- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122065574
感想・レビュー・書評
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老残の身には、何とも身につまされる題名(笑)で、読まずにいられなかった。
夫婦ともにリストラに遭った50代の主婦が主人公。
しかもなけなしの貯金は、娘の結婚式それに舅の葬式代に出費し、残り僅か。
結婚した娘は、DV被害が疑われ、さらに行き掛かり上、姑を自宅に引き取る羽目に。
親類や近所付き合い、友達付き合い等々、読者の日常生活や倹約生活のヒントにもなる、主婦のドタバタ奮戦記。
度重なる逆境にもへこたれない主人公(時たま歯がゆくなる時もあるが)の姿に、似たような境遇の諸姉は、勇気をもらえるかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たまたま本屋さんで見かけて この人の本は初めて読んだ。
まさに悲喜こもごも。
読みながら 何度吹き出しただろ。
この感じ どこか懐かしいと思いながら 読んだけど いま閃いた。この人の面白さって ちょっと佐藤愛子を思わせる。
深刻な内容でも 思わずくすっと笑っちゃうような感じ。
いいなぁ。こういうの好き。 -
50代の篤子。老後に備えてちゃんと貯蓄していたはずが…
行き当たりばったりの頼りない夫、ぼや~としている娘と就職を控えた息子、夫の両親、そして夫の妹夫婦に囲まれた篤子に降りかかる老後の資金危機!
葬式代やらリストラやら、結婚費用やら、義理両親のお世話やら…なんやらかんやらで「もうお金がない!!」って、これからの老後はど~なっちゃうの!?
読み始めてすぐに「あ~なんか苦手系かも…」と思うような展開でだら~っと読み始めたんだけど、姑の芳子さんが登場してからがおもしろくなってきたかな~
で、読んでてなんだかふとうちの父母思い浮かべちゃったよ。そう思ったら、篤子さん夫婦の右往左往ぷりもなんかわかるような気がする。
教訓
葬式は地味にすること -
楽しい本でした。
終盤、物語があらぬ方向へと傾きかけ、ハラハラしたが持ち直してホッ。
終わり方もめちゃくちゃ良かったですね。
全てがいい収まり方をしたという感じ、読後感が非常に良かったです。
読後感だけでなく、題材や登場人物、キャラクター、テンポどれも良かったです。自分より少し上の世代の話だったので、素直に勉強になったと思います。
夫にもお勧めしましたが、いま積読状態ですw -
老後資金が底をつき、頼りない夫と義姉に挟まれてストレスがたまり続ける主人公。
さらに、嫁入りした娘の心配や習い事仲間の話などを絡め、前半はどんよりした空気が漂うも、姑を引きとってからの話が俄然面白くて、明るく笑える小説になっています。
また、老後を楽しく過ごすためのノウハウの一端がわかります、それは信頼できる仲間を持つ、見栄を捨てる(腹を割って話す)、小銭を稼ぐ意欲を忘れない、日々を悲観的で深刻になりすぎないように過ごす等・・各人がこの小説の読み方次第で得るものがあるでしょう。
これから年金生活に入るあなた、将来を悲観する前に、とりあえず一服の清涼剤として読んでおいても損はありません。 -
状況は確実にひっ迫しているが、コミカルでユーモアに満ちた作品に、悲壮感はない。
とは言え、序盤、私の老後も不安に駆られ、我が家の通帳を眺めてしまった(//∇//)
主人公の篤子と夫の章。結婚を控えた長女:さつきと、内定が出ている大学4年の長男:勇人。
どこにでもいる家族であったが、見栄を張るばかりに出費がかさむことに。勉強になる小説、しかも楽しかった。
見栄や不要なプライドの鎧を脱げば、人生どうにかなる!と勇気をもらった。
室井佑月の解説も良い♡…「通帳に書かれた数字は、いくら眺めても増えません!」そりゃそーです! -
結婚式や葬式など自分でも経験があり、あの時はこうすれば良かったと本を読んで尚更後悔してしまう。一方、主人公と他の人達とのお金に関して考えのギャップを見せつけられるが、逆に主人公の何がなんでも節約という考えも息苦しく感じた。
前半のモヤモヤした展開から、姑との同居が始まると内容が好転して行く。姑の家事への参加、悪事(?)への加担、娘のDV騒動を経て、友人の葬儀への手伝いなど、心を温かにしてくれる展開となる。お金の話しだけでは無かったのが良い。 -
主人公の篤子は50代になってから、娘の結婚費用、義父の葬儀代で貯金を大幅にとりくずし、しかも、夫婦揃ってリストラにあう。切り詰めようと思っても、義母や義妹との関係にも気を遣い、なかなか簡単には行かない。
節約上手の義妹や友人サツキの話を聞いて、参考にしつつも、焦りを感じることもしばしば。また、端からは裕福そうに見えていても、内実はそうでもない人も登場し、人はお金がないと、精神的な余裕もなくしてしまうということが、面白おかしく描かれている。
自分もちゃんと将来のことを考えておかなきゃ、と思わせてくれる一冊。