痴人の愛 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.58
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本棚登録 : 526
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122047679

作品紹介・あらすじ

美少女ナオミの若々しい肢体にひかれ、やがて成熟したその淫蕩なまでの底知れぬ魅力のとりことなった譲治。奔放なナオミは譲治の背に跨って部屋中をめぐる。女の魔性に跪く男の焦燥と惑乱と陶酔を描く谷崎文学の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • ナオミは品もないし、女性から見たら全然魅力を感じないような女性。
    それにはまって人生を捧げちゃうなんて…バカだなー…。

    でも、周りからどう言われようとぶれないナオミの強さには、呆れを通りすぎて尊敬すらしそうになったw
    結局、周りから見たら滑稽で最低な暮らしに身を落としていく様に見えるけれど、当人達はそれで幸せなんでしょうね。
    そう考えると、あれはあれで究極のハッピーエンドなのかも。
    自分で自分にブレーキをかけちゃうタイプの私からすると、少し羨ましくもあるな。

  • 756円購入2011-06-16

  • 谷崎潤一郎といえばこの1冊。ナオミズムという言葉を作り出した作品。

    ストーリー展開は、それほどドラマティックでもなく、純真無垢な少女が、次第に異性関係に奔放で浪費家でだらしない女性になっていき、そんなナオミに振り回されつつ最終的にナオミに従属されていくという内容である。
    文末の解説にもある通り、ナオミがSというより主人公である譲治がもともとM体質であり、それがナオミとの生活の中で次第に開花し自分自身も自覚するに至る。
    その文章からすぐに内容に引き込まれ、あっという間に最後まで読み終えてしまう。

    現代小説とは異なる表記や言い回しはあるが、十分にそのまま読める文体である。当時の世情も作品を通して垣間見ることができて面白い。

  • 初めて読んだ谷崎文学。
    少し過激である分、どんどんと読み進められる。
    主人公がナオミに裏切られる度に何でそんなにナオミを信じるんだ?と不思議にも思うが、そういう精神的な苦痛こそマゾヒズムの一環で谷崎の書きたい所だったのでは、と思う。
    魅力的な女性から離れられないのは、その女性の魅力故か、当人の性癖かどちらなのかも考えてしまう。
    読後から時間が経っても、鮮やかに思い出せるような印象的な作品だった。

  • 痴人は誰か

  • ロリコンがロリコン変態に昇華する過程で、ただの女性を魔性の淫乱さんに変異させる話。もともとお互いに素質はあったけどね。変態カップルが方向性は違えど、どこまでも奔放に変態になってく。最後まで。いや、最後以降も。

    恋は盲目。って言うけれども、僕はここまで捨てられない。そういう意味では幸せなのかもしれないね。

    でも、当人からしたら不幸だよね。気持ちが、本当に報われることは、ないし。


    あんなにエロチックに感じるのはなぜなのだろう。直接描写なんてないのにね。

    この時代にこんなの書くのはタブーだったんだろうね。いや、発想もなかったのかもね。ありえないことを書く。すごい。小説家って感じ。

    ありえないことに現実味をもたせてまとめるってのはどんなに疲れることなんだろう。

  • 高校時代に同級生が読んでいて気になっていた本。高校の頃の私はお子ちゃまで、愛という文字で読まなかった。いつか読もうとは思っていた。30半ばにもなって、やっと手に取った。未だに独身で愛も恋も分かってないが、今読んで良かったと思う。たぶん高校生では本当の意味での痴人という言葉の意味は分からなかっただろう。人は皆痴人である。それを踏まえて人生を歩んでいきたい。

  • 好きな本の一冊
    何故か 何回も読んでしまう。
    ナオミは、嫌な奴
    譲治は、何故 ナオミにハマるのかが 理解できない。

  • どの場面が特にいいかと聞かれると困るけれどもそれでも読ませるからすごい。
    常にナオミの匂いを嗅がされる読者と譲治。
    もうどんどん耽溺していって自分まで(話運びを嫌悪してても)征服される。レビュー見てて沢山「最悪だった」と、私もある程度そう思うけどそれが谷崎の思うつぼなんだろう……

  • とても後味の悪い話。ナオミの蠱惑と支配から逃れられない譲治は、はたから見るとひどく滑稽で、やめておけばいいのにという憐れみを誘うのだけれど、おそらくこういう精神状態になってしまったら、抜け出すのは容易でないのだろうと思った。関わり合いになりたいとは思わないし、なりたいとも思わない、そんな女性像だと思う。口と媚びのうまさは見習うべきかもしれん。

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著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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