園芸家12カ月 改版 (中公文庫 チ 1-2)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122025639

感想・レビュー・書評

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  • 園芸マニアの、寝ても覚めても自分の庭が気になってしょうがない、熱い1年間を、愛情を込めてからかう(自嘲?)エッセイです。
    園芸の対象である植物の生態ではなく、むしろ植物を育てる側の生態を追った本。
    ですから、「園芸って面白いんだなぁ」と園芸に興味を持つというよりも、「何かに熱中するって、バカバカしくもうらやましく楽しいことだよなぁ」という気持ちになります。
    「ネトゲ廃人12カ月」「韓流ドラマファン12カ月」「アニメおたく12カ月」「バンドファン12カ月」「ハガキ職人12カ月」など、自分流の「12カ月」シリーズを書きたくなります。

  • 園芸の本ですが、朗読するのにいい本です。

  • 園芸家の一年を皮肉やユーモアに満ちた文章で綴る、ガーデナー必携の一冊。
    章立てが12ヶ月に分かれているので、自分でガーデニングをするようになって一月ごとに読みかえすと新たな発見が色々。

    カレル・チャペックというと、長編小説の「ロボット」や「山椒魚戦争」が有名だけど、本書が気に入った人には愛犬との日々をユーモアいっぱいに綴ったエッセイ「ダーシェンカ」もお勧めです。

  • 小説とは言わないかな。
    20年ほど前に友達から借りて読んだ本。
    くすっと笑える楽しい園芸本です。

  • 「カレル・チャペック」と聞くと、すぐに思い浮かぶのは紅茶のブランド。チェコの作家が名前の由来と知ったのは最近のことです。この作品は園芸マニアの12ヵ月の生態を面白く書き綴っています。ユーモアと園芸への愛情いっぱいの本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すぐに思い浮かぶのは紅茶のブランド」
      最近の方は、紅茶店が先なんだ、、、私は「長い長いお医者さんの話」で、モダンな話にチェコと言う国に憧れ...
      「すぐに思い浮かぶのは紅茶のブランド」
      最近の方は、紅茶店が先なんだ、、、私は「長い長いお医者さんの話」で、モダンな話にチェコと言う国に憧れを抱く取っ掛かりになりました。
      2012/10/26
  • チェコの作家カレルチャペックが、自身も園芸家でありながら園芸家の奇妙な生態、性質、特徴を1年間月ごとにおもしろおかしく書いたエッセイ。ウィットにとんだ表現が、予想以上に面白い!私も一応ガーデナーのつもりなので、園芸熱にかかったときの気持ちは理解できるが、ここまで熱狂的な園芸マニアになると一種の人種、一種の天然記念物(?)のようだ。

  • 園芸家ヲタクのどたばたエッセイ。
    園芸趣味はないけれど、思わず「あるある」と思ってしまうのは
    きっと自分の中のヲタクが反応してるんだなと。

  •  

  • 童話「長い長いお医者さんの話」を読んだ後では、大人になってからは、たぶん本書を読んだことで、カレル・チャペックに興味を持ったのだったと思います。庭いじりというのか園芸熱にとりつかれてしまった姿を、小気味よく軽妙洒脱に描き出し、お兄さんのヨゼフ・チャぺックのユーモラスな味のある挿絵と相まって、愉しい一冊。お気に入りの本です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「園芸熱にとりつかれて」
      チャペックにとって園芸は、色々なコトを忘れて、ホっとする時間だったのかなぁ~と思っています。
      そして熱中振りを、冷...
      「園芸熱にとりつかれて」
      チャペックにとって園芸は、色々なコトを忘れて、ホっとする時間だったのかなぁ~と思っています。
      そして熱中振りを、冷静な目で見つめているのが面白いですよね。
      2012/10/26
    • 文庫“青い猫”さん
      nyancomaruさん

      コメントありがとうございます。
      そうですね。チャペックにとっても、園芸は、かけがえのないひとときだったでし...
      nyancomaruさん

      コメントありがとうございます。
      そうですね。チャペックにとっても、園芸は、かけがえのないひとときだったでしょうし、熱く語っていても、冷静な視点がさすがでユーモア溢れてますよね。
      2012/10/29
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ユーモア溢れてますよね」
      はい。他人を笑うより、自分自身を笑ってしまうような人だったんだと思います。
      「ユーモア溢れてますよね」
      はい。他人を笑うより、自分自身を笑ってしまうような人だったんだと思います。
      2012/11/09
  • カタログを見ているうちにうっかり花を注文しすぎて植える場所がなくなっていたり、かがんで庭仕事をしてるとき自分の足が邪魔でしょうがなかったり、ひよっこ園芸家の私にも思い当たる節が多々あって面白かった。
    今年は花の名前をずいぶんおぼえたので、出てくる植物たちも思い描けるものが多くて楽しかった。カンパニュラ、デルフィニウム、アスター、フロックス、クロッカス、ダリア…。
    園芸家には、春〜秋まで楽しみがいっぱいあることもわかった。
    (冬は、カタログを見て過ごすらしい)。
    カレルの兄の、ヨゼフ・チャペックの挿絵も、いちいち味があってかわいい。

    ○よく聞きたまえ、死などというものは、けっして存在しないのだ。眠りさえも存在しないのだ。わたしたちはただ、一つの季節から他の季節に育つだけだ。わたしたちは人生をあせってはならないのだ。人生は永遠なのだから。

    園芸とは土を作ることだ、と再三にわたって書いるチャペックは、しまいには自分の作った土を自分と一心同体に感じて、土を作ることで人は永遠に生きられる、そんな境地に達したらしい。
    地球と一心同体、one love的境地じゃなかろうか。

    この本の訳者さんも相当な園芸人らしく、注釈に熱が入っていて面白かった。
    ○(訳注の最後のくだり)もしわたしたちが真の園芸家であるならば、花はむしろ庭のまわりに植えて、そのかわりに、庭の真ん中に堆肥の山を二つそびえさせておくべきかもしれない。

    園芸道は奥が深い。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「出てくる植物たちも思い描けるものが多くて」
      素晴しい~
      私は、ヨゼフの挿絵+花・植物の写真付きの豪華本が出ないかな?と思っています。
      「出てくる植物たちも思い描けるものが多くて」
      素晴しい~
      私は、ヨゼフの挿絵+花・植物の写真付きの豪華本が出ないかな?と思っています。
      2012/10/26
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著者プロフィール

一八九〇年、東ボヘミア(現在のチェコ)の小さな町マレー・スヴァトニョヴィツェで生まれる。十五歳頃から散文や詩の創作を発表し、プラハのカレル大学で哲学を学ぶ。一九二一年、「人民新聞」に入社。チェコ「第一共和国」時代の文壇・言論界で活躍した。著書に『ロボット』『山椒魚戦争』『ダーシェンカ』など多数。三八年、プラハで死去。兄ヨゼフは特異な画家・詩人として知られ、カレルの生涯の協力者であった。

「2020年 『ロボット RUR』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カレル・チャペックの作品

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