- Amazon.co.jp ・本 (850ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122049697
感想・レビュー・書評
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序章から中程までは、一体これがどう大量殺人事件へ繋がるのだ!?と思わせるほどにたゆたゆと物語が進んでいくのだけれど、最後の殺気ったらない。怒り、をただ「ムカつく」としか思い浮かばぬ語彙力の乏しいわたしには、あんなに感情や心の動きを巧みに表現できるものなのか、と感嘆するばかりでした。
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平成最後の読書。
育児の合間を縫って、3ヶ月かけてようやく読み終えた。
「人はなぜ人を殺すのか。」というキャッチフレーズがついているので、重くて暗くてグロテスクで哲学的な内容なのかと思っていたが、必ずしもそうではなかった。
河内弁の軽快な語り口調で、いつのまにか熊太郎の隣にいるような感覚になるけど、最後、読み終わりの切なさ、虚無感の深さに言葉を失ってしまった。
終盤の熊太郎の告白部分は、急ぎ足で済ませてはいけない気がして、もう一度丁寧に読み直した。 -
初っ端からめちゃおもろくて、普通の小説みたいにどうなんねやろと引き込まれた。その間、熊やんが作者からあかんではないか、とかつっこまれたりするのが関西版のグロいちびまるこちゃんみたいな感じで楽しかったし、早々に酢醤油の瓶飛ばしたり思いつかんことばっかり飛び出してくるもんやから、町田康読んだん初めてやったけど、こら天才やな、すごいもん読んでもーたなと思いながら一気に7割ぐらい読んだ。
最後号泣したとかいう感想がてんで分からんから、わしはあんまり読み込めてへんのかな?とおもいながらさらっと読み終わった。
とにかく読みやすいしリズミカルやし、後半にかけての思弁はえげつないし、よーもまぁこんなけ言葉書けるもんやし妄想できるもんやなと感心しきり。でももう読まへんかな。熊やんばいばい。 -
衝撃のラストでした。
最後のセリフにこの物語の全てが込められているように思います。
そのセリフにこれまでの自分の人生を重ねてしまいら涙が止まりませんでした。
今のところ一番好きな本です。 -
熊太郎
甘やかされてきた
賢い
独楽回しで自分が偉くないことに気づいた
世間と家の中での評価の違い
「俺の思想と言語が合一するとき俺は死ぬる」
独特の思弁癖が「渋滞」している
世の中には、世間の常識とはどうしても反りがあわず、それなりの良識と純真を持って自分を律してゆこうとするが、いつしかそれが破綻して人生の敗残者となってしまう人もいる。
貸してもらった本。予想以上によかった。 きにしーの主人公の話。 -
2012/06/29
いやぁ長かった〜笑
独特の文章。独特の間。どぎつい河内弁。
この人スゴイなぁ。
私の中では、この作品はパンクな金閣寺です。笑 -
河内十人斬り事件が題材という事で、内容は大体想像できていたが、読んでいて熊太郎が幸せになってほしいと願う自分がいた。
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おもしろすぎやろ〜!と正味2日で読み切った。買ってから読み始めるには8年かかったのに。あかんではないか。
独特の擬音語、擬態語や河内弁にはくねくねに癖になり、熊太郎の思い考えることとその口から出ていく言葉のギャップに疑問を抱くこと我覚えあり。ここが行き止まりやと思って真っ当な道には引き返せない、そう絶望することがしばしばあるけども、果たして明日も空は山は川は鳥は変わらない。討ち入りの夜明け描写は薄墨色の白眉。
私も熊太郎のようにきよらかな精神を持っては敵を多くつくっていたが、いつからか世間に順応できるようになってしまい、復讐心などこれっぽっちも抱かなくなった。しかし彼は遂げる。それも最も痛々しく。
全編を通して文体のリズム感の良さに感嘆する。私のほかにもうひとり関西弁話者を連れて朗読会でも開きたい。ところどころ本当にコメディで笑い転げながら読んだけど、熊太郎の正義への執着は三島由紀夫「金閣寺」を、熊太郎の思考の変遷を水滴一滴も漏らすことなく書き尽くしたそれはドストエフスキーの心理描写を彷彿とさせていた。いやはやおもしろい作品を読んだ。 -
ごめんなさい、全部嘘でした
キツすぎるで