- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122073487
作品紹介・あらすじ
読み終えたあと、柔らかくなった紙の感触もいい。読んだ。確かに読んだ。しっかり読んだ。そんな気持ちになる。それが文庫だ――。文庫愛好歴六〇年の著者が読んで書いた文庫をめぐるエッセイを厳選。文庫オリジナル編集で贈る、文庫愛読者のための文庫案内全一〇〇冊。
感想・レビュー・書評
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現代詩作家の荒川洋治氏が読んで書いた文庫のレビュー・エッセイを収録している。1部国内編、2部国外編と3部エッセイ編で計100冊である。
ブクログの本のレビューもこんな風に書ければいいなと思う。実際に読んでみたくなった本が何冊もあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の書評集に出会ってから10年以上になる。単行本の重さが多少苦手になってきたこともあり、購入するのはほとんどが文庫、この書評集も文庫オリジナルとして出してくれてとてもありがたい。そしていつもいつも読後には本が付箋だらけになってしまうのだ。必ずしも読みたくなった本の項ばかりではなく、「こんなふうに文学を文章を眺めて感じて味わいつくすのだな」という一文にふれるとそこにも付箋、著者の書評自体が作品となって心に響くのだ。
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「人間が悩む限りは、」という一節に目を惹かれた。たしかに、悩まない人間になってしまったらどうなるか。表情も機械的なものになってしまい、うなだれたりする表情もなければ、それはもはや人とは言えないようになってしまうように思える。悩むことこそ、人として生きていると思えれば、日常を過ごすことも少し気持ちが軽くなるのではないか。
書評を集めた書籍となっている。良書だけを読む必要があるというようなことが書かれていたが、何をもって良書とするのか。良書でも悪書でも自分にとって気になる本であれば目を通しても良いのでは、とは思った。 -
著者の読書エッセイのうち、文庫化された作品について書かれたものをまとめたオリジナル版。
初出一覧を見ると、結構読んでいたことが分かる。 -
毎日新聞のこの筆者の書評が好きでずっとフォローしていて、書評に紹介された本は読んだつもりでいたのですが、ここにある100冊のうち読んだことがあったのは10冊もありませんでした。文庫歴は私も50年近くなりますけれど奥が深いというか、文庫本って好き。
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荒川さんの本の紹介、解説を読むと、ついその本を読みたくなってしまう。短いものだと3~4ページの文章で、その本の魅力が生き生きと語られ、少し長いものでも10ページほどの中に、作品及び作者について簡潔に紹介される。
取り上げられているものは結構読んだ作品が多いが、改めて読みたいなあと思ったもの。
〇加能作次郎『世の中へ・乳の匂い』
〇梶山季之『李朝残影』
〇ゴンチャロフ『平凡物語』 -
本書は、筆者が書評をした本をエッセイ風に紹介する本である。(文庫本のみの紹介、入手困難の本も少しあった)
普段の読書生活では辿り着かないような本を複数見つけられたのでよかった。また、それらの本を読み終えた後、また本書に戻りたいと思う。 -
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