東大卒でスミマセン - 「学歴ありすぎコンプレックス」という病 (中公新書ラクレ 414)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504142

作品紹介・あらすじ

「勝ち組」の集まりと世間では思われている東大。合格、入学後に待ち受けているのは本当にバラ色の学生生活・人生なのか?東大法学部卒のフリーライターが、東大生の素顔から「実はクリエイティブではない」等の意外なコンプレックスまで、自身の経験も交えて綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 私は東大卒ではないが、あー分かる分かるってところがたくさんあった。きっと青春を犠牲にして大学受験への取組を行う者には東大に限らず、ある一定の行動様式が形作られていくのだろう。
    それから、仕事を辞める時に「辞めることが正解か否かを考えるのは全く意味がない、なぜならそれは辞めた後の自分の行動にかかっているのだから」というようなことが書いてあったと思うが、そこにひびっときた。

  • 東大を受験する過程で“東大力”が身につくらしい。
    指定校推薦だった私は、受験をしなかったので“東大力”まではいかないが、自分の可能性を潰してしまったんだなと感じました。

    東大力
    ・わしづかみ力(本質を見極める)
    ・道すじ力(核心までの過程)
    ・日本語力(テストは論述が多い)
    ・エンジョイ、勉強力(楽しく勉強する工夫)
    ・やり通し力
    ・手抜き力(要領良くするために)
    ・生真面目力

    わが子には“苦労は買ってでもしなさい”と言いたい

  • 「○○大学なのにデキない」
    ある意味、学歴コンプレックス。
    めちゃくちゃ共感してしまった。。。

  • うんうん、そうそう!と思わずつぶやいてしまうくらいリアルな感覚が描かれている。
    確かに東大力というのはあの入試によって培われてるんだなと。
    目標を定めて、それに対してスケジュール管理・自己管理を徹底的に行う。
    どの設問に何分で解答して、どの順番でやれば自分自身のパフォーマンスが最大になるか。
    これは、過去問を徹底的に分析して、相手が要求しているものに対して的確にこたえるということ。
    それが実社会ではそんなに役に立たなくって、いわゆるクリエイティブからは程遠いというのも納得。
    どこの大学と聞かれて、言葉につまったり、意味不明に謙遜してみたりするっていうのも、すごくよくわかる。
    お願いだから聞かないでくれと思ったりする。

    そういういわゆる東大生のリアルを描きつつ、
    今後の社会においては、東大を卒業したというだけでは、人としての幸せはつかめないんだよ、といわれる。
    ・情報消費者ではなく情報生産者たるべき
    ・「東大卒っぽい世界で認められたい」という思い込みから現状を打破できないのが東大卒の弱み
    ・東大内モノサシでキリでも、自分がもっと大切に思うモノサシでピンならそれでいいのではないか
    ・好きの感覚を磨き続けることが大切。何かに熱中するときのあのワクワク感を忘れてはいけない
    ・どんな小さなことでも、自分で問いをたて自分で解く
    このへんの内容はとても参考になった。

  • 東大卒の女性エッセイスト?が書いた本。学歴自慢のようなイヤミさは不思議と感じられず、楽しく読むことができた。いくら地元の神童と呼ばれていても東大に入ってしまえば凡人となり、卒業後は「東大卒」の看板を背負って、時には妬まれ、時には避けられ生きていかなければならないので、東大を出たということを隠さなければならない逆学歴コンプレックスに悩まされるという。東大卒の人の苦労も分かったし、入試に合格するための戦略や、東大生の学生時代の様子、就職の際の彼らの考え方など色々知ることができて面白い本だった。

  • 作者が 東大出身とは知りませんでした・・東大のブランドをこんなに面白く(?)解説した本は初めてです。

  • 東大卒ではありませんが、なんとなくわかる気がします。

  • 正直,指摘があまりにも的確すぎて,私には全然笑えませんでした.(笑) 東大卒でない方々に是非ご一読をおススメいたします.東大生の中には,本当にすごい奴が一部にいますが,残りの学生はそれほどでもありません.私も含めて.そうした学生は,ほとんど皆この本に書かれているコンプレックスを抱えて日々格闘しています.

