日本史の黒幕 (中公文庫 あ 1-7)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 47
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067868

作品紹介・あらすじ

京大出身の碩学3人による日本史上の人物、それもアウトサイダーに光をあてたユニークな対論。会田氏はイタリア・ルネサンスの人物との対比、山崎氏は「木像磔刑」「世阿彌」「室町記」などを執筆した中世史の視点、小松氏は現在と過去を自在に往還するSF作家ならではのアプローチ、と三者三様の語り口が面白い。それぞれが歴史研究者とは異なる自由な視点から、歴史にあらわれた人間の表と裏にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 当時の智の三巨人による鼎談集。
    時代のせいもあるが、ジェンダー感が酷い。特に山崎正和。
    巻末に注釈が入るはずや

  • 語られていることの半分も理解できない自分の教養のなさが情けないが、わからないながらも近くで耳をそばだてていたいと思えるお話でした。

  • 昭和53年頃の対談。日本人の一般教養がこの40年で如何に廃れたかを考えると愕然とする。ジャンルの異なる京大出身3名による異色の対談。

    なぜこのタイミングで再版されたか経緯は分からないが書店で手に取り即買い。このあたり電子書籍と違う紙の本ならではだろう。小松左京の再評価と関係しているのだろうか。

    小松左京、会田雄次、山崎正和の京大出身の3名による対談。おおむね日本史と時にヨーロッパ史を比較しつつ話が進んでいく。

    講談などで定番だっただろうエピソードが当たり前のように出てくる。当時の読者の一般常識、教養的な部分がほんの40年過ぎただけで風化しつつある。いずれは教養という言葉も死後と化すのかもしれない。碩学という言葉も。

    同じような知識のバックボーンのある人たちの会話は本当に面白い。

    小松左京も読みたいが個人的に会田雄次は「アーロン収容所」ほか昔ハマった学者なので、これを機に再読してみたいと思う。

  • 歴史にあらわれた人間の表と裏を探ろうという座談会。黒幕・閨閥・浪人・悪党・スパイなどをめぐり、碩学三人が、独自の視点からせまる。〈解説〉井上章一

  • いやー、分からない、教養不足を痛感。1976-78年の連載が元なので時事ネタや関連する固有名詞がすぐにはピンとこないのは仕方ないとして、歴史的出来事や登場人物、なんか聞いたことあるけどなんだっけレベル。それを三賢人が常識として議論のベースとして鼎談を展開する(ちなみに小松左京は出版時まだ45歳)。
    この時代だから言えたネタも多いが、今日でも言い得て的を射た話も多い。
    日本人はすぐ脱ぐからポリネシア、メラネシア系、中国人はモンゴリアンだから絶対に脱がない。
    女郎が武士をからかって、お侍ほどいい商売はない、ありもせぬいくさを請負うて禄をもらって…今なら自衛隊がそうなっちゃう。
    日本の経済はまだ浪人を吸収できているが、いずれは新日鐵とか総合商社も首切り不可避かも…それを見越して「浪人」カルチャーを賞揚すべき。
    風流の道があるおかげで、我が国では正義の反対は風流であり、悪者にならない(光源氏や在原業平のようにアウトサイダーは、愛や好色の世界に救われてしまう)。
    日本人の9割はスパイ…つまり本当の信念に基づき行動する人間は稀。
    連載物をまとめたものなので、黒幕に関するネタは冒頭のみ。

    「#日本史の黒幕」中公文庫、会田雄次、小松左京、山崎正和
    Day48


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著者プロフィール

会田雄次

一九一六年京都府に生まれる。四〇年京都帝国大学史学科卒業。四三年に応召、ビルマ戦線に送られ、戦後二年間、英軍捕虜としてラングーンに抑留された。帰国後、神戸大学、京都大学(人文科学研究所)をへて、京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス史。著書は『アーロン収容所』『ルネサンスの美術と社会』『ミケランジェロ』など多数。九七年逝去。

「2019年 『日本史の黒幕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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