿様サイコー!祝着じゃ❗️

  • 浅田次郎の新作。参勤交代がテーマの時代小説という事であったが、面白かった。グイグイ引き込まれあっという間に読み終えた。
    主人公の一路と取り巻く仲間達。悪事を企てる敵役。参勤交代の主人公であるお殿様。それぞれのキャラクター設定と相関関係が絶妙であり、物語が飽きることなく進んでいく。
    ナゼかわからないが…といった慣習であったり、意味が不明なまま効率化されたりといった、現代社会にも通じる部分において、護るべきものとは何かを考えさせられた1冊であった。
    中山道、一度同じ旅路で歩みたいものである。

  • 江戸参勤は実に行軍である。雪の和田峠越え、御殿様の急な病、行列のなかで進む御家乗っ取りの企み。着到遅れの危機せまるなか、一行は江戸まで歩みきることができるのか。江戸までの中山道で繰り広げられる悲喜こもごも。

  • 泣き笑いのできる時代小説でした。でも時代小説としては架空の殿様を扱っているためか、軽い印象を受けました。星四つ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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