  • 東大生あるあるに、クスッと笑ってしまいました。東大力、わかる気がする。

  • 中の人として気になったので読んでみた。とくに地方出身の学生云々のところは的を射ていると思う。

  • これ、東大じゃなくて早稲田でも結構当てはまる。田舎出身東大生の苦しさが書いてあるが、これは、まさしく早稲田でもあてはまる。
    関東の有名中高一貫校の奴は本当に、出自が違うし、違う人種に見えたことを何年も前の学生時代に思い出す。

  • 東大あるある集。まあそれだけです。
    何らかの形で東大に縁がある人なら読んでもいいと思うけど、そうじゃない人にとっては延々と自慢話を聞かされている気分になると思うのでおすすめできません。

  • 「東大卒でスミマセン」
    東大卒とは何を意味するのか?東大生=○○なのか?東大力とは何か?東大だから○○だという社会や周りの先入観に対しての著者の苦悩が描かれる。


    私達にとって学力とはただ一つの側面を評価するだけのものだと思います。その最大の評価となるのが東大卒であり、さらに言うと東大理三卒だと思います。それだけ東大というブランドの力は大きいです、なぜならそう簡単に合格できない大学であり、日本最高学府の大学であるから。しかし、だからこそそのブランドに苦しむ面もあるんだろうとも思います。著者・中本氏はその苦しみの面にスポットを当ててくれています。


    私には「東大生=努力を継続でき且つ成果を出せる」というイメージがあります。なぜなら高校(受験期)からしっかり勉強しなければ東大には合格出来ないからです(まれにスーパーはいますがw)。センターで受ける科目も膨大ですし、高校の成績もしっかりキープする必要もあり、さらに2次試験では大抵数学でぶっとんだ脳みそをお持ちのライバルと戦わなければいけないw。かなり受験の中でもハードなコースだと思います。しかし、だからこそ彼らは凄いと思います。勿論、4年間何もしないで卒業では意味は無いですけど。


    しかし、そういったイメージも東大生には重荷になることがあるようです。それはそうですよね。外の先入観は誰しもを苦しめるものですし、特に大学卒業と言う面ではかなりの効力を思っているものです(しかし、「私、勉強しかしてなかったから家事が出来ないの」という主婦に東大卒だということが友人伝に伝わってしまって、嫌がらせを受けるという事実(著者の友人の経験)などを知ると、そりゃあ隠したくなるよって思います・・・。そもそも自分より学歴というか勉強してきた人がいないと思い込んでいるその主婦に大きな欠落がありますが、それを含めて成り立っているのが社会ですから、上手く生きないといけないということ・・・。なにやら複雑ですね)。


    この本はそんな先入観を持つことへの考慮の時間をくれます。それにそこそこ私にも当てはまるところもありますし、なかなか楽しんで読むことが出来ました。


    学歴が高いということにも苦しみはあります。

  • 五月祭の模擬裁判を見てみたくなった。

  • 東大卒の今はフリーライターをやっている中本千晶さんの著書。新書なのですぐ読めます。
    東大卒であることのコンプレックス、東大卒が社会でどう見られるか、などを自身の感覚で描いている。だから、時たま「言い過ぎ?」と疑ってしまうところはあるものの、何を言うても筆者も東大卒なので、そういう感覚もあるんだ、と新鮮な気持ちになる。
    全体的に言うと、東大生はカタい人が多いのかな、という印象を受けました。

  • 「すべからく」という言葉の使い方が誤っていたり、「最高学府」とは東京大学のことであるとの思い込みに基づく記述があったりします。かなり前に出たものの改訂版なので、チェックする機会は何度もあったはずなのでは・・・ まあ、こういう話は本筋とは関係がない些細なことですが。
     大雑把に言ってしまうと、著者の議論は、他大学の出身者との比較においては、東大出身者を一つのパターンに類型化し、ある種の側面において東大出身者は確実に他大学卒業生よりも優越している(それらの点を東大力と呼んでいる)と述べながらも、東大出身者同士の比較になった途端に多様性を強調するという二段階の構成になっています。しかし、どこの大学にだって、大学に行っていない人にだって、多様な人材がいるのは当然であって、著者のいう「東大力」を有した人間は東大出身者以外にも大勢存在していると思うのですが、そういうことはまったく視野に入ってこないということなのでしょうか。

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著者プロフィール

1967年生まれ。山口県周南市に育つ。東京大学法学部卒業。「NPO法人企画のたまご屋さん」副理事長。株式会社リクルートに勤務ののち2000年に独立し、「働き方・学び方・遊び方」をテーマに執筆活動を展開。2004年より、本を書きたい人と出版社の出会いの場を演出する出版エージェント「NPO法人企画のたまご屋さん」の運営に携わる

「2009年 『著者の素』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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