公家源氏―王権を支えた名族 (中公新書 2573)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
  • (4)
  • (5)
  • (4)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 156
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025739

作品紹介・あらすじ

源氏と聞いてイメージするのは頼朝や義経らに代表される武士だろう。だが日本古代史においては、源氏の姓を与えられた天皇の子孫たちが貴族として活躍していた。光源氏のモデルとされ藤原氏に対抗した源融、安和の変で失脚した源高明、即位前に源定省と名乗った宇多天皇など。家系は「二十一流」に及び、久我家、岩倉家、千種家、大原家など中世や幕末維新期に活躍した末裔も数多い。王権を支えた名族の全貌。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白くなかった。

  • 日本の権力中枢に深くかかわりながらあまり表面に出てこない公家の源氏について、鎌倉時代を中心に論じる。中世以後の公家源氏についても言及する。

    2022年3月・4月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00548202

  • (実際に読んだのは電子書籍)

  • 源氏といえば武士!というイメージをそっと塗り替えてくれる本ですが、天皇の多さと系統の煩雑さでとりあえずの大筋はつかんだけどごめん名前は全く頭に入らなかった・・・。
    村上源氏は息長く活躍したってことと、ずっと昔から公家は藤原氏に遠慮してたんやなってことは覚えました。源氏物語にもそういう社会背景が反映されていたり、お寺の偉いさんを勤めた源氏のお歴々などの紹介も面白かったです。どうして仁和寺の法師のエピソードはアホなのが多いのかという理由も、この本を読めば納得です。大きなお寺の座主や長者はだいたい尊い家系の方が務めますよね・・・。あと摂関家の発生から消滅までを追えたのも良かった。大昔に勉強した日本史で、あれこれと覚えさせられたあんなことやこんなことのバラバラな事項が、公家源氏を軸にして自分なりに納得できる感じで読めました。とにかく何度もいうけど名前を覚えるのが無理すぎて、この人は何天皇の何番目だとか、いま筆者が出したこの人は誰の子供なんやと、系図も丁寧にのせてくれてるんだけど遡ってきりがないし覚えられないし色々と無理。
    とても勉強になる本だったことには違いないので★4つです。

  • 平安初期から代々の天皇ごとに出現した賜姓源氏を逐一解説。とにかくその数が膨大で、とても覚えきれるものではない。

  • 主に摂関期までに賜姓された源氏を中心に、その活躍や動向を丹念に追った一冊。藤原氏と比較すると、その地盤の弱さが際立つ印象がある。重要な藩屏であったことは確かなようだが、そうした意識はその程度存在していたのだろうか。

  • 大雑把に言うと源頼朝ではない源氏について総括している。厳密には源頼朝も平安時代の残り香がある人物といえるので、足利尊氏や武田信玄ではない源氏ということになるだろうか。日本史の数歩入ったところに関心がある人には大いに楽しめる内容になっている。源氏はそもそも天皇の血筋につながる人々。では、皇族から外れて源氏になったらもう二度と皇族には戻れないのだろうか。というようなことに詳しくなる。

  •  中世に登場する多くの源氏という人々。嵯峨源氏に始まり、仁明、文徳、陽成、光孝、宇多、醍醐、村上、三条、後三条源氏など。彼らが時の天皇家のあまりの人数の多さに国家財政面から臣籍降下したということがわかるのだが、その膨大な人数に驚き。著者は良くここまで、調べ書き連ねていったと驚くばかり。天皇の代替わり、系統の移りとともに、過去の源氏が姿を消していく。彼らの子孫は一体どうなっていったのかと思う。その中で、摂関家(特に道長)と強い関係を持った村上源氏が生き残った形になるのはむしろ、藤原氏の影響というのも皮肉なところ。「光源氏」の名前を関した人物も実際に「源光(仁明源氏860年生)」がいたというのはご愛敬。生き残った村上源氏の末裔として久我家、岩倉(具視)家などがあるというのは勉強になった。武士になった嵯峨源氏から渡辺綱が出て、渡辺家、松浦家に繋がっていくということも。また藤原道長・頼道にも詳しく、彼らの親族もまた村上源氏に囲まれていたということも。これにしても名族と言いながら、真に日本史の重要人物として数えられる人は実に少ない…!
    そして今の皇室の男性の枯渇状態との大きな落差を感じた。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2573/K

  • 源氏の姓を与えられ、平安期に貴族として活躍した天皇の子孫たち。中世や幕末維新期に活躍した末裔も数多い。武士ではない源氏の全貌

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学。主著に『平安朝 皇位継承の闇』『皇子たちの悲劇』(角川選書)、『一条天皇』(吉川弘文館)、『蘇我氏』『藤原氏』『公家源氏』(中公新書)、『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(講談社学術文庫)、『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書)などがある。

「2023年 『小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

倉本一宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×