寡黙な死骸みだらな弔い (中公文庫 お 51-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 243
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122041783

感想・レビュー・書評

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  • 図書室で適当にチョイス。

    小川洋子さんって始めて読んだ本が「博士の愛した数式」やったからそのイメージ強かったけど、これとか「薬指の秘密」とか読んだら、こっちが本来やと思いました。でも「博士の…」に通じる部分があるのはわかる。言葉は違っても表現したいものが一緒だった。

    一編づつで微妙に繋がってるところが人物像をより深くしてます。想像を加速させてくれる設定に惚れ惚れ!



    綺麗で残酷なもの、優しくて不安なもの。
    やっぱり人は一人では生きていけないし、変わってもいけない。それがどんなに常識はずれでも。

  • たまに、どうしようもなく小川洋子の小説にふれたくなる。今回もそう。
    涼やかで、慎ましやかで、密やかで、心地いい。
    この本は、それ等に加えて妖しげでもあった。
    短編集だけど、微妙に世界が交じり合う。
    ミステリアスな話が多いけど、今回もとっても心地よかった。

  • 短編連作。
    どれも、静かにたんたんと、小川さんらしい文体で凄く良かった。

  • 不気味でグロい連作短編集。

    『果汁』は、何年か前の阪大文学部の入試で出題されたらしい。

  • 一番好き。短編連作。

  • いつもながらに静謐な時間が支配する小川洋子らしい短篇集。今回は「11の弔いの物語」だ。かならずしも連作短編というわけではないが、いずれもが他のどれかの物語と繋がっていて、そして全体としては大きな円環構造をなしている。こうした構成の巧みさからすると、最初から作品集としての構想があったのだろう。小川洋子の物語にしては毒はやや薄めだが、そのかわりじんわりと効いてくるといった趣だ。いずれの短編にも言えるのだが、細部にいたるまで描写が行き届いていて、そのことが物語に確かなリアリティと固有の感覚とをを与えている。

  • こういう雰囲気の話がすき。死と向き合うひと、死ぬほどなにかに傾倒するひと、ちいさな解れに触れたことで狂っていってしまうひと。

    『洋菓子屋の午後』『白衣』『トマトと満月』がすきだった。『眠りの精』と『毒草』のラストもすき。
    いちごのショートケーキを見る度に、思い出さずにはいられない。

  • 死をテーマにした連作短編集。
    それぞれの物語の登場人物・出来事がリンクしていて、
    意外な事実が判明するなどよく練りこまれているなと感心する。

    一話ずつが短いためか小川さんの作品の中でもストーリー性が高くわかりやすい物語ばかりだった。

    かなり好みの雰囲気である。

  • 短編集なのですが、登場人物が繋がっている。
    死にまつわる話であり、どことなく全部薄気味悪い感じで終わる。けれども続きが気になりページをめくる手が止まらない。
    小川さんの小説は不思議ですね。笑

  • ひとつひとつの話が、まるで
    映画を見ているかのように、情景が鮮明に浮かんできて心に迫る
    それぞれがとても丁寧に描写されていて、会話も一言一言、ためらいがちに、丁寧に、その時その場所で一番最上な上品なものが言葉になって綴られているようで心地よい

    洋菓子屋の午後と果汁の繋がりは切ない気持ちになった
    「哀しみがどんなふうに訪れて、涙がどんなふうにこぼれるか、私はよく知っていた。」
    この文は私の心の溝にストンと落ちた

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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