SROVI - 四重人格 (中公文庫 と 26-35)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061651

感想・レビュー・書評

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  • 今回は四重人格のシリアルキラーでプロの殺し屋が登場する。請け負った殺人は冷静に行うのだが、時に怒りに任せて行きずりの人間を殺したりする。そこをSROに目を付けられてしまうのだが、四重人格のすべてが殺人者でそれを生かして次々と殺人を重ねていく。しかし、最後は芝原麗子の得意な空手で仕留められてしまうという爽快な終わり方だ。殺人者がパーティー会場に侵入する手口や逃亡する方法は、四重人格ということから予想がついてしまったが、それでも結構面白かった。芝原麗子の実家での活躍や、尾形の家庭問題、針谷太一と彼を執拗に狙うフリーライターとの交流など、メンバーたちの描き方も多重的で読ませる。

  • 前回から大分空いてのシリーズ6作目。
    読みながら登場人物たちを思い出した。
    時間が空いても思い出せるくらいに個性的な面々だった。
    脅威の房子が出てくるわけではないので、ストーリーはもっぱら主要メンバーのバックグラウンドが語られる。
    もはや事件より、脇を固めるキャラたちのサイドストーリーを楽しむものになっているような…。
    それはそれで没頭できる面白さがある。
    面白かったです。

  • SROシリーズ6作目。
    今作でもまたまたすごいシリアルキラーが登場!サブタイトルにある「四重人格」って…なぜそうなったのか、背景も知りたかったな。
    過去巻より分厚いけれど、面白くてサクサク読めた。

    普通なら気づかれないことも些細なことがきっかけで綻びが生じる。その違和感を逃さない新九郎はさすが。
    犯人の内側で4人格によって繰り広げられる会話は、SROチームはじめ警察がなかなか真相にたどり着けない理由でもあり、興味深かった。
    最後は前作までの経験で更に強くなった麗子が活躍!
    誰ひとり見劣りしない良いチームになってきたなあ。

    そしてSROチームとしては、久々に全員が集結。
    6巻までくるとそれぞれのキャラにも親しみを持つようになり、仕事以外のプライベートな場面も楽しみの1つ。新九郎は予想外の展開だけれど、それ以外のメンバーはいい感じに前進していてほっこり。

  • 新たなるヒール誕生。これまでの悪役にもそろそろ飽きてきたところなのでちょうどよかった。これは次作以降に逃げ切ってシリーズ化するかと思いきや急転直下で捕まっちゃって嬉しいやら悲しいやら。複雑な心境。

  • シリーズ第6弾。最凶のシリアルキラー・近藤房子が捕まり、物語はどのような展開を見せるのか非常に興味があったのだが…

    長らく戦列を離脱していた木戸沙織が復帰し、さらにはボディーファーム事件で深傷を負った芝原麗子、家庭の問題で休職を余儀無くされた尾形洋輔も復帰し、久々にSROのメンバーが勢ぞろいする。そんなSROのメンバー前に立ち塞がるのは新たなシリアルキラーだった。

    本作に登場したシリアルキラーは近藤房子ほどの強烈なインパクトは無いものの、相変わらず二転三転の展開に山根新九郎の名推理とストーリーは面白い。

    なお、『SRO episode0 房子という女』は、2016年春に文庫化されるようだ。

  • 20190212 読了

    覚書
    第一部 クリーナー
    第二部 リッパー
    暖三部 ネフェルティティ

    前作の房子の話みたいに、今回のシリアルキラーの
    生い立ちも知りたくなった。…全員の(笑)
    あと1冊、ブラックナイト読めば新刊待ち~

  • シリーズ6作。今回のターゲットは四十人格を持つ暗殺者。犯人の心理描写や行動とSROの捜査過程が平行して描かれるいつもの手法で,謎解きとはまた違ったおもしろさがページを繰る手を止めさせない。メンバーの人間臭さもいい味付けになっている。室長は格好いいのか格好悪いのか?

  • シリーズ第6弾。前作の房子エピソード0からの続きな感じ。
    房子とはまた違う怖さのあるシリアルキラー。分厚いけど、テンポ良い展開でページがどんどん進んでいく。
    万全ではないメンバーもいるけど、やっぱりSROメンバーが揃うのは安心する。山根室長、冴え冴え。でも、花子さんはどうかと思う。。

  • 前作まででSROメンバーの大半が満身創痍だったので、本作でどう復活するのか心配だったけど、やっと全員集合!!!

