理科系の作文技術 (中公新書 624)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121006240

感想・レビュー・書評

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  • 大学生なら必ず一度は勧められるであろう、作文技術の名著。
    本書が教えるのは、画期的な文章術というよりは、作文のごく基本的な心得のようなものだ。
    この本を読んでいて感じるのは、著者の木下是雄先生がめちゃくちゃすごい人だということ。本の中で教える心得を、徹底的に実践しているのがひしひしと伝わってくる。
    本書で理想とされる、簡潔・明快で、誤解の余地を与えず、読みやすい文。流れがすっと頭に入ってくる章立て。本書それ自体が、こうしたことの最大のお手本になっている。そこがこの本のすごいところだと思う。
    作文技術を教える本を書くという行為には、自分が書いたことを完璧に実践してみせることが求められる。ここに生まれる緊張感と、それをやってのける手腕の見事さ。こうしたものを本書を読むことで感じることができる。実用書としてすぐれているだけでなく、魅力的な読書経験を与えてくれる本。

  • 「理科系」とあるだけあって例文が理科系のものが多く、読むのに疲れたが、理科系に限らず一般的な文章論として通用する本だと感じた。

    印象に残ったのは「逆茂木型」文章を極力書かないようにというところ。
    日本語は欧米語と違い修飾語が被修飾語の前に来るため、修飾語が長くなると分かりづらくなるので注意する必要があるといった意味合いのようであった。

    あと月並みであるが「事実」と「意見」を明確に区別するというところも改めて認識させれたれた部分であった。

  • 日本語の文章でよく見られる「であろう」や「といってもよいかと思われる」は英訳されないそうです。そもそも、事実と自己の見解を明確に示すべき理科系の文章に、そのような曖昧な表現は必要ありません。ただし、特許の明細書では少し勝手が違うようです。

    少しでも広い権利範囲を獲得すべく、構成要素の表現などにおいて機能的に記載されることがあります。また、「本実施例では…を用いたが、…でもよい」などの記載をよく見かけます。後者の記載はいいとして、問題は前者の記載です。広く権利を取りたい気持ちはわかりますが、その機能を有する構成要素をすべてカバーして何の意味があるのでしょうか。また、その機能を有する物が現実として使用される場合、数種類に限られるのではないでしょうか。機能的記載は、不明確として拒絶されるのが関の山です。

    機能的記載は対象製品が明確でない特許によく見られます。企業人なら、製品と結びつけて(売り上げに貢献)なんぼです。知財人として、常に製品と結びついた明細書の作成に臨みたいと思います。

  • 論文で伝わるように書く日本語とは、どのようなものであるべきか、
    そういったことをまとめている本。
    理系論文に求められることは、小説などに求められることとも
    違うので、どういった書き方をするのがいいか、を根拠を持って
    勉強できる点がいい。
    日本語で理系文章を書くときには必須の視点である。

  • 約40年前の著作にもかかわらず、筆者の主張に同意できる点がいくつかあるのは、すごいこと。

  • <シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190

  • 論文に限らず、報告文にも必要な要素。
    手元に置いておきたい一冊。

  •  文章作成のノウハウがうまくまとめられている。

  • 四半世紀ぶりに読んでみた。社会に出ると、理系だからこそ文書を書く機会が増えます。ビジネスメール、標準操作手順書、報告書、プレゼンテーションの資料など。そんな時に必要なのが本書になると思います。

  • レポート・論文の書き方本の古典である。さまざまなレポート・論文の書き方本で参考文献として挙げられている。『論文の教室』など。
    じわじわ使えるハウツー本である。抽象的で本質的な議論。例えばパラグラフライティング。

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著者プロフィール

一九一七年(大正六)、東京に生まれる。四一年、東京大学理学部物理学科卒業。名古屋大学助教授、学習院大学教授をへて、八一年から同学長。学習院大学名誉教授。専攻、物理学。応用物理学会会長、国際光学委員会副会長、言語技術研究会座長などを歴任。著書に『物理の散歩道』(ロゲルギスト名による共著、岩波書店)、『新物理の散歩道』(同共著、中央公論社)、『理科系の作文技術』(中公新書)、『物質の世界』(培風館)、『物理・山・ことば』(新樹社)、『レポートの組み立て方』(ちくま文庫)などがある。

「2018年 『まんがでわかる 理科系の作文技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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