- Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122028739
感想・レビュー・書評
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冬も山暮らしをしているのに、夏も終わり…という記事を見るとさびしい気がする。
それが、後半に行くにしたがって、どんどんさびしさが増す。
最後の巻なので、本の残りページがどんどん薄くなっていくのもさびしい。
人生が終わって行く人の命の残りも見えてさびしい。
どうして、何気ない日常の記録をこんなふうに読んでしまうのだろう、きっと感性みたいなものに惹かれるんだろうな、と思っていたが、巻末の、水上氏の解説を読んで、具体的な言葉に納得しました。
『活字のような声で読む』ってどういうことかな。
自分で読んでいる気分になりたいから、音読者の主観を入れずに読んでほしいってことかな?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すっかり武田家の一員になったような気分で読んだので、
最後はやっぱり悲しかった。
嗚咽してしまった。
これからも、何回も、読むだろう。(R) -
2010/06/13
BASARABOOKS -
DIYの逞しさと率直さと繊細な感性
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今回、印象に残ったところ。
・帰りが遅くなった百合子さんが、灯りのついた家に戻り、“帰って来る家があって嬉しい。その家の中に、話をきいてくれる男がいて嬉しい”と記したところ。
・父の蔵書を、断りもなく知り合いに貸そうとした花子さんに対して、百合子さんが至極真っ当なお説教をするところ。
・外川さんが久しぶりに訪ねてきて、泰淳先生の体調を心配するところ。
予想してはいたけれど、下巻は晩年をむかえた泰淳先生の姿が悲しい。特に最後の夏の日々がせつない。おそらくどんな風に愛しても、悔いというものは残ってしまうのだろうけれど、人生の伴侶と過ごす時間をもっと大切にしようと思いました。 -
大好き。ずっとずうっとよむ。
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下巻では泰淳の体の不調や、それによる
食事内容の変化など、時間の流れを否応なしに
意識させられる。
そんな中で娘・花が銀座で拾った猫・タマの描写は
生き生きとした命の輝きが感じられた。
人生ももう冬を迎えようとしている。
あるいは夕暮れ時。
それにしても武田百合子の文章は私をひきつけてやまない。 -
とぉても大好き。
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しんみりと昭和を思い出す感じが良い。
淡々と書かれた日記に気付けば吸い込まるように読みふける。 -
長い旅行に出るときもっていきます