- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122045675
作品紹介・あらすじ
「世界の果ての壁」の謎を追うルーンとフィリエル、ユニコーンを駆り竜退治に赴くユーシス。彼らが辿り着いた南の地には、東の帝国の侵略軍が-グラールの危機に、フィリエルは女王と対峙するため聖神殿へ乗り込む。賢者とは?吟遊詩人とは?わらべ歌や童話に隠された「世界」の秘密がついに明かされる。
感想・レビュー・書評
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ケインがいいキャラだったなぁ。
ただ、物語は、随分と投げやりな女王様を前にみんなで頑張るぞーの展開に残念感が否めない。
ここまでのあーだこーだ、踏まえてだれかが女王にはなってほしかったなぁ。
2022.7.17
96詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あれ?終わりな感じ?あと2冊あるのだけれど……。
(後の2冊は番外編みたいな感じかな?)
ルーンは、いい意味で変わったなぁと。(変わっていないのかもしれないけれど、フィリエルへの思いゆえの行動がちゃんと見えている感じで)
フィリエルは、いい意味で変わらず。(環境などかなり変わったのに、心の中にある思いと行動は変わることなく)
それがとても良かったです。 -
ルーンに対するフィリエルの過保護というか、お節介ぶりは健在すぎて、ちょっとお腹いっぱいになってしまった6巻。
結末は駆け足でドタバタしちゃって、なんだか消化不良。
残り2冊の外伝で、もう少し何かしらを掘り下げてくれればいいのだけれど、其処此処に腐女子の雰囲気が漂っていて、このままじゃ私のなかでは、軽薄な印象しか残らない。 -
児童書風ハードカバーの4巻はいぜんに新書版で出たのの5巻に当たるのかな?外伝も入っているので要注意。
今はコミックもビデオ?も出ているようだし、検索してもややこしくなってますね。
原作はライトノベル風の文体で、今の子が読みやすいように書かれているのですが、中身はけっこう強烈で、一作目の印象が強すぎて〜しばらく続きを読めないほどでした。
やっとここまでたどり着きました…一作目のトラウマ的な問題がここに来てかなり解決、全体像が見えるような気になります。 -
2023年7月29日購入。
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気怠い読後感の中で、この文章を書きました。
最高に上質な物語の中を通り過ぎたあとに残る、あの感覚です。
日本人作家の書く、Hi-fantasyは少ないのが現実と思います。
それはたぶん、この環境によるものが多いのではないでしょうか。
空想に遊ぶまでもなく、取り巻く世界が美しいから。
季節に合わせて、くるくると移り変わる景色がすぐ傍らにあるから。
手を伸ばせば感じられる場所に、「魔法」が遍在しているから。
だからこそ、極上のfantasyが産まれる土壌でもあるのだな、と。
本作を読んで、それがよく分かったような気がしています。
全8巻からなる、長大な物語です。
しかし、その長さは、読書中には全く感じません。
読後に、もう終わりなの?と思ってしまうほどです。
けれども、改めて振り返れば、いかに多くのsceneを経たのか思い当たります。
とても濃いお話なのにも関わらず、あくまでも優雅で華麗で、おまけに軽い。
作者である、かの「勾玉三部作」の萩原規子さん。
本作でも、その描写の素晴らしさは健在です。
登場人物、状況、環境、風景、心情、会話、‥‥。
その瞬間に存在しているものを、活き活きとありのままに写し取ったかのようです。
実際にはページを繰っていても、読者の目は、グラールの風景を観ているのです。
そこで繰り広げられる沢山のdramaを、多くの人物と共に体験できるのです。
これこそが、物語を読む悦楽に他ならないと思います。
そして何よりも、storyの良さ!
ただのlove storyに落ち込みそうでありながら、それを簡単に越えてます。
人と人とを繋ぐ関係性の意味と、その力。
沢山のthemeを内包していながら、決してぶれることのない方向性。
あちこちに散りばめられているhumorのsenseも卓越しています。
思わず微笑んでしまうようなsceneが、数え切れないほど出てきます。
心から、「信頼」できる作家さんだなぁ、と改めて思いました。
「終わらせ方」があまりにも潔すぎて、続編が無性に読みたいです。
フィリエルとルーンのその後はもちろん、この世界がどうなっていくのか。
それは明らかに、この物語にとって蛇足であることは間違いない。
けれども、ただのミーハーな気持ちから、続きを知りたいと思ってしまいます。
きっと、この物語が終わって欲しくない、と言う気持ちの表れなのでしょうね。