- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122066014
感想・レビュー・書評
-
なんとも…感情移入のし難い物語りでした。
コレはもう、趣味嗜好、価値観、生き方のズレ。
恋愛でもホラーでもミステリーでも自分とかけ離れたところにある物語なら素直に楽しめるのに、コレは近い…近すぎる。
隣の家の話かな?ってくらい近い。
だから反発してしまう…そんな感じ。
ただの捻くれ者やないかい笑
先祖が生んだ財産で生計を立てる母と刺繍を生業とする娘が暮らす老朽化の進んだ広いお屋敷。
そこにともに暮らす血縁のない保険会社勤めの2人の女。
これは気ままで楽しそう♪
確かに4人の暮らしは気ままで楽しそうに見えるけど、山田さんとか神田くんとか本条とか…登場人物としての男性陣の扱いが雑。
無理矢理、男性を遠のけて女4人の楽しい暮らしに仕立て上げてるという感じがしてならない。
ストーリーは面白いのにエピソードにいちいちつまづいてしまう。
山田さんにこそこそする理由ってある?
鍵のかかった部屋に家主に内緒で入るってどうなの?
本気で本条に困ってないよね?
といろんな違和感があって疲れました^^;
きっとホントはほのぼのする本なんだろうなぁと思うのだけど…。捻くれ者でごめんなさい。
2021年9月4日 -
この小説のジャンルはなんだろう
とにかく電車の中で読んではダメな本
ふいに笑わせられる
この4人の関係がちょっと羨ましい
笑いっぱなしと思ったら
ラストはきゅーっとなりました
よいお話し
楽しかった -
刺繍作家の佐知と母の鶴代、そこにひょんなことから転がり込んだ雪乃と多恵美、四人が暮らす一つ屋根の下のお話。
三浦しをんさんと言えば、古風かつ王道な語り口で物語を展開しつつ、ちょっとした仕掛けを絶やさない、そんな作品群を想像しますが、今回の仕掛けはかなりトリッキーでした。
ネタバレになるので控えますが、小説の「人称」って矛盾を常にはらんでいるんですよね。だからこそ、誰かへの手紙の形を取ったり、日記風にしてみたりと作家さんたちの工夫が伺える部分でもあったりします(そのあたりのことは、同じく三浦さんの『マナーはいらない 小説の書きかた講座』にも記載されています)。今作はそのあたりの仕掛けが面白かったです。
しかし、この仕掛けがある意味では「人を選ぶ」ところかな、とも同時に感じました。こういうテイストを好まない方もいるかもしれませんね……。
物語は初春~夏のあたりを描いているのですが、さすがの筆致で雨の音やら運針する佐知の手元が見えるようでした。
主たる登場人物である四人の女性は『細雪』に登場する姉妹を踏襲したものとなっており、そのあたり詳しい方が読めばもっと楽しめるのかもしれません(私はこの作品読了時は未読)。
日常をゆるやかに綴っている物語なので、物足りないと感じる方はいるかもしれませんが、個人的にはこんな風にワイワイ言いながらゆるーく共同生活してみたいな、という感想を持ちました。
とにかく、花火のシーンが楽しそうでした。 -
文体やオチ(仕掛け?)には賛否両論ありそうだなと思いつつ、男性不在の洋館で暮らす女性たちの考えや今日に至るまでの歩みはすごく馴染みがあって親しみやすい。マニアックなエピソードも交えての軽妙な語りに一気読みでした。
-
杉並の古い洋館には四人の女が住んでいます。母子と娘の友達の二人。敷地の掘建小屋には80歳を超えた老人。細雪を三浦シオン流にしたようです。ファンタジーの要素もはいり、題名のわけがわかります。
-
現代版「細雪」。姉妹ではないが名前ももじってあり暮らしぶりが淡々とつづられる。女性4人の物語ってよくある気がするのだけれど、個性が分かりやすいのかなあ。前半は余りに波乱がないので中々読み進められなかった。
後半になると、カラス、ミイラ、幽霊、梶さんの登場により日常話から不思議な話、少しの恋話へ転換していく。
年老いていく一人の未来に希望は持てないけど、不安ばかり気にしていても仕方ない。気楽に行こう。でも何となく周りに誰かいたらいいよね。佐知と雪乃の二人の中年女性の肩の
