夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫 に 18-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 165
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054097

感想・レビュー・書評

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  • 老いを巡るテーマ、という設定はいいのだが、どうもとってつけたような展開で面白くない。やっつけ仕事なのではないか。

  • 2017年12月15日読了。
    2017年119冊目。

  •  これがあの西澤保彦なのか。全然イメージが違ってとまどってしまう。主人公はデパートのエリート社員を早期退職した羽村祐太。48歳独身。その身の回りに持ち込まれる人間模様、特に老いやボケがからんだ家族問題を彼がのんびり解きほぐす、というからミステリではないなこれは。日常世話物か。48歳にしては妙に老成した物腰や口ぶりがどこかで聞いたことのあるような。こういう言い回し、どこの誰だったか、というよりよくありがちなのかも。ご近所の家族が入り組んでからむ連作6編。そのまま終わってもまあそれなりだが、最終編にちょっとした仕掛けがほどこされていてニヤリとさせられる。まあこういうのもよくある手法ではあるが。

  • 老いや介護がテーマの話。ミステリー感はない。各章は羽村さんに関係してくる人達の話。同級生の娘が羽村を好きになって、もしや結婚?とか思ったが、最後は意外な展開でハッピーエンド!?テーマは重いが、割と好きな本人かな。

  • 良かったです。世界観が。
    西澤保彦初めて読みましたが、全く気負わずに文章を書く人ですね。変に洒落た言い回しとかほとんどなく、こちらも気が散ることもなく構えずに読めます。

    同一の主人公の周囲で起こる短編集。
    ライトミステリに分類されるのでしょうか、日常的な小さなミステリが仕込まれてますが、大きなテーマは「老い」とか「死」とかです。
    主人公は早期退社して再就職先を探す48歳独身。生い立ちも不幸の部類に入るし、現在天涯孤独で、お先真っ暗なはずだけど、小説には不思議と絶望感がありません。
    むしろ近所の人との何気ない会話とか、人との出会いなどもあって、心が温まります。
    登場人物たちはそれぞれそれなりに不幸です。周囲に痴呆の老人も居るし、老人は死ぬし、彼らも歳を取ります。各短編も決してハッピーエンドではありません。
    なのに、何故、こうも読後感が良いのか。

    地味な小説ですし、傑作ではないかもしれないけど、ほっこりします。
    人の繋がりっていいなと思えます。

  • ミステリの印象が強かっただけに、こうした叙情的なオムニバスはまた違った側面が楽しめていい。それでも切れ味はミステリさながらだし、それでいて恋愛要素も強い。満足感のある一冊。

  • 趣味が貯金って凄い。独身で早期退職した羽村と彼に相談を持ちかける面々。老人問題のあれこれ。テーマは重いが短篇でどれも読みやすい。隣人の弓削翁の最期があっけなくてびっくり。切なかったのが「その日、最後に見た顔は」で陶子の母の話。この本は謎があって相談を羽村に持ちかけるという展開だけど、必ずしも羽村が解決するわけじゃないってところも面白い。
    私も独身で両親と暮らしてるのだが先のことを考えると怖い。親のこともだし、確実におひとりさま老後な自分のことも。貯金、しておかないとな(笑)。

  • 身につまされるお話。失うものがある人生が怖い。しかし、失う事を覚悟しなければ何物も得られない。
    どちらが良いのだろう。僕は前者になりそうだ。

  • 連作短編ミステリー。
    日常の謎に分類されると思うが、テーマは「老い」。やや重め。

    『迷いゴミ』謎の依頼の意味は?
    『戻る黄昏』駐車場を借りる理由は?結末はびっくり。
    『その日、最後に見た顔は』過去の事故に関する推測。女性ならではの心理ですね。
    『幸福の外側』妻の外出の理由は?
    『卒業』ミステリー要素は少な目。恋愛観。
    『夢は枯れ野をかけめぐる』前五話、特に直前の話が大きな伏線に。

  • スーパーの惣菜を食べれなくなった

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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