    今回のシリアルキラーは近藤房子よりはまだ良心があると思った。
    観劇の主婦とバスの警視、ムカつく気持ちはよく分かる。笑

    ラストの麗子さん、カッコよかった!!
    でもプロの殺し屋を何人も返り討ちにしてきた林葉が麗子さんに簡単にやられてしまったのは、その時の人格が腕っぷしは弱かったから?!
    そこはちょっとうーん、、って感じだったけど、これ以上、麗子さんが傷を負うのは嫌なので良しとしよう。笑

    そして、鈴木花子さん。
    なかなかの魔性の女じゃないですか?!
    山根推しなので、新九郎さんには幸せになって欲しいよ。

  • 警察小説
    東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。その最中、耳や手首が切り取られた惨殺死体、銃殺死体が東京近郊で相次いで見つかる。すべての現場に残る同一人物の指紋から、SRO室長の山根新九郎はある仮説を立て犯人に迫っていく。

  • どハマりしたシリーズの第6弾。近藤房子には敵わないけど、今回のシリアルキラーもなかなかイカれた人物だった。
    面白くてスイスイページが進んでいった。

  • 今のところ、最新作。4重人格のうち、1番目と2番目が主役。ちょっと3,4番目の人格は、あまり表立ってこないので、やりすぎのような気がする。
    ただ、6冊目にて、SRO捜査室のみんなの私生活の悩みが少しずつ、ほぐされていくのがうれしく思えた。

  • 富樫綸太郎による広域捜査専門集団の活躍を描くシリーズ第6弾。
    タイトルにあるように、本作は多重人格の登場人物が存在する。その人格も当初はA、Bなど記号で、やがてその特徴を表した呼び名で、最終的には判明している人物の名前で呼び表され、読み進めるにしたがってその人物の詳細が露わになる構造となっている。
    SROのメンバーの周りの人間関係もさらに複雑化する。新九郎と花子がいい雰囲気になってきたかと思いきや、そこに割り込んだ人物に花子の気持ちが傾いていったり、麗子を心配する人物と少しいい雰囲気になったかと思うと1人に戻った麗子からは彼の存在はなかったかのごとく軽いものになったり。
    本シリーズがどこまで続いていくのかわからないが、こうも複雑化しすぎるとシリーズが中途半端に途切れてしまう懸念を抱いてしまう。もちろん、物語の中では時間が1年と経っていないため、あまりアッサリとまとまったらおかしいだろうが、あまりに登場人物たちが幸せそうでないのが気にかかる。

  • 帰ってきたぜ!!SRO!!!!!

    休職組も復帰だぜ!!

    久しぶりにメンバー全員が顔をそろえて新たなる敵との対決です

    今回のシリアルキラーは殺人自体を生業としている・・・殺しの請負人

    ニヒルでハードボイルド・・・そして多重人格

    さてさて・・・・・・・

    脇で語られるのはSRO面々・・・・それぞれの事情であります

    自身の未来

    家族の未来

    SROの未来

    最終局面のあっけなさには肩透かしの感はありましたが

    こりゃーシリーズまだまだ続くねー

    てな内容で

    楽しみが増えたよー

    とうれしくなるような内容でした(#^^#)

    近藤房子の取り扱いは今後どうなるのか興味津々・・・・・

  • 近藤房子との戦いに終止符を打ったSRO(警視庁広域捜査専任特別調査室)メンバーが其々の個人的な問題に取組みながら、新たな殺人鬼(4重人格:はやしば秀秋、工藤和也、プリンス、ネフェルティティ)とに逮捕(戦い)に挑む。久々のシリーズの新刊で面白く読めた。この殺人鬼は強く格好良い完璧主義者で且つ、近藤房子に匹敵する残忍性を持つ。逮捕されるも裁判により今後、に続く様な終わり方だった。

  • なかなか面白かった。2重人格が相反する話はあったけど4重人格がそれぞれの特徴を活かして協力しあうとこが興味深かった。また登場するのかな?

  • シリーズを読んでいないとわからない事が多いから、前作を読んでからの読書がオススメ。

    内容的には読みやすいけど、少し無理やり感がある。
    そこでそんな都合の良い推理になるかな?っといった感じで。

    でもシリーズ読んでたら各キャラにも愛着が湧くし、楽しめると思う。

  • 好きなシリーズのひとつ。今回近藤房子が出てこないので安心して読めました。正直怖かったので。室員それぞれのプライベートなエピソードを挟みつつ(こちらも展開が気になる)、事件・捜査は割と淡々と読み進められて、いい感じです。

  •  SRОのメンバーが全員揃いました。なんか皆さんの私生活が充実しそうな、そうでもないような。そして新たな敵が。また上手い事無罪になって、犯罪を重ねるのかな?
     このシリーズ文章が、た。で終わるのがすごく気になるのは私だけ?

  • 201509/待ってましたのこのシリーズ。今回も一気読み。サオリやレイコが苦しみを引きずりながらもがむしゃらに立とうとする姿には涙。ハナコの存在意義が謎。

  • ありがちだけど妙に面白ろかったなぁ

  • 意外とすんなり捕まった感が残った。そんなことはないのだが。

  • シリーズでは1番サクッと読めた。
    殺し屋目線のそんなに緊張感のない感じが、伊坂風味で読みやすかった。
    引きこもり、汚部屋、三角関係、多分投げかけたい社会問題もあるんだろうけど、結局必要?と思ったりはしてしまったけど。

  • 犯人だけでなく多くの登場人物がそれぞれ違った種類の心の闇というか特異性を持っているのが印象的。自分にもそんな人には理解されないような特殊な性質が備わっているだろうかと振り返ってみた。

  • シリーズの中で一番面白かった。Vを飛ばしたのは、近藤房子が嫌いすぎるから。
    なんとなく伊坂幸太郎の殺し屋シリーズを連想した。

著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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