力が抜いて行こうとする生き方、有りなのだと思います。
でも梶さんとのロマンスもうまくいけば良いと期待します。 -
時々ファンタジーが入ってくるけど、なかなかおもしろかった。女四人の思いに共感することもあった。たまには「夢見る馬鹿」になるのもいい。
家族って、時に鬱陶しくてやかましくもある。しかし、おかえりとただいまのある空間にいることは、とても大きなことなんだなぁと思った。
コメディタッチだけど、強く訴えるメッセージもある作品。 -
やっぱり最終的には女友達よねぇ…と思いながらもグラグラするお年頃の女性たち。
-
表紙の雰囲気とは全く違うほのぼのとした物語でした。年老いた母親とその娘、友達とその後輩の奇妙な4人暮らし。その4人の掛け合いが堪らなく良かった。山田さんのキャラクターも良かったし、なんだかずっとこの4人と1人で仲良く暮らしていってほしいなぁと思った。
文中にあった雪乃のセリフ、「男女のあいだに理解は成立しない」って正にその通りだと思った。
自分には娘の誕生のお祝いに河童のミイラを買ったお父さんの気持ちがよくわかった。
最後まで読んであの家に暮らすってタイトルの意味がわかった。 -
僕には合わなかった。ただそれだけ。
三浦しをんさんの作品で合わなかったのはこれだけ。 -
生きるにあたり、人と人との繋がりは必須です。
気づく、気づかない、目に見える、見えないは
別にして、多くの人と繋がり、結果何かしらを得て
、それにより支えられています。
当たり前のことすぎて、案外忘れてしまいがちですが、
それに気付けるのはとっても素敵な生き方です。
あんまり、僕が読まないタイプの作家さんで、
話が縦に続くのでなく、横に広がる展開に最初は戸惑いましたが、読み終わるとほっこりした気分になりました。 -
善福寺川沿いの洋館に住んでいるのは母鶴代・娘の刺繍作家佐知、佐知の友人OLの雪乃、雪乃の後輩OL多恵美。
女たちは日々を淡々と暮らす。
家庭菜園でとれた野菜で鍋を囲み、春には花見に繰り出し。
ギラギラしていない自然体の女ばかりで暮らすのは、こんなにも安らげるものなのか。
といって男子を締め出しているわけではなく、それなりに恋の予感もあったり元カレのヒモ男に付きまとわれて迷惑してもいたり。
そんな毎日をつづったお話なのですが、何が愉快って彼女たちのものごとの捉え方が面白い。
こんなにクスクス笑いながら読んだ本は久しぶりでした。
楽しい時間をありがとうございました。 -
4人の女の視点であるのが基本だが、第三者の語り手が時々出てくるが毒気があって小気味好い。中盤以降に登場する新たな語り手が絶妙。タイトルがあの家、なのはそーゆーことか。と腹落ちするのも気持ちいい。
-
ふんわりとした日常生活の中に、ちょっと孤独感が漂っている女たちの共同生活。
独身女性の心の機微を描く繊細な作品かと思いきや……。
いきなりカラスの語りが始まったときは面食らったが、
このあとに続く別の語り手の登場への前フリだったか?
河童のミイラが動く場面では大爆笑!!
こういうの書かせたらホント上手いなぁ(笑) -
笑った笑った。声に出して笑ってすっきりした!さすが三浦しをん先生だわ。愉快でしっとりしてて泣きながら笑える。最高のエンタメ。わたしもここに住みたいわ。あと、山田さんには長生きしてほしい。
-
癖がある女性たち4人の家を描いた話で表紙に惹かれました。
くすっと笑えて結婚していなくても子供を産んでいなくても生きていていいんだなと思える本でした。
私も直近でこの作品読みました。
私はこの作品は、しをんさんのエッセイの延長線上の世界観の作品だと理解して読んだ...
私も直近でこの作品読みました。
私はこの作品は、しをんさんのエッセイの延長線上の世界観の作品だと理解して読んだので、もう痛快だったらなんでもごじゃれ、と割り切って読んでしまいました。もっと弾けてほしい!という感じです。
でも、これはエッセイじゃないですし、小説と考えると、なつこさんの書かれている三つの”?はおっしゃる通りだと思います。全くもって同感です。
とてもなるほど…と感じてしまってコメントさせていただきました。
ありがとうございます!