いい感じの石ころを拾いに (中公文庫 み 53-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067936

作品紹介・あらすじ

2019年、10月Twitterで話題!

ただただ海辺にしゃがみこんで、なんかいい感じのする石ころを探す。それ以上主張したいことは、とくにない。謎の奇岩ガールや気だるそうな編集者とともに、北海道から北九州の離島まで。選りすぐりの石ころ写真満載。石ブーム(?)に一石を投じた紀行エッセイ。





【目次】



はじめに



ヒスイよりもいい感じの石ころを拾いに 糸魚川


 メノウコレクター山田英春さんに会いに行く


 東京ミネラルショーを見に行く


伊豆・御前崎石拾い行


 アフリカ専門旅行会社スタッフ・久世さんの石


 『愛石』編集長立畑さんに聞く


北九州石拾い行く


 石ころ拾いの先達渡辺一夫さんに会いに行く


大洗の坂本さん


石ころの聖地〈津軽〉巡礼


北海道石拾いだけの旅





【文庫版付録】島根の石ころを拾いに



 石拾いスポットMAP


 あとがき


 解 説  武田砂鉄

感想・レビュー・書評

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  • タイトルそのもの、石ころを拾いに行くだけのエッセイ。でも面白かった。好きなものは好き!って最高だなぁ。武田砂鉄氏の解説にもニンマリ。

  • 運悪く、本書について女性差別がどうこう云っているレビューに接してしまってから読みはじめたので、非常に幸先が悪かった。金輪際見るべきものではないと痛感。
    「こちら石拾いがお好きな作家の宮田さんです」と紹介するのと、「こちら蔑視表現が散見される作家の宮田さんです」と紹介するのとでは、明らかに受け手の印象が異なる。言葉は受容者がいて成立するもので、書籍だって例外でない。「差別だ!」の大声で「差別…かねぇ」と訝るつぶやきが抑止されるのってすこぶる具合が悪い。
    ま、それなら読むまえにレビュー見るなという話ですけれども。

    本書、強い共感を籠めて読みました。海辺や森林に足を踏み入れるたび、落ちている有象無象を持ち帰る習癖がある私には宮田さんの流儀がよく分かる。なんかいい石を見つけて拾っちゃうんですよね。名所を知れたのでほうぼう旅したいとおもいます。

  • 私が石ころを拾っている最初の記憶はたぶん5歳くらい。青森への家族旅行、旅館で売っていた錦石を重いからだめといわれてもねばって買ってもらってから40数年が経った。今日黒いおしゃれな四角い箱に並べなおしてみた。石にたいしてのおもい(っていうか、そんな大したことないが)完全に宮田さんと同じであることを発見。
    宮田さんの本を読むと心が軽やかになるので好き。

  • ただ「いい感じの石ころを拾いに」いろいろな海岸に出かけたり、石ころ拾いをしている人々にインタビューに行ったり。なにより、趣味をきわめるとかそういう熱い感じじゃなくて、「こんなことでいいんだろうか」「なんか違うんじゃないか」みたいになんだか迷いながらやっている感じがほかに類を見ないというかなんというか、すごく好き。

  • 石ころなんてまったく興味がなかったのに、読み終わったらちょっと拾いに行きたくなりました。

  • 面白かった!
    私もまさに「いい感じの石ころ」が好きで、新婚旅行の屋久島でも思う存分石拾いタイムを設けてほくほくした思い出があるので、言葉にしてもらえて何度も「そうなんです!」とスッキリ。
    石界にも色々あるんだな、、自分の石に対する気持ちを自問自答しながら、日本全国ただ石ころ拾いに行って帰ってくる紀行文?
    今をときめく武田砂鉄氏がまだ会社員で担当編集しており、出張(石ころ拾い)に同行する度上司に白い目で見られるなど現実社会との繋ぎ目っぽくて面白い。巻末の解説文で「ただ、石ころを拾いに行って、拾って、帰ってくる」その意味のなさ、役に立たなさがいいと書かれており、内田百閒の阿房列車にも通づるものを感じてさらに好きになった。

    なんにしろ平和な気持ち。石ころきれいだな〜

  • 第85回アワヒニビブリオバトル「【1日目】おうち時間DEビブリオバトル」4時間目 総合で紹介された本です。
    オンライン開催。
    2022.05.03

  • 石の話も面白く楽しかったし、何より「好き」という感情に対するゆるいスタンスがいいなと思った。

  • 石。奥深い世界ね。道端の石から宝石まで。拾った時は特別だけど手放したらどうとも思わないっていうのも味噌ね。ハマる人もいる…趣味とは深遠な世界。

  • ひたすらに「いい感じの石ころ」を探す話。
    (どことなく「孤独のグルメ」と近い匂いを感じる)
    著者にとっての「いい感じの石ころ」とは、宝石や鉱石のような価値がある石ではなく、化石などでもない。海や河原に転がっているただの石ころで、見た目や手触り、たたずまいが「いい感じ」と思ったものである。

    話が進むにつれ、はじめは漠然としていた「いい感じの石ころ」の定義が徐々に判明していくが、最後までそれを決めつけることなく、フンワリとした部分も残されたままなのがいい。
    自分にしか分からない美しさや価値観を語ってるのがとても面白いし、それを共有できる石ころ好きの方々(専門家含む)のお話もとても面白い。

    石ころ鑑賞の楽しみ方なども人によって様々で、「いい感じの石ころを拾う」という行為は、とても自由で、優劣や正誤もなくて、自分との対話で、すごく贅沢なアクティビティ(?)だと感じた。
    もちろん私も、海や河原で石ころを拾いたくなった。

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著者プロフィール

旅と散歩と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。主な著書は『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『東京近郊スペクタクル散歩』(新潮社)、『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など。

「2023年 『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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