男うた女うた 男性歌人篇 (中公新書 1715)

著者 :
  • 中央公論新社
3.44
  • (0)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 25
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017154

作品紹介・あらすじ

千年を超える短歌の歴史のなかで、男たちはさまざまな主題を歌い続けてきた。憧れの女性を射止めた喜び、わが子誕生の感慨、戦場における極限体験、不遇のうちに世を去る無念。さらには、美酒に酔いしれる至福や、スポーツ観戦の興奮までも歌い上げている。本書では『万葉集』から現代短歌までを見渡し、バラエティに富んだ六十首を選りすぐって鑑賞。三十一文字に込められた男たちの思いを鮮やかに蘇らせる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  佐々木幸綱「男うた女うた」、男性歌人篇、2003.9発行。次の2首に注目しました。①人丸の後の歌よみは誰かあらん征夷大将軍みなもとの実朝(正岡子規):柿本人麻呂の後継は「金槐和歌集」の源実朝。「古今和歌集」の紀貫之などや「新古今和歌集」の藤原定歌らを歌人として認めていない。「歌よみに与ふる書」で「古今和歌集」の権威を撃破。②男の子なるやさしさが紛れなくかしてごらんぼくが殺してあげる(平井弘):平井弘は1961年、歌集「顔をあげる」で口語短歌(話し言葉のとり入れ)のスターとして花壇に登場。平井弘の口語文体の短歌がなければ、俵万智の「サラダ記念日」(1987年)は生まれなかっただろう。

  • <閲覧スタッフより>
    賀茂真淵が「万葉集」を評価して“ますらをぶり”と表現した男性的なうた。万葉集から現代詩歌まで、古今の人びとがうたった詩歌を歌人・佐佐木幸綱が“男性”というキーワードで選り抜いた一冊です。
    -------------------------------------
    所在番号:新書||911.1||オト
    資料番号:10155376
    -------------------------------------

  • 我はもや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり
    -藤原鎌足「万葉集」-

    人丸の後の歌よみ誰かあらん征夷大将軍みなもとの実朝
    -正岡子規「竹の里歌」-

    ぐいぐい迫ってすばやい短直突(ショート)だ。ボビイの顔がじぐざぐになる
    -前田夕暮「青樫は歌ふ」-

  • 最初に紹介されてるのが、藤原鎌足の「安見児得たり〜」っていう、無邪気なエロオヤジパワー炸裂した歌っていうのが、なんというか……なんでこれが冒頭なのか、作者にうかがってみたい気がする。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

昭和13年、東京都生まれ。歌人・国文学者。早稲田大学名誉教授。「心の花」主宰。雑誌「文芸」編集長をつとめたのち、早稲田大学政経学部で長く教鞭をとる。歌集に『百年の船』(平17 角川書店)、『ムーンウォーク』(平23 ながらみ書房)、評論集に『柿本人麻呂ノート』(昭57 青土社)など多数。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐佐木幸綱の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
白石 昌則
ウンベルト エー...
宮部みゆき
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×