人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」: 第三次AIブームの到達点と限界

制作 : 新井 紀子  東中 竜一郎 
  • 東京大学出版会
3.09
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130614078

作品紹介・あらすじ

5年にわたり大学入試に挑んできた人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」.同プロジェクトはMARCHレベルの大学に合格できるまでの学力を実現しながら,同時に現在のAIの限界を明らかにした. AIは人間を超えるのか? 学科ごとの詳細な分析を通じて,AI研究の現在を一望する.

感想・レビュー・書評

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  • 東ロボプロジェクト科目別ソルバーの詳細解説
    科目や出題形式ごとのアプローチがよくわかったが、少し専門的すぎるところも。
    出題形式が変化するとリセットされてしまう脆さと、どのアプローチで取り組むかは人間の判断が不可欠というところからも、やはり汎用AIの実現は非常に難しいのだろうということを再認識した。
    と同時に、一人の人間が無数のソルバーを使い分けることができるという、人間の素晴らしさというか奥深さも感じられた。

  • 表紙とタイトルは何やら簡単そうな話を書いているのだけど中身はめっちゃ論文で難解、難しいわ。

  • 東ロボPJの詳細な解説をしている書籍。
    すでに東ロボPJは凍結してしまったが、このPJで取り組まれた内容が解説されており、非常に参考になった。

    基本的にはセンター試験の各教科への対策と二次試験の対策という形だが、教科・問題の種類ごとに様々な読みとり方法とソルバーが用意され、その性能を改善していくさまはすばらしいなと感じた。

    データサイエンス周りは私も勝手知ったところではあるが、やはり日本語を読み、その問題を適切に分類するという箇所は難易度が高く、そもそもの問題着手がしにくい部分が最大のネックだと改めて思った。

    日本語解析の部分はNLPでもなかなか進まない部分であるため、この基礎研究部分の充実化が今後大事になりそう。


    ◆目次
    序章 東ロボプロジェクトは何を目指したか
    1 東大の入試問題を解けることの意味
    2 東ロボプロジェクトの歩み

    第1章 [各教科の取り組み]英語――言語処理技術の適用と深層学習の利用
    1.1 学術的な位置づけ
    1.2 アクセント・発音問題
    1.3 文法・語法・語彙問題
    1.4 会話文完成問題
    1.5 不要文除去問題
    1.6 意見要旨把握問題
    1.7 未知語句語義推定問題
    1.8 内容一致問題
    1.9 段落タイトル付与問題
    1.10 リスニング
    1.11 イラスト問題
    1.12 図表の読み取り
    1.13 まとめと今後の展開
    コラム ヒューリスティクス

    第2章 [各教科の取り組み]国語――テキストの表層的情報に基づくアプローチ
    2.1 センター試験「国語」の構成
    2.2 学術的な位置づけ
    2.3 現代文・漢字問題とその解法
    2.4 現代文・評論読解問題とその解法
    2.5 現代文・語句問題とその解法
    2.6 現代文・小説読解問題とその解法
    2.7 古文・文法問題とその解法
    2.8 古文・内容理解問題とその解法

    第3章 [各教科の取り組み]世界史――テキスト情報源への情報アクセス手法に基づくアプローチ
    3.1 学術的な位置づけ
    3.2 大学入試センター試験
    3.3 2次試験
    3.4 今後の課題

    第4章 [各教科の取り組み]数学――深い言語処理と高速な計算代数の接合
    4.1 学術的な位置づけ、模試の結果
    4.2 2次試験・記述式問題の解法とエラーの分析
    4.3 今後の課題
    コラム 真理条件意味論

    第5章 [各教科の取り組み]物理――シミュレータと図形描画を利用した力学問題の自動解答
    5.1 学術的な位置づけ、模試の結果
    5.2 力学問題をシミュレータで解く自動解答器
    5.3 図形を含む静的つり合い問題の求解
    5.4 まとめと今後の課題

    終章 人とAIの協働で生産性は向上するか?
    1 リーディングスキルテスト
    2 機械翻訳と人との協働において生じるエラー分析
    3 東ロボと機械読解

  • 英語と国語のAIによる解答戦略は、意味を理解するのではなく相関得点を計算するというものが多い。創造と違う

  • 力作。
    論文のよう。興味のある人には貴重な本だろう。
    殆ど私には不要な内容。だか、AIがどのようなもので、どんなアプローチ、ソルバーであるのかわかった。

  • 科目別に検証しているが、結論としては「AIは文章読解ができない」という事になるかと思う。よって人間がAIに勝てるとすれば文章読解、つまり言語能力という事になるわけだが、この言語というのも人間が操れるように最適化されているだけであり、AIに特化した言語が生成されれば、人間が理解できない領域でAIが自ら進化していくのかもしれない。要するにAIがAI言語で入試問題を作成すれば人間には全く回答不可能になるという現象が生じるという事である。

  • 請求記号 007.1/A 62

  • 東2法経図・6F開架 007.1A/A62j//K

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