- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121501653
作品紹介・あらすじ
"セーラー服と機関銃"の意外なつながりから、自衛隊の戦力分析まで。普通の国では誰もが知っている軍事学の基礎教養を、第一人者が講義。ビジネスという戦場でも役立つ知識満載の書。
感想・レビュー・書評
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物事は多角的に見るべきなので、軍事に詳しい元自衛官という肩書の著者の本を読んでみた。確かに現場のリアルさが紹介されていたし、自分が知らない物事の「一面」を知ることができた。
しかし、著者には学歴コンプレックスでもあるのか東大出身者がとにかくお嫌いのご様子。言葉の選び方などに卑しさを感じる本でした。
どんなに文章の内容が良くても言葉の選び方次第で信用度は下がる。自らも大学卒業後現場で学んだことをもとに本を書いておきながらズレた東大批判を挟み込む著者の論理に多角的視点はなく、全体を俯瞰した正確性もないのではないかと疑問に思った1冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルは「常識としての軍事学」ではあるが、「セーラー服が海軍服だった」ってのは軍事学なのだろうか。
そもそも本書は、小林よしのり氏が編集長を務めた「わしズム」への連載が初出になります。
また、本書に頻出している「この施策をした人を知っているので言いにくいのだが」的な発言は、「こんなことしている人を知ってる私はすごいんだよ」と自慢しただけにしか感じません。
ですから、言っていることもなんか信用できないし、(初出から考えても)中立的な公平な意見とは思えません。
そもそも文章におかしな点や言葉の使い方の揚げ足をとって喜んでいたり、しかも読んでいてまったく面白くない。
読んで時間の無駄だったと後悔するぐらいの本でした。 -
タイトルから、作者自身の見識を疑うセンスがほとばしってます。度々、「バカ左翼」などの指摘が入って来ますが、引用している著書の誤用が多く見られ、ブーメランのようにご自身に帰って来ています。冒頭では、軍事が生活に深く関わっているという話が延々と続いていますが、「だから何なのだろう?」と不思議に思ってしまいます。米軍の戦力分析だって、伝聞で「こう言われています」の連続。取材をせず、今ならネット情報で書けるだろう内容となっています。日本では、軍事学を教えられないと嘆いてますが、このような中身であれば教える必要はないのではないでしょうか。
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元自衛官による、軍事の入門書。著者の思想が現れてくる部分を除けば、身近な例え等を用いていて、初心者にもわかりやすく勉強になるのでは。自分と反対の立場にある人へのもの言いとかは若干引くけど、内容としてはなるほどという部分が多かった。ミリオタとか実務者には物足りないかな。
セーラー服と機関銃、とか、なぜ軍服はカッコいいのか、といったくだけた話題から始まって、戦略的思考とは何か、今後の防衛省・自衛隊の在り方、まで、軽い話題から始まって、本質、本題に迫っていく書き方は読みやすかった。 -
軍事学に関して特段の知識を持たない、一般の読者に向けて書かれた本で、実例や比喩などを用いながら、明快に軍事学について説明する。
初学者向けの本であるので説明が薄く、不足する部分もあるが、最初の手がかりとしては悪くない本なのではないか。文章の引用時には原典を明記してくれたり、おすすめの本を挙げてくれたりしているので、興味を持ったら、ここから先に進みやすい。
ただ、往々にして生じる現象だが、「面白い」文章を書こうとして、皮肉まじりの文章を書いたり、それを超過して嫌味たっぷりな文章を書いてしまう人がいる。この本の著書も、知識の少ない読者に対して面白いことを言おうとして、ややそうした傾向が出てしまっているように思う。その辺りが鼻につく、という人もいるかもしれない。 -
日頃の生活がいかに軍事と結びついているかを説明。
さらに簡単な軍事に関する知識を得ることができる。
ただ一種の偏向や嫌悪も混じっているのが残念。 -
わかりやすくを目指したというとおり、読みやすかったがもう少し読み応えが欲しかった。安全保障に関するモノを読む前のウォーミングアップとして軍隊の統制、運用を俯瞰するには良いかも。
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自衛隊≠軍隊という、大人の建前論に真っ向から挑み、日本の戦力(≠防衛力)のあり様と、あるべき様を、講義形式で綴っている。
著者の強烈な軍拡志向・保守的主義に、はじめは面食らうが、イデオロギーを脇において置いて読み進めると、なかなか役に立つ情報もあり、意外にすっきりした読後感だった。 -
言いたいことは分かるのだが、全体的に煽り過ぎていないか。著者の他作を読んだことが無いのを承知で、本書のみの感想を言えば、軍事おたく、軍事バカによる「世界の中心で軍事を叫ぶ」か。
軍の字源やダブルスーツやダッフルコートが軍服から起こった話などは初聞であったが、既知の話も多かった。また、標準化の起源としてフォードの大量生産を挙げていたが、シュハートの品質管理が第二次世界大戦で具現化された話の方が適切だろう。
全体としては、「テツを楽しむ」の読後と同様の感がある。