もう別れてもいいですか (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 279
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120054884

感想・レビュー・書評

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  • 尊厳、自由、責任。
    今の自分の立ち位置によって、感じ方が違う小説だろうなと思った。
    不満はあるけれど離婚して一人で生きていくなんて今更無理、という女友達の立場で読むのか、離婚して自由な暮らしを取り戻した女友達の立場で読むのか、はたまた夫の立場で読むのか。
    主人公は離婚してよかった、というラストを迎えたし、それを後悔することもなさそう。
    どんな選択をしようと、それは自らの選択、決定の結果なんだと、誰かのせいにせずに受け入れることが大事だと思っているけれど、このお話でやっぱりそうだよなと実感。
    この本が、まよう誰かの背中を押せたらいいなと思う。

  • 初読みの作家さん。リアルすぎる現実に胸が苦しくなった。ある意味読書では物語に没頭し、現実を忘れる時間と割りきっている私にとってはあんまり癒されなかったかな。たぶん世の中の女性の声を代弁している内容なのだろう。迷いながらも自分の生き方を強く意識改革していく様は客観的にとらえたならば応援して共感できるのかもしれないが夫の理不尽さばかりがクローズアップされてあまりにも悲しくなりどうにも苦しかった。

  • この本を読んだら結婚前の人は結婚を見直すんじゃないか、って思う。
    今は色んな選択が出来るけど、まだまだ偏見とか浸透してない感あって無理だろうけど、日本でも結婚しないけどパートナー的なものが出来るといいなー、なんて。

  • もし、自分が同じ年齢で同じ状況だったらどうするだろう、、、
    すごく考えさせられた本でした。

  • 夏読64冊目。
    56歳、旦那と2人暮らしの澄子が、旦那との生活に絶えきれず離婚を決意する。
    夫源病、という言葉を初めて知った。澄子の旦那に対する独白が醜悪だが、それだけ澄子が辛い思いをしているのが伝わる。

  • はっきりと意識しないまでも、なんとなく1人自由気ままに残りの人生は生きていけたらなと思ってる人も含めると、
    中高年既婚女性の8割以上は共感できるんじゃないかな。
    夫側からするとショックかもしれないけど笑

    今まで、専業主婦やちょっとしたパートの経験しかなく生活面は夫に頼り切っていた女性でも決意して踏み出す勇気を持つ。
    主人公が離婚を機に、自立し強くなっていく姿はすごく好感が持てた。

  • 共感することばかりで、思わず、作者も離婚歴あり?って検索したけど、それは分からなかった。

    うちの夫は、リモコン持ってこい!はないけど、きほん亭主関白。

    だけど、原因は私にもあるかな。

    夫に助けを求めてでも、やりたい目標とかもなかったし、そもそも専業主婦が夫に家事をやらせるなんて、後ろめたかったし。

    こんな態度が、夫の昭和マインドを維持してしまったんだろう。なのに、察してくれない!ってモヤモヤはする。夫にすれば、ややこしい妻。

    今では、お互い顔を合わせないようにしている。

    リンダが言う

    夫と10年間家庭内別居していた美佐緒に

    「家庭内別居なんて愚か者の選択だよ」 

    リンダも先輩から言われたらしい。

    「あなたは、向上心を失くしてるし、明日をより良く生きようとする意欲を失ってる」

    うーん、耳が痛い。

  • 離婚して高校生の頃に戻るというの、わかる

  • インパクトのあるタイトルに惹かれて読み始めました。
    1番に思ったことは、リアルな心理描写に引き込まれたことです。
    また、激しく共感するところが多すぎました。
    私自身がモラハラも離婚も経験してるから余計かもしれないけれど、主人公澄子をイケイケ!負けるな!と応援しながら読んでいました。
    でも、モラハラはこんなもんじゃないとも言いたいです。
    経験したことがない人からしたらあまり響かない本なんだ、と、レビューを見て知って驚きました。
    ある意味、読み手によってこんなにも感じ方が違うのかとも思いました。
    今の時代は女性に限らず、ハラスメントに苦しむ人が少なくないです。
    男も女も、自分が生きていく場所を決めるのは自分ファーストでいいと思います。
    自分がちゃんと、笑顔で生活できる場所かどうかというのが一番大切だと思う。
    だって、人生は一度きりだから。
    今この瞬間は今この瞬間にしか存在しないから。
    垣谷さんの他の作品も読んでみたくなりました。

  • 自分の母を思い浮かべながら読み進めました。離婚したいけどお金がない,+子供(私たち)がいるから別れられない、が私の母の口癖でした。

    令和にもまだこんな古い考えの男がいるのかなと思いましたが、自分の親世代にはあるあるなのかもしれません。そしてそんな親世代の関係性を見ながら育ってきた私たちの中にも、男が稼いできて女が名前のない家事をする、それが当たり前だという潜在意識は残っているのかも。

    気づいた方がやるというルールにすると、男は気づかないから結局やらないとなることに共感。

    ただ、いつまでも我慢してウジウジしている主人公には苛々しっぱなしでした。
    そして最後の一文は本当に必要だったのか?
    可哀想だな、こんなふうにはなりたくないな。読み終えた時の感想はそんなもんです。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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