富士日記 下巻 改版 (中公文庫 た 15-8)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028739

感想・レビュー・書評

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  • 冬も山暮らしをしているのに、夏も終わり…という記事を見るとさびしい気がする。
    それが、後半に行くにしたがって、どんどんさびしさが増す。
    最後の巻なので、本の残りページがどんどん薄くなっていくのもさびしい。
    人生が終わって行く人の命の残りも見えてさびしい。

    どうして、何気ない日常の記録をこんなふうに読んでしまうのだろう、きっと感性みたいなものに惹かれるんだろうな、と思っていたが、巻末の、水上氏の解説を読んで、具体的な言葉に納得しました。



    『活字のような声で読む』ってどういうことかな。
    自分で読んでいる気分になりたいから、音読者の主観を入れずに読んでほしいってことかな?

  • すっかり武田家の一員になったような気分で読んだので、
    最後はやっぱり悲しかった。
    嗚咽してしまった。
    これからも、何回も、読むだろう。(R)

  • 2010/06/13
    BASARABOOKS

  • DIYの逞しさと率直さと繊細な感性

  • 今回、印象に残ったところ。
    ・帰りが遅くなった百合子さんが、灯りのついた家に戻り、“帰って来る家があって嬉しい。その家の中に、話をきいてくれる男がいて嬉しい”と記したところ。
    ・父の蔵書を、断りもなく知り合いに貸そうとした花子さんに対して、百合子さんが至極真っ当なお説教をするところ。
    ・外川さんが久しぶりに訪ねてきて、泰淳先生の体調を心配するところ。

    予想してはいたけれど、下巻は晩年をむかえた泰淳先生の姿が悲しい。特に最後の夏の日々がせつない。おそらくどんな風に愛しても、悔いというものは残ってしまうのだろうけれど、人生の伴侶と過ごす時間をもっと大切にしようと思いました。

  • 大好き。ずっとずうっとよむ。

  • 下巻では泰淳の体の不調や、それによる
    食事内容の変化など、時間の流れを否応なしに
    意識させられる。
    そんな中で娘・花が銀座で拾った猫・タマの描写は
    生き生きとした命の輝きが感じられた。
    人生ももう冬を迎えようとしている。
    あるいは夕暮れ時。
    それにしても武田百合子の文章は私をひきつけてやまない。

  • とぉても大好き。

  • しんみりと昭和を思い出す感じが良い。
    淡々と書かれた日記に気付けば吸い込まるように読みふける。

  • 長い旅行に出るときもっていきます

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著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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