夜の公園 (中公文庫 か 57-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051379

感想・レビュー・書評

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  • 不倫のお話し。旦那のことは好きじゃない、不倫する、妊娠する、旦那とも不倫相手とも別れる。勝手すぎる女、でも、旦那は親友と不倫、ドロドロ。

  • 恋愛というか生き方の話なんだろう。言えば不倫の話だけど何か別の大事な部分がある気もする。
    今はそれが何か分からないけどまた時間がたったら読み直してみたい。

  • よい

  • 川上弘美は好きだけど、難しかったのですが、最近ちょっと読めるようになってきたかな、という、自分の変化を知れる不思議な作家です。

  • 読了感は、言葉を選ばずに単刀直入に言えばあまり、よくなかった。
    多分、第一に、川上弘美の作品だからという期待値がとても高かったこと
    第二に、読み終えたあたし自身がどこにピリオドを打っていいかわからないような(幸夫の言葉を借りるなら)「困惑」を抱いていること
    そして第三に、この物語の男女たち自身が、今、自分がどこにいるかをわかっていないから
    だから、あまり、よくなかった、読了感。

    夫婦は互いに異なる恋愛をし、それぞれが気付かぬところで傷付き合って、そこには憎しみと、悲しみと、安堵とが共存していて。
    曖昧な感情を的確に、それでいてふわりと描くことに長けているな、と思う。川上弘美は。

  •  きれいだけれども平凡な主婦・リリ。そんなリリが大好きで大嫌いな親友・春名。春名と逢瀬を重ねるリリの夫・幸夫。リリと知り合い逢瀬を重ねる暁。
     一見複雑そうにみえる人間関係だが、すべてがゆるやかに描かれ、あたたかな愛情に満ちていた。

     川上さんの文章、たまらなく好き。ささやくように言葉少なに語られる物語はじんわりじんわり全身から染み込んで、ゆっくりと心に届く。
     複雑そうに見える人間関係だけど、現実はこれ以上に複雑なことが多いよなあ。

  • 好きなのかそうでないのか、
    なぜ一緒にいるのか、
    なぜここでこうしているのか、
    これからどうするのか、

    わからないまま生きてるよなあ。
    この本の登場人物たちもそんな気持ちを抱えて、でも正直に生きてる。
    ちょっと読んでてぐらつくお話でした。

  • 人を好きになる時

    怖い。

    抱き合っている時の目の眩むような幸せ、愛しさで胸がつぶれそうになる、毎日会いたい、ずっと一緒にいたい、どうして自分じゃ駄目なの、自分だけのものにしたい。

    怖いし、辛いし、寂しいけれど
    もっと恐ろしいのは

    どんなに愛した人でも忘れてしまえることだと思う。

    リリも幸夫も暁も春名も
    自分だってそう。
    一度終わらせた関係は、もう二度と同じようには戻ってこないんだと思う。

    それがいいことなのか悪いことなのか

    ただ、とても寂しい。

  • 川上さんの本を読んだら透明になる、とおもってた。
    違った。
    水がいっぱい注がれるような、そんな気分。澄むかもしれないけれど、同時にいっぱいいっぱいになる。

    そんな感じ。

  • 普通のどろどろした小説でもこの人の文章は活きるんだな、と思いました。ゆっくりと、しかし確実に壊れていく関係をこの文章で書かれるとボディーブローのようにじわじわとせつなさが。思わず読み進めてしまうような構成もおもしろいと思いました。でも、個人的にはやっぱり、川上弘美さんにしか書けない小説を期待してしまうのです。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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