- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122068452
作品紹介・あらすじ
ドナルド・キーン氏の没後1年によせての復刊。本書は1952年、京大留学前のキーン氏による、ケンブリッジ時代の講義をもとにした日本文学論であり、もとは英語で刊行された。のちのキーン氏の著作および研究・思考の原点とも言うべき一冊。吉田健一による格調高い名訳とともに、長く読み継がれてきた。
「キーン氏の『日本の文学』は、詩人の魂を以て書かれた日本文学入門で、学問的に精細な類書はこれ以後に出ることがあっても、これ以上に美しい本が出ることは、ちょっと考えられない」――三島由紀夫にこのように言わしめた、日本文学研究者ドナルド・キーンの出発点となった本。『万葉集』『古今和歌集』『源氏物語』から、定家、芭蕉、近松、西鶴、子規など、後年の著者の研究の核となる、日本文学のエッセンスを縦横に論じた文学入門。
改版に際し、巻末に新たに、吉田健一によるエッセイ「ドナルド・キーン氏のこと」を収録。また新たに、ロバート・キャンベル氏が解説エッセイを寄稿している。
感想・レビュー・書評
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詩人の魂をもって書かれた日本文学入門――とたたえられた著者若き日の美しい情熱の書。詩、劇、小説、欧米の影響の各章によって分析。〈解説〉三島由紀夫
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解説の三島由紀夫も称賛を惜しまないこの初の著作は日本に来ることなど夢にも思っていなかったという30歳のときのもの。欧米の人々のための日本文学入門(ガイド)だけれど、日本人が読んでも得るものが多い。
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日本人だってこれだけ広範囲に読み理解している人は少ないと思う。
まず、日本語が中国の漢字からきていることを意識して中国詩や漢文にも触れ、さて日本に来たと思えば平家物語や万葉集、俳句、そしてシェークスピア戯曲など、こうした理解は日本人にとってはこうです…とか、馴染む表現はこうです…と比較して解説している。
太宰治の斜陽は読んだ事がなかったが、この書き手によって手に取る人もいると感じる。
解説とあとがきに変えた書評だけでも大変納得するもの。